こんにちは。
神山塾KATALOGコース2期の宮前美紀子です。
徳島市内を拠点に地域ブランド発信アドバイザーの職業訓練を受け始めて一か月が過ぎようとした頃、
初めてKATALOG生8人で地域のイベント「第35回阿川地区清涼夏まつり」に出店させていただきました。
神山町阿川地区の旧阿川小学校のグラウンドで毎年行われる夏まつりですが、
この阿川地区やお祭りの背景については、方向音痴で地理に弱い私からの説明よりも、
以前のブログ “阿川夏祭りで感じた関係性の芽” をご参照くださいませ。
前回の第34回では、KATALOGコース1期の先輩が
祭り前日の設営準備に参加させていただきましたが、
今回は実行委員会の方々のご厚意によりKATALOG2期で出店させていただけることになりました。
この“関係性の芽”をふくらませ、次につなげることが、
私たちKATALOG2期の使命……とばかりに、
初めてのイベント企画にメンバー同士も戸惑いながら、試行錯誤して創り上げていきました。
子供たちにできた!を体験
ご近所や帰省中の子供たちの、
夏休みの絵日記に残せるような体験をしてほしい……そんな思いのもと、
“手作りゲームセンターAGAWA”と題し、
「駄菓子つりゲーム」と「ワニたたき」(もぐらたたきのワニ版)を出店することに決定。
どのお子さんも、必ず景品を持ち帰れるようルールを設定する中、
「会話を生むツールを作ろう!」ということになり、
ゲームに参加すると必ずもらえる花メダルを作成することになりました。
折り紙で作った簡単なメダルですが、
首にかける紐は、3色の毛糸を三つ編みにしています。
100個近く作成するため、
三つ編みをしたことのないKATALOG男子メンバーも巻き込みました。
不器用で悪戦苦闘していた男子メンバーに、
「将来、娘の髪を可愛く結ってあげられるよー」となだめながら、
はじめは1本の三つ編みに30分かかっていたのも、
何本も編むうちに、そこそこの腕前になったようです。
裏には名前と、ゲームで釣った駄菓子の個数、
もしくはワニを叩いた回数を書きます。
一人ひとりの勲章メダルになったらいいな……と思いを込めて。
いよいよお祭り当日。
やってきた子どもたちに受付で、
ゲーム券ならぬ、この花メダルに名前を書いて首にかけます。
「こんばんは。お名前は何て言うの?」
「かわいいお名前だね~」
「〇〇ちゃんは何色が好きかな?」
そんな会話を始めるいいキッカケになりました。
子供たちが花メダルを首にかけ、
それぞれお目当てのゲームへと進む中、
幼稚園児くらいの小さなお客さまが、お母さんと、
もっと小さな妹さんと一緒に2度目のご来店です。
すでにつりゲームを体験し、ワニたたきにも挑戦したい様子。
でも、人見知りで、恥ずかしくて、
お母さんのスカートの後ろに隠れてしまうような子でした。
ワニたたきゲーム場へと移動し、ワニたたきハンマーを持たせますが、
すぐに後ろを向いて2~3歩下がってしまい、ゲームにトライする様子ではありません。
つりゲームは、はにかみながらもできたのですが、
ワニたたきは大きなお兄さんが3人待ち構えています。
けっして強面ではないのですが、子供にとって男の人って、
ちょっと怖かったりするんですよね。
「お兄さんチェンジ~!」
メンバーをお姉さんに代え、再トライします。
それでも、やっぱりできない……ワニたたきハンマーを手に握りながらも、
動く様子がありません。
「どうするん?ポスター見て楽しみにしとったんやろ。やらんの?」
しびれを切らしたお母さんが聞くと、
「やる!」
「ほな、早よやり。お姉さんたち待ってくれとるよ。」
いいんです、お母さん。いくらでも待ちます!
早い時間に来てくださって、並んでいる他の子供もおりません。
やらせてあげたい!!
そんな思いを胸に、いろいろな言葉をかけてみますが、
後半は何を話しかけても視線をそらしてしまい、
やりたいのにできない自分に地団駄を踏んでいました。
周りのKATALOGメンバーも見守る中、
10分くらい女の子とお母さんと私のやりとりは続いていたでしょうか。
ふいに、「お姉さんと一緒にやろっか?」と声をかけたところ、
ようやく首を縦に振ってくれました。
ハンマーを一緒に握り、ポジションについて、いざ開始です。
「3、2、1……スタート!!」の掛け声とともに、
一緒にハンマーを握ったのは、ほんの数秒。
あとは自分一人でバンバン叩いていました。
できるんです!
キッカケさえあれば、できるんですよね。
はじめの一歩がなかなか踏み出せないだけで。
それは大人も同じで、私も何か新しいことを始めるときは、
いつも慎重にリスクばかりを探してしまい、なかなか踏み出せません。
でも最初の一歩を踏み出せば、今まで見ることのなかった景色が見えるかもしれない。
同じゲームに2度、3度と挑戦してくれる子供もたくさんいました。
自分の“できる”が増えていくのって、すごく楽しくて、うれしいですよね。
首から10個くらいの花メダルをぶら下げ、
ワニたたきの回数をどんどん更新していく女の子。
私たち、“マスター”と呼ばせていただきました!
お小遣いをかなり投入してもらい、ありがとうございます(笑)!!
思い出と共に花が咲く
お祭りのピークタイムが過ぎ、
ゲームのお客様が途切れた頃に小学校のグラウンドをぐるっと一周。
見渡すと、ほとんどの子供たちが首から花メダルをかけ、
駄菓子の袋を手に、景品のおもちゃを持っている姿が目に入りました。
それは、私たちKATALOG生が目指していた光景です。
企画から何度も練り直しを重ね、
設営に関してはテントの立て方もわからない状態から地域の方々と一緒に準備を進め、
新たな知識と経験を得る中で、
たくさんの子供たちの笑顔に触れることができました。
今回の夏祭りの思い出が、子供たち、お父さんお母さん、
おじいちゃんおばあちゃんの心に残り、
また来年も行きたいな……と思っていただけたら嬉しいです。
そして、その1年後の光景の中にKATALOG3期生がいることを願って、
地域の方々との関係性の芽が膨らみ、花が咲くことを心の中で思い描いています。
関連記事
-
2016.07.22
-
2017.04.12
-
2016.12.15
-
2021.05.26
-
2017.06.28
-
2021.02.26