みなさん、こんにちは。
上田です。
現在、2017年度の神山塾生募集中です。
詳しくは、以下の記事をご覧ください。
2017年度、神山塾募集開始します!
募集にともなって、KATALOG WEBでは、
スタッフが神山塾についての記事を更新しています。
前田、青木、三村に続き、
私も「神山塾」について自分なりに書いてみたいと思います。
他のスタッフと同じく私も神山塾を経て、
現在は運営会社であるリレイションで働いています。
私は今からちょうど4年前、2013年6月開講の神山塾5期生でした。
今、神山塾の半年間は「ニュートラルな時間だったな」
と振り返ることができるし、神山塾とは、
「ニュートラルゾーンに身を置く、それを楽しむものである」
と説明することができます。
ただ、入塾当時の私にとって神山塾とは、
あくまで再就職するための職業訓練校のひとつにすぎませんでした。
「田舎で暮らしたい」「地域に関わる仕事がしたい」という考えもなく、
興味のあったプランニングを学び次の仕事に活かすため、
たまたま神山で開催される職業訓練に参加した、という具合。
しかも、自分が求めているもの(現代芸術の展覧会、海外交流、仕事など)は
きっと都会でしか手に入らないだろうと信じており、
再び都会にでる準備期間にするという側面もありました。
そんな私がまさか神山で暮らし、
地域行事に参加したりイベントの企画・運営を通して、
結果、田舎に都会以上の魅力や可能性を見出すなんて。
また、ここで働きたい、ここで暮らしていきたいと願うなんて思いもよらず、
未だに何が起こるかわからないなぁと感じてやみません。
一体、半年間で何が起こったのか。
私の経験に沿って少しお話ししたいと思います。
現状をどうにかして変えたい
私は和歌山県の田舎の出身です。
大学進学を機に大阪に出て、大学卒業後もそのまま大阪や東京など、
いわゆる都会で就職し、暮らしていこうと考えていました。
しかし卒業してすぐには就職することができず、
大阪に残ってまでやりたいことも見出せず、
先に徳島に移住していた両親の元へ戻りました。
いうなれば、徳島へJターンしたのです。
徳島でデザイン系のアルバイトをしながら就職活動をし、
そのうち服飾品の製造卸会社にデザイン職で採用されました。
これまで芸術分野を学んできた自分にはデザイン職しかない、
それを選ぶべきだと信じて疑わず入社したはずが、
ものの半年で辞めてしまいました。
理由は、半年後や1年後もこの会社で同じことをしている自分が想像できず、
このままの延長で進んでいきたくないと感じたからです。
かといって、こうありたい、ああなりたい、という明確な像はありませんでした。
時期尚早だったり、忍耐が足りないだけだったかもしれませんが、
自分の将来を考えた時、自分らしくあるため今の状態をどうにかして変える、
精一杯の手段でした。
私は、新しい職場、新しい職種を求めていました。
今度はデザイン職にこだわらず、自分が興味のある分野はなにか、
自分はなにをやっていきたいのかという考えを軸にして動いていた時、
ハローワークで一枚の職業訓練のチラシを見つけたのです。
それが、神山塾でした。
もともとなにかを企画したり考えることが好きだったので、
それをいかした働き方が見つかるのではないかと思い、入塾しました。
とはいえ、最初の1か月ほどは「これでいいのか?」と不安でたまりませんでした。
企画の具体的な「やり方」を学ぶ時間よりも、自由な時間が多かったからです。
就職活動としての(あくまで私の場合)イベントプランナー・コーディネーターの講習は、
平日の朝9時半から夕方4時半の間だけ。
そのほかの時間や休日はすべて自分の余暇時間。
ご縁あって同期となった仲間ともっと仲良くなりたいという思いや、
地域の人と触れ合い、神山という地のおもしろさに惹かれていたものの、
そもそも自分は再就職するために来たのではなかったのか、
のんびりしている場合か、状況に甘んじているだけなのではないか、
という焦燥感がありました。
同級生たちは今この時も仕事をしている。
なのに私はこんな悠長に就職活動していていいのか? と。
しかし、私は新たな環境と焦りの狭間で葛藤しながらも、
そこに身を置いてみようと決めました。
この時、この状況の果てに、なにかを期待していたのかもしれません。
「変わる」とは?
