こんにちは!
本日は北海道十勝・浦幌町からなっきーがお送りします。
緑豊かでそよ風が気持ちのよかった夏を終え、葉の色付きから秋を感じる今日この頃です。
しかし、北海道ではすでに初雪を観測した場所もあり、浦幌町も少しずつ冬に近づいています。
北海道に来て初めての冬をぼくは乗り切れるのでしょうか(笑)?
さて、今回は短いみのりの秋を通して感じたことをレポートしていきます。
北海道といえば大規模農業
北海道は、全国の約4分の1の耕地面積(約115万ha)を有し、日本の食料生産の約2割(カロリーベース)を占めるなど、日本の食料供給基地としての重要な役割を果たしています。
北海道の販売農家一戸当たり経営規模は、平均で23.5haでヨーロッパ主要諸国と同規模です。
23.5haというと、東京ドーム約5個分ということになります。改めて、数字で見ると広さを再確認できますね。
そのため、畑で作業する農業機械もでかいのです。
日本の農機メーカーでは補えないので、外国産のエンジンを積んだ大きな機械がいたるところで稼働。
畑から別の畑へ移動する際には一般道路にも出没し、大きな機体を揺らし、力強く走っています。
そして、十勝の畑では、じゃがいも・てん菜(ビート)・小麦・豆類の4品が代表的な作物として大量に栽培されています。
しかし、少品種大量生産の農家さんばかりではありませんでした。
大規模だけではなかった?「ザ・ベジタブルショップ21」
浦幌町中心部の東に位置する、国道沿いに農林水産物と加工品の直売所「ザ・ベジタブルショップ21」があります。
ここにはじゃがいも・てん菜(ビート)・小麦・豆類以外にも、
トマト・ナス・ピーマン・パプリカ・カボチャ・トウモロコシ・枝豆など、色とりどりの野菜が並んでいます。
始まりは、農家数名の仲間が集まったことがきっかけで、今年で18年目。
「自分たちの生産している農産物を、直接消費者に届けたい」との想いから販売を始めたそうです。
その後、その想いに共感した異業種の仲間が加わり、幅広い物産の展開となりました。
そのため、お店には野菜だけではなく、農林水を網羅する木工品や、水産加工品など浦幌町産のものがたくさん販売されています。
お店にあるものは、多品種少量生産で、手作業でしかできないものばかりです。
北海道といえば、農業を筆頭に大規模なものだけかと思っていたので驚きました。
ふとお店に足を運ぶと、ついつい買い過ぎてしまいます(笑)。それほど興味を引く美味しそうなものばかり。
会員の一人であり、いつもお世話になっている元木農場にお邪魔しました。
何よりも想いを大切にする
少し町の外れに元木農場があります。
去年、リレイションが浦幌町で主催した地域滞在研修をきっかけに、約1年前からお世話になってます。
笑顔が素敵な元木さんは農家の3代目。元木さんの農園では、20年前から浦幌町の小中学生の農業体験なども行われています。
「ザ・ベジタブルショップ21」は朝9時からなので、それに合わせて収穫し、袋詰めや値札をつけて、お店に並べるまでを自分たちで行います。
野菜は新鮮さが命。農家の会員の方は、収穫時期は毎朝この作業です。
こういった作業は本州でも行われていると思いますが、ぼくがすごいと思うのは、大規模農業と兼業されていること。今年は特に台風の被害もあり、大変な時期で忙しいにも関わらず、毎朝「ザ・ベジタブルショップ21」に手作業で野菜を並べます。
元木さんはいつも、「こんなことしてる場合じゃないんだけどなー」と笑います。
でも続けて、「消費者と目と目を見て交流できる機会だから」と黙々と作業をされています。
「ザ・ベジタブルショップ21」で収穫した野菜の説明などを通じて、元木さんが町の方と交流されている姿を見るとなんとも言えず心が温まります。
人力×想い=共感
時間をかけて、想いを込めて、手間暇かけているヒト・モノ・コトは共感を呼ぶように感じます。
共感から仲間が増え、お金ではない価値観が生まれるのです。
「ザ・ベジタブルショップ21」が典型的な例だと思います。
スーパーで買った方が安いにも関わらず、「ザ・ベジタブルショップ21」で野菜を買う人も大勢います。
決して機械化や大規模が悪いということではありません。
それぞれ個人の価値観の違いであり、価値観の変化する時代だとぼくは感じています。
こうした気づきをまたレポートしていきます! ただいま季節の変わり目真っ只中。
風邪を引かないように暖かくして過ごしましょう〜、それではまた!
この記事を書いた人
三村 直輝
広島県広島市出身。農業で若者を元気にするNPOに出会い、地域と若者をつなげることを生業にすると決意。神山塾7期を経て、北海道十勝・浦幌町の廃校カフェ(TOKOMURO CAFE)を運営。カフェをコミュニケーションツールとして、地域の魅力を発信していきます。
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