皆さん、こんにちは。リレイションスタッフ馬渕です。
先日、5月のLearning Journeyを開催しました。
馬渕企画のLearning Journeyは4月に続き、2回目。
今回は、神山町上分江田地区で「農ある暮らし」を実践されているエタノホさんの活動を体験させていただきました。
江田の棚田はリレイションの原点であり、神山塾の起点の場所です。
今回は、そんな特別な場所での体験を組み込んだLearning Journey企画の報告レポートです。
一日目は徳島市内で主にワークを
今回は小人数だったこともあり、カフェでゆっくりお話するような雰囲気で進めることに。
ワークなどで「書く」という作業は、自分の考えをまとめたり整理するのに効果的なので、私自身も普段から行っています。
今回の参加者の方も毎日、良かったことを書き出す三行日記をつけられているということで、ワークも抵抗なくこなされていました。
前回の参加者の方々も書くことに慣れておられて、皆さん普段から自分を客観的に見る作業をされているんだなと、前回に続き今回も感じました。
毎日の生活の中で自分の意見や考え、気づいたことをノートやメモに書き出すのは、自分だけでも出来る壁打ちの作業の一つになると思うので、皆さんにもおススメです。
ワーク内容は「今」現状を知るワークと、「少し先の未来」を描くワークを行うことでギャップを発見することができ、次の日から、何か小さなことでも良いので変化を起こしていただければと思い、考えています。
ワークの前には私自身の神山塾での学び、神山生活の中での気づきや、変化のプレゼンをさせていただきました。
参加していただいた方から、「馬渕さんの捉え方のクセや神山に来るまでの辛いことの内容が、まるで自分のことのように思えました」という感想を頂いて、やはり、悩みながら日々の生活を送っている同年代の方々はたくさんおられるんだなと実感しました。
頭を使ったワークの後は皆で交流会の料理作り!
共体験・一緒に作業をしながらの会話はフランクな雰囲気で、ワークとは違う会話が生まれやすいので、とても良い交流方法だと考えています。
今回のメニューは冷しゃぶサラダと炊き込みご飯、徳島名物の株式会社そらにわさんの半田手延べ麺をスタッフ・参加者の方みんなで作りました。
徳島なので、もちろんスダチも用意。
野菜を切ったり、豚肉に火を通したり、盛り付けしたり。
意外に大胆に盛られたり!
話しているだけでは分からない、いろんな性格が垣間見える時間になりました。
交流会には神山塾14期卒塾生の暮石さん(通称クレソン)も参加してくれました。
卒塾後の生活や、好きなキャンプ・焚火の話でも盛り上がりました。
やはりご飯を食べながらの会話は楽しく笑顔になれる一番身近な方法なんだなと思いながら、一日目が終了しました。
人が攪拌(かき混ぜ)されることで感じる平坦の心地よさとは?
2日目は神山の道の駅に集合し、神山町内ツアー!
神山バレーサテライトオフィス コンプレックスやWEEK神山からスタートしました。
WEEK神山の鮎喰川を一望でき、風が吹き抜ける場所で説明をさせていただいていると、スタッフのゆいなさん、アルバイトのにこちゃんと少しお話しする時間ができました。
WEEK神山では、初めて訪れるゲストの方だけでなく、迎える側にも常に程よい緊張感を持ちや新しい学びを得るために、人の新陳代謝があった方が良いと考えているそう。
そのため長期休暇の大学生や就職活動が終わった学生さんなどを多くインターンとして迎え、常に新しい人がいる状態を作っています。
そのお話を参加者の方にお話されていた時に、スタッフのゆいなさんが、
「いろんな方が来られるけど、その人たちが帰られる度に私はWEEKの居心地がよくなるように感じるんです」と話してくれました。
そのお話を聞いて、人が入ってきて良い意味で「かき混ぜ(攪拌・かくはん)」されることで、平坦(日常)の大事さや、心地よさをより感じることができるのかなと思いました。
人間関係や組織においても、常に波風が立たない状況を良しとするのではなく、その中で気づきを得ることのほうが大事なんじゃないか、と感じられる素敵なお話でした。
偶然のラッキー
WEEK神山をあとにして、寄井商店街へ移動。
古民家を改装されて、コロナ前までフレンチビストロをされていたカフェオニヴァさんの説明をしていたところ、お店の扉が開いて中からオーナーの齊藤郁子さんが!
「良かったら入って見ます?ただ、燕が入っちゃうからすぐに網戸閉めてね!」と声をかけていただいて、店内へ入らせていただくことに!
偶然でしたがラッキー!!
現在、神山まるごと高専の学生さんとも交流の多い郁子さん。
放課後や休日に学生とどうやって水源を見つけるかなど、課外授業で行っていることのお話などをお聞きすることができました。
2日目も共体験(調理)!
偶然の出会いに感謝しつつ、サテライトツアーを終えて、神山でのリレイションの活動拠点、梅星茶屋で昼食!
