本日2月6日にリレイションは9周年を迎えます。
9年前、会社を創業し、地域滞在型の人材育成プログラム「神山塾」に試行錯誤しながら取り組んできたことは、今考えてみれば、私にとって「パニックゾーン」での経験でした。
「パニックゾーン」とは、人の成長に関する心理学の用語で、
これまでの経験やそのとき持っているスキルを越えた未知の領域のことをいいます。
起業をするということ。
これまであまり例のない人材育成プログラムを行うこと。
「0」を「1」にすることに、がむしゃらになって取り組んでいました。
しかし、初めての経験でも、繰り返していていけば徐々に自分なりのやり方が見えてきます。
その段階で、人は「パニックゾーン」から、「ラーニングゾーン」に移行することができるそうです。
「ラーニングゾーン」は、経験から刺激を受け、その刺激を自分の新たな知恵にする余裕がある領域です。
最初は未知の経験にパニックの連続だった神山塾の運営ですが、今ではもう大きな混乱はなく、
そこから学びを得ることができる状態です。
私は常々、会社とは社員にとっての「学びの場」であるべきだ、と考えています。
「神山塾」がリレイションにとって「パニックゾーン」から「ラーニングゾーン」になり、「地域」や「人材育成」といった分野は、いまやリレイションにとっての「学びの場」になっています。
もっとも、計画して今の状態を作り出したというよりは、さまざまな「偶然」に巡りあい、
そのつど起こることに向き合っていった結果こうなったというだけなのですが、
社員には、この学びの場でのびのびとチャレンジをし、精一杯学び、成長していってほしいと思います。
そして、やがては自分で未知の領域「パニックゾーン」を作り出し、イノベーションを起こしてほしいと願っています。
まちづくり+ひとづくり=未来づくり
リレイションとしての9年間を振り返り、あらためて、「リレイションは何の会社ですか?」と問われれば、
私は「まちづくりとひとづくりを通して、未来を作る会社です」と答えたいと思います。
これまでの固定観念を越えた新しい暮らし方や新しい働き方を通し、
自分らしい生き方ができる未来を実現するために人材育成や、地域マネジメントに取り組んでいます。
今はまだ、私や社員が「リレイションは未来創造会社だ」と主張しているだけかもしれません。
しかし、近い将来には、誰に聞いても「リレイション」=「未来を作る会社」といわれるような仕事をしていきたいというビジョンを描いています。
そのために、10年目をむかえる今年は、新しいことにチャレンジしていきます。
10年目のリレイションの取り組み
10年目のリレイションの取り組みを、少し予告したいと思います。
神山塾PLUS
現在の神山塾は徳島県神山町で行っている地域滞在型の職業訓練です。
その神山塾を進化させる試みが「神山塾PLUS」です。
神山塾をここまでやってくることができたのは、神山が多様性と挑戦を受け入れる町だからであり、
山間部の厳しくも豊かな環境と、神山町の皆さんの塾生たちを見守ってくださる目線があったからなのは間違いありません。
しかし、「自分の将来について悩む時間を大切にする」「自発的に動き出すきっかけを作る」「さまざまな人と触れ合うなかで、お互いのできないを認め合える関係性を作り、共にできない理由より、できる方法を考える」といった神山塾のエッセンスは、場所を変えても変わらないものだと考えています。
例えば、いきなり神山に長期滞在することが難しい東京の若者たちに向けて、キャリアや働き方のことを考える場を設けるという形の東京出張版神山塾の実施などを考えています。
KATALOGツアー
日本に今も残るありのままの日常・言葉・思い・風景を受け継ぎ、伝えるKATALOGプロジェクト。
これまでにフリーマガジンを4冊刊行し、現在もこの「KATALOG WEB」で発信をおこなっています。
そして、今年はKATALOGの世界観を体感していただくことができる「KATALOGツアー」を開催します。
このKATALOG WEB上では、地域のヒト・モノ・コトについて日々お伝えしていますが、
読者の方に実際にそれらに触れていただく機会はなかなかありませんでした。
その土地で採れた食材を味わったり、実際に田植えや藍染めを体験したり、
そのなかで人と触れ合ったり、暮らしの足元に光を当てる体験をしていただけるようなツアーを企画中です。
……と、こんなふうに予告をしてみましたが、いかがでしょうか。
少しでも、これらが実現した未来にワクワクしてもらうことができていればうれしいです。
とはいえ、リレイション「たまたま」の出会いを活かしてここまでやってきた「計画的無計画」な会社です。
最終的にどんな形でこれが実現するのか、一番楽しみにしているのは私たちリレイションのメンバーかもしれません。
10年目も、こんな会社にお付き合いいただければ幸いです。
この記事を書いた人
祁答院 弘智
RELATIONの代表。通称ケドさん。直感と論理の狭間を行ったり、来たり。今だに“ニュートラルゾーン”を脱しきれない、短気で飽きっぽい昭和なおじさん。英語は話せませんが、情熱と“ケドイングリッシュ”で世界の若者に生き方翻訳中!
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