徳島スタッフ齋藤です。
昨年、2010年からリレイションが運営してきた神山塾が3年ぶりに復活。
11月には1ヶ月間の短期コース(12期)、
12月からは6ヶ月間の13期が始まっており、
4月末現在残り約1ヶ月というタイミングになりました。
リレイションのFacebookやInstagramをご覧いただいている方は、塾生がどんなことをしているのか少しずつご存知だと思いますが、KATALOGの記事としてお届けできていなかったので、神山塾13期のこれまでを振り返りたいと思います。
自分自身をしっかりデザインする
神山塾13期は3年ぶりの復活ということで、
リレイションスタッフもどれくらいの人が集まるんだろう……と締め切り前までドキドキしていましたが、蓋を開けてみると、たくさんの申し込みやお問い合わせをいただきました。
このような集合写真が撮れることが、とても嬉しかったです。
(募集に関して、SNSでのシェアやインタビューなどたくさんの方にご協力いただいたおかげです。本当にありがとうございました!)
開校式では塾生やお越しいただいた皆さん全員が自己紹介などを行いました。
神山塾の塾長を務めるのは、リレイションの代表の祁答院。
塾では「ケドさん」と呼ばれています。
ケドさん「神山塾では何度も何度も自分のことを話したり、自己紹介をする機会があります。それには自分自身をデザインする必要がある。自分がこれからやっていこうと思っていることを自己認識するために自己紹介を何度もするので、まずは自分にしっかり向き合ってほしい」
はじめましてのメンバーが多い中、休憩時間にはもうすでにお互いの興味のあることや暮らしについてなど話が盛り上がっていて賑やかな雰囲気でした。
私と私たちの「どんな居場所」になればいいのか?
半年間の学びの場として、
神山塾13期が、私と私たちの「どんな居場所」になれば良いのか?
どんな方向性なのか?
運営スタッフが決めるのではなく、塾生に考えてもらいました。
今回の神山塾は「地域環境循環SDGs(ものづくり)コーディネーター育成科」が正式名称。
学科の訓練内容には環境デザインという言葉も入っています。
環境とは与えられるものではなくて、自分でつくるもの。
「どんな居場所になればいいのか」を考えることは、
環境を自分たちでデザインするということになります。
3つのグループに分かれ、リラックスした雰囲気の中で、メンバーをシャッフルするワールドカフェの手法を使いながら議論を深めていきます。
全体として1つの答えを出すのではなく、
3つのグループごとにどんな居場所になれば良いかキャッチフレーズのような言葉を決め、それを全体に丁寧に共有しました。
半年間の学びの場として、大切にしたいことを共有し、お互いの気持ちを聞き合いながら決まったのがこの3つの言葉。
「自分との対話で等身大に。他者から刺激を受け合い、一歩踏み出せる場所」
「自分のホンネにチャレンジ!いつでもここがみんなの還る場所」
「失敗してもいつか還れる。焚火を囲むようにその人らしく居られる場」
話し合いの中では「焚き火」というワードがたくさん出てきていました。
皆さんは焚き火を囲んだことがありますか?
焚き火を囲んで話をしている時って、ぽろっと本音がでてしまったり、
飾らず自然体で話せるような気がして、
“焚火を囲むように”という言葉に、なるほどなあと思いました。
塾生企画のイベントを開催することに。
コンセプトの大切さ
神山塾にはイベントプランニングに関する授業もおこなっています。
塾生が自分たちで企画したイベントを開催するにあたり、
企画を進めていく前に、塾長からコンセプトの大切さなどの講義がありました。
私がメモしていた講義の内容を少し紹介します。
【コンセプトの大切さ】
何か活動やプロジェクトを進めるうえで、何のためにしているのか、自分が何のために動いているのかわからなくなることはありませんか?
コンセプトの共有がされておらず、「何をするのか」の議論からはじまり進んでしまうと、迷った時に立ち戻ることができず、方向性の修正も難しくなるように思います。
当たり前の話のように思いますが、
いざ実践するとなると、後回しになっていたり……。
コンセプトをきちんと話し合い、共有されている状況は企画やプロジェクトを進める上でとても重要なんです。
そんな講義を踏まえ、塾生も新しいイベントを進めていく上で、コンセプトを丁寧に話し合いました。
話し合いは難航…….。
全員で決める難しさを体感しながら、熱く、深い議論が繰り広げられていました。
何か物事を決める時、誰かに合わせて”それでいいや”というふうになることはありませんか?
