こんにちは! インターンの小松です。
本格的な冬が始まって、ゲストハウス山姥の薪ストーブにも火がつき始めました。
山姥での暮らしには、都市部の生活とは異なるところがたくさんあります。
山の沢から引っ張ってきた水を使ったり、敷地にある梅の剪定や草刈り、秋になると大量の落ち葉掃除や、裏山の木を薪にする作業などなど……。
それ以外にも、築190年にもなる古民家なので、傷んできたところを自分たちで補修したり、
冬には水道管が凍って破裂したところを修理する、なんてこともあります。
普段、当たり前に出てくる水やお湯、寒ければ簡単に暖がとれる快適な暮らしに慣れていると、
山姥の暮らしはとても刺激的で新鮮なものに感じられます。
先日、冬支度の恒例作業である薪の調達をしてきました。
薪という宝物
この日は、山姥の裏山にある丸太を取りに行く作業から。
本当なら、立ち木を切り出すところからしなければなりませんが、春先に切り出していた丸太があったおかげで、ここでは軽トラに積むだけで山から降りてくることができました。
軽いものでも15〜20キロ、重いものだと30キロぐらいはある丸太を軽トラに積む作業。
楽しく作業をするために、声を掛け合いながら丸太を軽トラに載せていくのですが、
若い男が2人がかりで、軽トラに積むだけなのに、軽く息切れを起こしてしまいました。
開始早々に疲労感を味わう2人。
山の暮らしは、決して楽じゃないことを痛感させられます。
山で暮らすには力作業ができないと生きていけないということを、事あるごとにヒシヒシと感じさせられます。
こんな生活を数十年間続けてきた人たちがいるんだと思うと、尊敬の念で頭が上がりません。
9月から山姥で暮らしている神山塾生の山田(写真右)は、本当に薪が必要な張本人。
これで冬が越せると思うと嬉しいのか、薪を運ぶ姿もなんだか楽しそう。
楽しい薪割り
運び出したあとは、ストーブで燃やすことのできる大きさに薪割りをします。
斧を使うため、怪我をしないように注意をしながらの作業。
斧を振り抜いたときに、足に刃が当たらないように、足を大きく開いておけば安心です。
山姥では、2キロ近い重さの斧を使って割っていきます。
丸太は太くて長いものになればなるほど、割るために大きな力が必要になります。
この日に運び出してきた丸太は、太いものが多くあり、割っていくのが難しそうなものばかり。
なかなか割れずに苦戦してると、山姥のオーナーである中山さんが出てきてくれて、
「丸太の中心を狙って斧を振りおろすのではなく、端から少しずつ削ぎ落とすように割っていくのがいいよ」というアドバイスをもらいました。
教えてもらった通りにやってみると、丸太の中心に斧が入っても全然ビクともしなかったものも
簡単に割ることができて、中山さんも得意げな表情で笑ってくれました。
腰を入れて綺麗に斧を振ると、薪をスパッと真っ二つに割ることができます。
その時のなんともいえない快感と達成感を味わうことができた人は、
次もうまく割ってやろうと薪割りに夢中になってしまうのです。
僕もそのうちの1人で、気がつくと腕と腰の筋肉が張っていて、翌日の筋肉痛が辛くて大変でした(笑)。
温かいお風呂に入れる幸せ
山姥のお風呂は、昔ながらの五右衛門風呂です。
一応、ガス給湯のシャワーもあるのですが、一日の仕事や寒さで疲れた体を温めるためにお風呂に浸かろうと思うと、風呂釜に火をかけて焚くところから始めなければいけません。
この日は、せっかくなので僕もお風呂に入らせてもらおうと思い、風呂焚きをさせてもらいました。
小さな木材や枯葉で火をおこしてから、しだいに大きな木や割った薪を焚べていきます。
燃料となる薪がないとお湯を沸かせないため、お風呂に入ることすらできないのかと思うと、
「暮らしのために働くというのは、まさにこのことか!」と気づきました。
そんなことを思いながら、薪を焚べてお風呂が沸くまでにかかった時間は、なんと2時間!
薪を調達するのにも一苦労ならば、お風呂に入るのにも一苦労です。
2時間かけてやっと五右衛門風呂に入ることができたときの気持ちは、
「幸せ」としか表現しようががありませんでした。
自分で調達してきた丸太を割って、その割った薪でお湯を沸かしてお風呂に入るという、
一連の流れを自分たちの力でできた達成感が、そんな感情にさせてくれたのかもしれません。
山の暮らしは、現代の暮らしからみると非効率です。
だけど、生きるために自分の力で生産する活動の中に、現代の暮らしでは感じることができない心満たされるものがあるように思います。
ただ温かいお風呂に入れただけで、幸せを感じることができるのは、
そのありがたみを知ることができたからこそでした。
山での暮らしは、手間も暇もかかります。
力仕事が多く、危険な作業をすることもしばしば。
けれど暮らしのために働くことは、疲れた体も気持ちのいいぐらい心豊かになれる時間を与えてくれるものだと思います。
しばらく続く寒い冬、山姥では今日も薪を燃料に、暖をとりながら暮らしを楽しんでいます。
《こちらの記事もどうぞ》
ゲストハウス山姥の紹介記事。
山姥のご紹介 – Introduction of “Yamanba” –
山姥での神山お試し暮らし体験記。
山姥での神山町試住体験記 -SIJU Experience at Yamanba in Kamiyama-
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この記事を書いた人
小松 輝
1994年生まれ、徳島県出身。浦幌町担当スタッフ兼、KATALOG編集長。大学2年生の冬にRELATIONと出会い、大学卒業とともに浦幌町へ。総合旅行業務取扱管理者の資格を活かして、2019年春から旅行業をスタートさせます。いじられるのが好きで笑い上戸。何かとよく笑います。
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