岡山県笠岡市から、信用組合、商工会議所、市役所、保育園、農業生産法人の方々、そして大学生を含む若者グループの皆さまが視察研修として神山町を訪れてくださいました。

世代も立場もさまざまな皆さまが、「笠岡をもっと良くしていきたい」という思いを共有しながら、早朝に出発して神山までお越しくださったことがとても嬉しく、私自身もこの日をご一緒することを楽しみにしておりました。

私たち株式会社リレイションは、地域で挑戦する若者を応援しながら、ひとづくり・まちづくり・なかまづくりに取り組んでいます。今回の視察が、神山のまちづくりを“体感的に理解する”時間になればと願いながら、一日ご案内させていただきました。

◆「神山の歩み」を共有するところから始まった一日

最初のプログラムは、WEEK神山での弊社代表・祁答院弘智によるレクチャーでした。

神山で20年以上続く小さな挑戦の積み重ねや、関係性を耕す取り組み、外から来る人と地域の人が自然に混ざり合う環境づくり、弊社のプログラム「神山塾」についてお話しさせていただきました。

参加者の皆さまが真剣に耳を傾けてくださり、「神山って、挑戦が日常にあるんですね」「地域の人たちが自然と関わり合っている感じが素敵ですね」といった感想を寄せてくださったことが印象に残っています。

私自身もこのレクチャーを聞くたびに、“まちづくりには正解がなく、日々の暮らしのなかの一人ひとりの行動が未来をつくる”ということを改めて感じます。今回もまた、その思いを新たにする時間となりました。

◆かま屋で味わう「土地の力」

昼食は、地元神山の食材をふんだんに使用した「かま屋」さんでいただきました。

食材で季節を感じられるプレートは、その瞬間の神山を味わうような特別なご飯です。

「素材の味がこんなにしっかり伝わるなんて」と話されていたのがとても印象的でした。

食は、地域の文化や自然をまっすぐに伝えてくれる存在なのだと、改めて実感するひとときでした。

◆ “人が働く場所”と“人が集まる場所” を巡って

午後は、神山バレー・サテライトオフィス・コンプレックス、寄井商店街、鮎喰川コモンなどを巡りました。

イベント中でしたが、サテライトオフィスを利用されている方々の雰囲気に触れました。

また、寄井商店街では、都会からやってきたサテライトオフィスや、移住者が営んでいる焙煎珈琲の「豆ちよ」さんを見学。肌寒かったので、温かい珈琲が冷えた体に沁みました。

建築関係の学部で学ばれている学生さんは、古民家に興味がある様子で、建物をじっくり見ていたのが印象的でした。

私自身も皆さまと一緒に歩きながら、働く・暮らす・遊ぶ・学ぶといった営みが大きく分断されず、自然に行き来できることが、神山らしさを生み出していると思いました。

◆暮らしの延長線にある、挑戦という日常

最後に訪れた「kamiyama beer」では、写真撮影したり、お土産にビールを購入したり、リラックスした空気のなかで、自然と生まれた何気ない会話の中に、「神山は無理をせず、 “日常の延長線上に挑戦がある場所” のように感じます」と話されていて、私もその言葉に強く共感しました。

神山の魅力は、派手なイベントや特別な装いではなく、日常の風景のなかに挑戦と学びが息づいていると常々感じています。

◆今回の視察で私が得た気づき

今回、笠岡の皆さまと一日をご一緒して、立場や年齢が違っても、地域の未来をより良くしたいという思いには共通の熱がありました。

その熱を引き出し、つないでいく場づくりこそ、私たちリレイションが果たすべき役割だと改めて思いました。

まちづくりには決まった答えはありません。

しかし、誰かの挑戦を応援し合える関係性が育てば、町は少しずつ確かに変わっていくのだと思います。

皆さまと時間を共にして、笠岡にもその可能性が大いにあると感じました。

今回のご縁が、笠岡と神山、そして私たちリレイションとの新しいつながりの始まりとなれば嬉しく思います。

これからも地域で挑戦する方々を応援しながら、笠岡の皆さまとご一緒できる機会を楽しみにしています。今後もこのご縁が続いていくことを願って…。