今回のイベントのコンセプトについては全員が納得できて理解できるまでとことん話し合いを行なっていたように思います。
塾長が「ほんとにそれでいいの?」などと声をかけたわけではないのですが、
授業のグループワークのなかで塾生が率先して何度も話し合いを行っていました。
決定したコンセプトは「わたしたち+神山」
時間をかけて決定したコンセプトは「わたしたち+神山」。
塾生の一人に説明してもらいました。
塾生「わたしではなくわたしたち(神山塾生のみんな)で環境を作っていきたい。
わたしたちだけでなく神山の自然や環境、そして神山の人たちと共にイベントを作っていきたい、といった思いが込められていると思っています」
鮎喰川コモンで企画展を開催
そんなコンセプトを元に、今回のイベントは3班に分かれ、
3月・4月・5月にそれぞれがテーマを決めイベントを行うことになりました。
3月班のテーマは「つるす つなげる つみあげる」。
みんなで「つるす」ひとを「つなげる」関係を「つみあげる」をテーマにした作品を展示。
イベント紹介記事はこちら。
3月班の塾生「この企画展は、『神山でたくさんの方々とつながりを持ちたい』という神山塾13期生の想いから作られました。
この展示によって私たち神山塾生と地域の方々との関わりが広がるだけでなく、この場所へ訪れたみなさんにも、新たな関わりが生まれることを期待して企画しています」
子供も大人も一緒に。
作品がどんどんつながっていく
展示会場の鮎喰川コモンは、子育て支援、放課後・休日の居場所づくり、環境づくりを種に、まちの人々の活動を支え、伴走していく施設。(引用:鮎喰川コモンHP)。
この企画展では、展示して完成ではなく、来ていただいた方にも展示物をつくっていただけるよう、布や紐・紙などの材料が入ったお道具箱を置いていました。
展示がスタートすると、さっそく訪れた方が新しく作品をつくってくれていました。
今回は常設展示で基本的に塾生は展示会場にはいなかったのですが、神山塾生が滞在するオープンデーをつくり、一緒に作品作りを行なったり、実際に作った塾生とお話しませんか? という日も設けていました。
神山の大先輩方が足を運んでくださりお話ししたり、
展示に手を加えてくださったり、
子供たちが作品づくりを行なったりしたそうです。
3週間ほどの展示だったのですが、最終日に塾生と一緒に鮎喰川コモンへ挨拶に行ったところ、スタッフさんが「ほんとに馴染んでるよね〜。寂しくなるなあ」と言ってくださり、私も嬉しい気持ちになりました。
展示終了後、塾生に感想を聞きました。
「塾生がそれぞれに好きなものを作ったのですが、会場に展示をしてみると不思議と一体感があり、鮎喰川コモンさんの優しい空間に馴染んでいたことが、私たち自身にとっても驚きでした。こんなに素敵な場所で展示会をさせていただけたこと、この企画を通して皆様と接する機会が増えたことが嬉しく、感謝の気持ちでいっぱいです。」
講義を重ねるごとに変化する場の雰囲気。
そのままでいられる関係性。
徳島スタッフとして、塾生の皆さんと一緒に過ごすことも多かったのですが、ほかの業務の兼ね合いで私がしばらく塾へ行けないタイミングが何度かありました。
久しぶりに塾へ行くと、塾の雰囲気が変わっていったことが印象的に残っています。
講義を重ねるうちに、相手の意見も受け止めながらも、自分の思ったことや、新しい意見、モヤモヤしたこと、腑に落ちていないことなどをフラットに伝え合える、そんな関係性が作られていて。
それが場の空気感として私にも伝わり、
同じ空間にいる私自身も「そのままでいい」と思えるような雰囲気を感じました。
相手の気持ちも聞き、自分の気持ちを話せる、そんなチームだなと、
13期の皆さんと過ごしているとそんな風に思います。
今回3年ぶりの塾開催となり、新しく考えた神山塾のキャッチコピー
「神山に身を置き 自分を知る」。
今回この記事を書いていてあらためてこのキャッチコピーを振り返るきっかけになりました。
13期の皆さんそれぞれで感じるものは違うと思いますが、
たっぷりの自己紹介から始まり、
自分たちの居場所作り・企画のコンセプト決めなどを通して、
自分を知るきっかけになっていると嬉しいです。
自分の気持ちに向き合ったり、振り返ったり。
自分を知る時間、大切にしたいですね。
■神山塾とは?(過去募集記事)(KATALOG WEB)
■過去の神山塾を体験し、今も神山に住む皆さんたちへのインタビュー動画
■stand.fm ハローカミヤマ 「神山塾卒業生 やっちゃん」
■12期の参加者の声「神山塾を通して学んだこと」(KATALOG WEB)
この記事を書いた人
齋藤 千夏
徳島生まれ徳島育ち。社会人2年目の2020年リレイション入社。 アウトドア・音楽・イベント好きなアクティブ派で、食べることをずっと考えています。エスニック料理、特にスパイスチャイが好き。サーフィンを始めたので趣味と言えるくらい上手くなりたい!大切なひとたちや応援したい人たちの力になれる、そんな仕事ができるよう頑張っています。
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