神山町で自分を知る(後編) | KATALOG
神山町で自分を知る(後編)

神山町で自分を知る(後編)

ゲスト
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2023.11.15

北海道浦幌町の職員さんが、10月に研修で神山を訪れてくださり、
そのときの学びをレポートとして書いてくださいました!

前編はこちら

神山町で自分を知る(前編)

五感で感じる

神山町3日目はオニヴァという以前神山で営業されていたビストロの代表 齊藤郁子さんとご一緒させていただき、森のサウナ・オニヴァロッジ・オニヴァ農場に案内していただきました。そして山での薪運び&サウナ体験をさせていただきました。

サウナの内部。

森の中のサウナは誰もが憧れる体験をさせていただきました。
これは齊藤氏の長年の夢でもあったというので夢を叶える力を目の前で見て、聞いて、体験して五感で感じ、刺激的な1日でした。

齊藤さんの生き方

齊藤さんは、神山町に来るまでは大手IT企業に勤めていたそうです。

十分な何不自由ない暮らしをされていたそうなのですが、友人に会いに神山町に来たのが移住するきっかけだったそうです。

そのきっかけが神山町の年配の方に言われた言葉でした。

「大企業の肩書きがなくなったら君には何が残る?
お金は人間しか使わない。
たかが人間だけの勝ち組になって良い気持ちに浸かっている姿はダサい」と。

この言葉を聞き、モノの見方が変わったそうです。

普段は何も気にしないであろう、飲食店の料理がどのような過程で完成されたのか、
この服はどのような過程で作られたのか。

これを機に「自分が死んでも後継に残る、自分が生きた証を創りたい」という意思が今の齊藤さんを創り上げたのではないかと思いました。

もちろん大企業に勤め、十分な財力があって好きなものを買って食べて満足する人もいると思いますが、「自分とは何か。お金とは何か。一度きりの人生をどのように生きたいか。」という思考に至った齊藤さんはパワフルで魅力的で、笑顔の素敵な方でした。

オニヴァ農場にいた鶏(ピーちゃん)と2ショット!!!!

過去には調教用の牛と、山の開拓を共にする馬もいたというので驚きでした。

神山町が持っているもの

4日目の午前中は、神山町研修のまとめと整理を行いました。

他の田舎にはなく神山にはあるものとは何かを考えたとき、
「偶発性」というものがキーワードなのではないかと感じました。

偶発性とは「思いかけず生じる」こと。

神山町は人が人を呼び、さまざまな企業が参入し、海外の方を含め移住者が増えています。
これは計画的になったのではなく、すべてが偶発性でできたものではないかという結論に至りました。

そこで、どうしたら偶発性は起きるのかを祁答院さんにお聞きしました。

「計画的偶発性理論」というものがあります。
これは、「個人のキャリアの8割は、偶然の出来事によって決定される」というキャリア理論です。
この理論では、 次の5つの行動特性が大切だと言われています。
•好奇心を持つこと
•行動を持続すること
•柔軟であること
•楽観的に考えること
•リスクを恐れない

神山町の人々にはこの「計画的偶発性」をうまく利用してきたのではないでしょうか。
これが今の神山町を創り上げるきっかけになったのではないかと思いました。

お昼はかま屋さんでランチを食べました。

かま屋のランチ。

 このかま屋さんは神山町役場、神山つなぐ公社、ウェブ制作の株式会社モノサスなど、さまざまな事業を行っている会社の共同でできたフードハブ・プロジェクト株式会社が設立したものです。
「地産地食」を軸に、神山の農業と食文化を次の世代につないでいくことを目的としています。
ここまでくると情報量と魅力が多すぎて、大都会にいる気分でした。

地域の食材を可能な限り使用し、メニューの産食率を料理が変わるごとに表示しているというのには驚きでした。
もう驚いてばっかりです……。
とても美味しかったです!

神山町最終日の午後は神山塾ツアーということで、エタノホ、江田集落、スキーランドホテルにお邪魔させていただきました。

北海道では見ることない畑の小ささ、道の狭さ、そのすべてが新鮮で、
研修中ということを忘れてしまうぐらい景観に魅了されていました。

スキーランドホテルの川。

スキーランドホテルの横にある大自然の中、はしゃいでいた自分は川辺の石に足を滑らせ転倒し、身体半身を濡らす羽目になり、岩場にアバラを強打してしまいました。

その時の傷は今もなお痛みますが、一番自分らしい良い思い出になったかもしれません。

研修を終えて

神山町での滞在は4日間の短い期間でしたが、皆様大変お世話になりました。

毎日毎日が刺激的で、長旅にでも出ていたかのような達成感の一方で、
まるで一瞬のことのようにも感じられた今回の研修。

まだまだお伝えしたいことが山ほどありますが、神山町の方々は一人一人が主人公でした。
もちろん自分自身も主人公ですが、これまでの生活や環境でその気持ちは薄れていたのかもしれません。

神山町で出会う方々がまぶしく羨ましいと、内心どこかで思っていた自分もいます。
しかし、それぞれが大変な経験を経て今があるということも事実。
自分には挑戦する気持ちが足りないと痛感し、良い刺激になりました。

神山町の学んだ経験・体験、まちづくりを浦幌町でも行うことができればと思いますが、偶発的・結果的に移住者が増えている神山町の魅力を取り入れるには、なかなかハードルが高いものです。
しかし、できる・できないではなく、できるために何をしなければいけないかを模索し続ける必要があると思いました。

24歳勤続年数6年目の自分は何ができて、何をしなければいけないのかを考えた時に、何か計画を立てるのではなく、まずはこの研修で何を学び、何を経験したのかを周りに伝えることが自分の役目だと感じました。

そして、自分の今後の人生のために偶発性を少しずつ意識し、人との出会いに感謝しながら生きていこうという決意もできました。

そして、最後にこの浦幌町と神山町を繋いでいただいた株式会社リレイションの祁答院さん、馬渕さんにはとても感謝しております。

祁答院さんのお言葉で「人生=誰と出会うか」という話がすごく胸に響き、まさにその通りだと感じた6日間でした。本当にありがとうございました。

山の上から見た神山町。

次はプライベートでお邪魔させていただきます!!

神山町の皆さん、ありがとうございました!!

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神山塾生や、地域のキーパーソン、中学校の生徒さんetc…それぞれの地域や故郷への思いを「KATALOG」に綴ってくれています。

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