ところで、皆さんはどういうことを「変わること」と認識していますか?
変わるということは決して劇的に、
例えば0が1になるような目に見えて切り替わるものではなく、
0が0.0001になり、0,0002になり……と、
ほんの少しずつ、徐々に移り変わっていくことだと思うのです。
変化することを劇的なものだととらえてしまうと、
「変わりたい」と行動したとき、方法をコロコロ変えてしまったり、
このままでいいやとあきらめてしまったりして、
結局「変わってないな」という状態に陥りかねません。
変化の過程はわかりにくく、非常に実感がわきにくいもの。
だからこそ、モヤモヤするし、ジレンマも出てきます。
でも、それを意識して乗り越えること、
あえてそのモヤモヤに身を置く覚悟こそが、
「変わる」ことへの第一歩だったりします。
神山に残りたい
さて、私の実体験に話を戻します。
実は、このままでいいのかとウジウジしていたのは最初の1、2か月ほどで、
それ以降は多少不安はあったものの、
本来やりたかった企画・運営に夢中になっている自分がいました。
のんびりしているとか甘えているなんて考え込む余裕もなく、
自分がしたいことに邁進していたように思います。
そして忘れもしない、9月23日。
入塾して3か月が経った頃です。
この日は町内外のいろんな方が集まるご飯会のようなイベントがあり、
お手伝いで参加していました。
その時同世代で同じく県外からきた女の子が本当に楽しそうに、
地域の人と仲良く後片付けをしている姿を見て、
突然、うらやましいという感情が生まれました。
もともと田舎者の私はこんな風になれているのか?
私もこんな風に、地域の人たちに溶け込みたい!
もっと神山の人たちと和気あいあいと過ごしたい!
神山町で暮らし、これまでもいろんなイベントに参加して、
多くの方と交流させていただき楽しく過ごしていたのですが、
都会から来た友人があまりにも輝いて見え、ジェラシーを感じたのです。
同時に、このとき自分の気持ちを知ることができました。
9月23日、私は神山塾を卒塾した後も徳島に、神山に残ることを決めました。
田舎の可能性
神山に残りたいと思ったきっかけは、
友人へのジェラシーだけではありません(笑)。
これまで私は田舎と都会に対して、無意識に優劣をつけていました。
田舎という言葉を、
「自然が豊か、時間の流れが緩やか、交通の便が悪い」という事実以上に、
「都会の反対」という言葉として認識していたきらいがありました。
都会はというと、
「情報の最先端且つ宝庫、センスのいい人が多い、交通の便がいい」点などがあげられ、
効率を求め不自由を嫌っていた以前の私にとって理想の場所だったのです。
しかし、日本の田舎のひとつである神山に来て、
自分の中で「田舎」という言葉の使い方が変わりました。
1つに、神山は毎年、世界からアーティストを招聘し、
作家がその土地で作品制作する「アーティスト・イン・レジデンス」を行っています。
田舎にいながらアートに触れ、しかも外国人の作家と交流できるなんて、
こんな贅沢なことはありません。
そして、県内随一のサテライトオフィス先進地域でもあり、
「ワークインレジデンス」という逆指名型の移住政策を行っており、
接する機会が極めて少ないIT企業の方や、手に職持ったプロの方々と、
いつのまにか接点が持てているのです。
この不思議な状況に「田舎」とはなんなのかをあらためて問うと、
田舎とひとくくりにできないことや、そもそも田舎とは都会の対義語ではないし、
人口の絶対数が少ないゆえにチャンスが多く、
自ら前例を作ることができて、老若男女が活躍しうる場のひとつである、
と答えを見だしました。
神山で、私は新たな職種、職場を探す上で核となる、またはそれ以上に大事な、
自分にとっての暮らし方、生き方、働き方のヒントを見つけることができたように思います。
ニュートラルな時間
冒頭で出てきたニュートラル(neutral)という言葉。
「いずれにも偏らない様子、中立的であること、中間的なこと」と訳すことができ、
