ローカル・ディープという言葉が好きな方いませんか?
この言葉を見るとついつい目がいってしまう私にとってわくわくするイベントに参加してきました。
新しい剣山のストーリーを提案するローカルガイドとの時間、
「Tsurugi Local Experience 2021」。
こちらに参加した様子を前編・中編・後編でお届けしています。
剣山を聞く・知る・体験する−Tsurugi Local Experience 2021−前編
言葉を超えて届く、世界に一番近い田舎「祖谷」—Tsurugi Local Experience 2021—中編
日本三大秘境の徳島県の祖谷(いや)。そこには植物のツルで編んだスリルを味わえる徳島の観光名所「かずら橋」があります。
かずら橋がどう作られているのか知っていますか?
後編のこの記事ではローカルガイドがいるからこそ知ることができたかずら橋について、そして愛媛県の西条市のローカルデザイナーの方との出会いについてお届けします。
(最後におまけも……!?)
「奥祖谷ショートトリップ」添乗員はWAKUWAKU HOUSE MATBA 井上 琢斗さん
イベント2日目のアクティビティは
・剣山ハイキング
・奥祖谷ショートトリップ
の2つから選ぶことができました。
剣山には去年登ったので、迷わず奥祖谷ショートトリップへ。
2台のバスで祖谷にある奥祖谷二重かずら橋・名頃地区のかかし・落合集落へ向かいます。
私の乗ったバスの添乗員は西祖谷でゲストハウスWAKUWAKU HOUSE MATBAをされている井上 琢斗(いのうえ たくと)さん。
出身大学が同じで、様々な活動をされていたこともあり、噂によく聞いていました。
一度お会いしてみたかった方だったので、とても嬉しい!
バスの中で井上さんは“グラデーションと水”と言う言葉を何度も使われていました。
井上さん
「木々の色合いや植生に着目してもらえればと思います。ここらへんは亜寒帯気候なので、寒いところにしか咲かない花や木があります。自然と人がどう共生しているのかお伝えしたいと思います。」
奥祖谷二重かずら橋 ツルはあの果物の仲間!?
日本三大秘境であり、インバウンドでも有名な祖谷。
祖谷には重要有形民俗文化財に指定されている「祖谷のかずら橋」と、「奥祖谷二重かずら橋」があります。
今回訪れたのは「奥祖谷二重かずら橋」。
ちょうど紅葉が終わりかけのタイミングでした。
かずら橋は植物のツルで造られた橋。歩くとキシキシと音をたてながら揺れ、足元を見ると、大きく空いた隙間から綺麗な川が流れているのが見えます。
写真では伝わりませんが、結構怖い……。
井上さんや、でおっちさんにかずら橋についてお聞きしました。
かずら橋は3年に一度、架け替えをするそう。昔はこの橋がある周辺の植物のツルを使っていたそうなのですが、周辺から採れなくなってしまった為、高知県大豊町からツルを運んでいるそうです。
ツルはシラクチカズラ(地元ではサルナシと呼んでいる)という植物で、キウイフルーツと同じマタタビ属の植物だそうです。
かずら橋がある場所には必ず滝壺があるそうです。シラクチカズラを滝壺にくくりつけ、一週間水に浸し、火であぶり、柔らかくなったら巻きつけ、乾いた頃にカチカチになっているそうで、そのような方法で橋が造られています(現在は大きい釜で茹で上げることで柔らかくしているそうです)。
なぜつり橋をかけたのか?
この谷の場所では、大雨が降った時、増水して10m以上水があがるため、高い場所に橋をかける必要があったそうです。
技術的には木で橋をかけることもできるけれど、そうするとかなり大掛かりな作業になり、重機も必要になってくるので、この場所ではなかなか使えないし、技術も資材も確保できないということで、水害を回避する術として吊り橋をかけるということになったそうです。
3年に一度のかけかえ工事を今も行っているとは知りませんでした。
とても高い頻度だなと思いました。
昔から徳島の観光名所として有名なかずら橋ですが、県民としてとても勉強になりました。
キウイフルーツと同じマタタビ属の植物というのは面白いですね。
早速いろんな人に言いふらしています(笑)。
愛媛県西条市から参加しているローカルデザイナーとの出会い
お昼前には、東祖谷名頃地区へ。かかしが有名な地域で至る所にリアルなカカシが!
一度本当に人と間違えてぶつかった時にすみませんと声をかけてしまいました(笑)。
県内外へカカシ作りを教えているカカシ作りのプロ、綾野さんのご自宅へ突撃訪問!