非常に曖昧さ漂う言葉です。
神山塾は、そんなニュートラルな状態に身を置く期間であると思います。
私のように仕事を辞め、ひとつの節目で参加する人もいれば、
神山という土地を知ったうえで参加したいという人、
中には一念発起して参加のために辞職する人もいます。
参加者に共通して言えることは、
「変化に自ら飛びこむ覚悟」をもっていることだと思います。
私はたまたま徳島に縁がありましたが、
神山はおろか徳島にも来たことがなかったり、
地縁がない、田舎暮らしもしたことがないという人たちも結構います。
そんな彼ら彼女らの覚悟は私の比ではないでしょう。
ただ、神山塾には「神山」という受け皿があります。
神山塾は、神山塾の制度に理解のある神山の方々が応援し
支えてくださっていることで成り立っています。
なので、神山に突然若者が飛び込んできても、
神山塾との関係性により神山の方も状況が把握しやすいし、
塾生も最初から神山の方々と接点を持つことができます。
たいてい右も左もわからない土地で、
1から関係性を築かなくてはならない環境において、
すでに田舎への入り口が開かれている神山塾という「場」は、
ニュートラルな時間をすごすにはもってこいだと思います。
とはいってもそれは入り口で、そこから先、どこが出口となるかは、
本人の意志と覚悟にかかっています。
逆にいうと、自分の意志と覚悟さえあれば、
モヤモヤも偶然もニュートラルも、すべて味方になるはずです。
神山塾では、迷いや不安、焦りというモヤモヤしたものが伴うと思いますが、
それは変化の過程のニュートラルゾーンです。
神山塾への参加を検討されている方には、
ぜひ、モヤモヤをも楽しんでいただけたらなと思います!
締め切りは6月24日
7月開始のKATALOGコース第2期のご応募は、
6月24日が応募書類の最終締め切り(弊社必着)です。
ただし、現在すでに書類をお送りいただいている方の選考を順次進めており、
定員が埋まり次第、選考を終了します。
締め切りまでに書類が到着していても、
選考ができない場合がありますので、
ご応募をお考えの方は、お早めにお手続きをお願いします!
応募後にご辞退いただくことも可能です。
後から「やっぱり応募したかった」となってしまうともったいないので、
ぜひ1歩踏み出してみてください。
ご応募についての詳細は下記の記事からどうぞ。
2017年度、神山塾募集開始します!
《東京》《徳島》で説明会あります
「神山塾に興味はあるけど、応募するか迷っている」
「具体的なカリキュラム内容が知りたい」
「生活面について不安がある」
「応募についてわからないところがある」
こんな方は、どうぞお気軽に説明会にご参加ください。
【東京】
会場は両日ともにちよだプラットフォームスクウェア5階会議室です。
6月9日(金)18:30〜20:00
お申し込み→http://kyj0609.peatix.com/
6月16日(金)18:30〜20:30
お申し込み→http://kyj0616.peatix.com
【徳島】
6月2日(金)18:30〜20:30
6月9日(金)18:30〜20:30
6月16日(金)14:00〜16:00と18:30〜20:30(どちらかご希望の時間帯をお選びください)
(※途中参加も可能です)
場所:
蔵本BASE
〒770-0042 徳島県徳島市蔵本町1-4-1
KAWASAKIビル 2F
(蔵本町交番向かいのビルです)
参加方法:
以下の宛先まで、メールで参加希望の旨ご連絡ください。
株式会社リレイション 担当:前田
maeda@relation-style.com
(参加申込者がいない場合は説明会を中止いたしますので、
必ず事前のご連絡をお願いします。)
※徳島では、説明会以外の日程でも事前にご連絡いただければ
ご対応させていただきます。
上記担当・前田まで、ご連絡ください。
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