お話しながらついでにお庭でちゃっかりお弁当を食べさせていただきました。
一緒に食事をしたのは愛媛県西条市から参加している、日野藍さん。
東京からUターンし、愛媛県西条市市役所の広報のお仕事をされ、その後2021年春にローカルデザイナーとして独立されたとのこと。
日野さんがどんなお仕事をされているのかお聞きしていると、一緒にご飯を食べていた友人の宮本さんが……
「あのLOVE SAIJOですか!!?」
と興奮ぎみに食いつく(笑)。
恥ずかしながらイベント後に家に帰ってすぐに調べたのですが、LOVE SAIJOは西条市のシティプロモーションのコンセプトであり、市民ライターとつくる西条市のPRサイトだそうです。そして日野さんはLOVE SAIJOの仕掛け人!
LOVE SAIJOとは
市民のみなさんと策定し、西条市がめざすまちの姿を表したキャッチフレーズ・ブランドメッセージです。 キャッチフレーズは「LOVE SAIJO まちへの愛が未来をつくる」です。 この言葉には、“まちを知り、好きになることが新しいあなたと未来の西条市をつくる” というメッセージを込めています。 住む人も、訪れる人も、まちを想う人も。 西条への「好き」が何かを始めるきっかけになりますように。(西条市ホームページより引用)
「LOVE SAIJOってどうやって名前を決めたんですか?」と宮本さんが質問。
日野さん
「市職員として担当してた時、どんなワードが、市民の方が誰でも気軽に使えて、広がっていくかって考えてた時、自分のインスタで色々試してたんだけど、『#lovesaijo』っていうのが広まって、市公式インスタのアカウント名にもなって、これがいいんちゃう? って流れで決まった感じかな!」
#lovesaijo のハッシュタグは4年間で4.1万件集まっているそうです!
インスタでは主にこちらからリポストして紹介しているんだとか。
「市民や訪れた方が自分の言葉で西条の魅力を伝え口コミし合う文化をつくりたい」という思いがこうして数字にも表れているのは本当にすごいです……!
私自身、プライベートで広報の方法を試したり、自分の仕事に繋がりそうなことにアンテナを張ることがここ1年特に強くなってきていたので、このお話を聞いて、「あぁやっぱりできる人は楽しんでアンテナを張り、自然と日常の中に取り入れてるんだ……」と、日野さんの働き方やお仕事についてもっと知りたい! という気持ちになっています。
リレイションは愛媛県の今治だったり、西予市でもお仕事をさせていただいているので、どこかのタイミングでまたお会いしたい!!
日野さんはたくさん山登りもされているようで、北アルプス(岐阜県)の山小屋でも1ヶ月間住み込みで働いた経験もあり、地元・石鎚山系の環境作りや観光にも活かしていきたいそうです。
初心者の私に、「山登りしようー!」と話してくださったのも、とても嬉しかったです。
そんな嬉しい出会いもあり、奥祖谷ショートトリップ終了です。
四国で活動する魅力的な方と出会うことができた2日間
これにて2日間のイベントは終了。
思い詰めることもあり、悩むことも多かったここ最近。
何か自分の気持ちが変わるきっかけになるかもと思い楽しみにしていたこのイベント。
イベントで出会ったローカルガイドの方も、それ以外で活動する方も、
それぞれ、活動する地域の自然・人に向き合い、
何より楽しく愛情を持って日々の仕事に向き合っていることを感じました。
「山と川がないところには住みたくない!」と人によく言うんですが、そんなこと言いながら、ゆっくりと自然に触れる時間とれてないな……と。
もっと深呼吸して、変わりゆく季節の景色を感じながら、ひとつずつ向き合って行きたいなと思いました。
そしてここ1年で「神山・上勝・海陽町・にし阿波」と徳島の田舎にたくさん足を運びました。
一つの地域だけでも回りきれない、まだ知らないことだらけの魅力的なそれぞれの地域。
休日が確実に足りません……。
声を大にして言いたい
「徳島なんもない!なんてない!!」
スタッフの皆さん、素敵な2日間をありがとうございました。
―おまけ―
帰りの車の中での雑談
話は尽きませんでした!
この記事を書いた人
齋藤 千夏
徳島生まれ徳島育ち。社会人2年目の2020年リレイション入社。 アウトドア・音楽・イベント好きなアクティブ派で、食べることをずっと考えています。エスニック料理、特にスパイスチャイが好き。サーフィンを始めたので趣味と言えるくらい上手くなりたい!大切なひとたちや応援したい人たちの力になれる、そんな仕事ができるよう頑張っています。
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