今回は焼きそばを作りました。
梅星茶屋は私が神山塾中下宿をさせていただいていた粟飯原康史さん・國子さんご夫妻のお宅の敷地にあり、コロナ前までは國子さんがワンコインランチを提供されたり、主に神山塾の卒塾生が使わせていただいていた場所です。
調理中に聞こえてくる國子さんの会話の中には、気持ちが軽くなるヒントがたくさんあります。
さっきお話されていたことと正反対のことでも笑って話されていて、「あれれ?」と思いながら、そんなことどうでもよくなる國子さんの笑い声は、私が元の自分に戻るエネルギー源でした。
神山の中心はやはり「ひと」
他府県から来られた方に「神山のどこか行った方が良い場所ありますか?」と聞かれたことがありますが、神山の魅力は場所ではなく、地域の方々だと思います。
神山の「どこ」ではなく「誰」に会えるかだと思います。
そう思えるのは康史さんと國子さん、地域の方々が居られるからです。
大小様々なプロジェクトが凄いのではなく、その実現のために実際行動している「ひと」が主役で、活動が継続され、神山に来る人たちを魅了しているのだと思います。
新しく来た人たちがまたその活動を一緒にしたいと言ったり、参加しても受け入れてくださる寛容性が、神山にはあります。
「くらしを耕す」丁寧に今を生きること
昼食のあとは江田地区へ移動し、エタノホさん(江田集落で作ったお米の穂、から名付けられたそうです)の田んぼの除草作業を体験させていただきました。
エタノホさんでは13枚の田んぼをされているのですが、その内5枚を、無農薬で作られています。
江田地区では現在3組しかお米作りをされていないらしく、作らなくなった田んぼには、果樹の木やヒバ、檜扇などの木が植えられていました。
今回体験させていただく中野式除草は大きな下駄のような板にピアノ線が張られた除草機を使い、表層1~1.5cmの発芽層だけをシャカシャカと「撹拌」、発芽したての幼い草を浮き上がらせる作業です。
田植えをして5日後辺りから雑草が生えだしますが、田植え後22日以内に2回除草作業を行えば、草は生えてこないのだそうです。
一つの雑草から80万も種が落ちるとお聞きして驚きました。
天文学的数字の雑草は、抜いても抜いても生えてきて終わりのない作業だったそうです。
エタノホの植田さん、兼村さん(お二人とも神山塾OB)に見本を見せていただいたあと、いざ田んぼへ。
稲の周りを5回こすって、次の稲へ、また5回擦って次の稲です。
とても地味に見えますが、田んぼの中を列に沿って歩きながら行うかなり難しい作業です。
この除草作業をしてみると、先日田植えに参加した時「間隔を考えて植えてね」と言われていた意味がわかりました。
どんなことでも、その時はわからなくて、実際後になり自分が経験することで気づくことがたくさんあることを再確認できる作業でした。
エタノホさんの「くらしを耕す」には、学びを忘れず今を丁寧に生きるという意味が込められているそうです。
やはり神山の素晴らしさは、足もとの暮らしで、そこで自然体で生きておられる地域の「ひと」だと、あらためて教えていただいた除草作業でした。
日常の思考を攪拌してみよう
江田集落を後にして振り返りを行うため、再び梅星茶屋へ。
戻ると康史さんが焼き芋を焼いて待っていてくださいました。
参加者の方に二日間の感想をお聞きすると、
「とても濃い二日間でした。新しい情報がたくさんで整理するのが大変。やはり来てみないと経験できないことばかりでした。神山は若い方が活躍されている印象で、また色々な体験をしに、Learning Journeyに参加したいです」
と仰っていただきました。
田んぼに裸足で入るという非日常や、迷ったけどLearning Journeyに参加してみた、など今までの自分なら選ばない方を選んでみる・やってみることは、今までの自分の思考を「攪拌」してみることだなと思います。
混ぜてみて、五感を使い新たな気づきがあると平坦(日常)に戻ったとき、自分は何が好きで何を大切にして生きていきたいのかなどに気づける、きっかけのきっかけになると思います。
リレイションでは、来月もこのような滞在型研修を企画しています。
6月は2つの企画がありますので、ご興味ある方は、ぜひご参加ください。
一緒に神山を体感しましょう!
この記事を書いた人
馬渕直子
京都府のはしっこ、海の京都と言われる京丹後市出身。神山に来るまでは京都市内で栄養士・調理師・管理栄養士として「食」に関わる仕事に携わってきた。神山塾14期に参加するため、2022年8月に徳島に。料理を作ることも、もちろん好きだけど、何より食べることが大好き!旅が好きで行った先の、知らなかった食材を買ってきて調理したり、地元の方に教えてもらいながら郷土食を作ったり、その土地に根ざした「食」「ローカル」「田舎」「暮らし」が自分の中のキーワード。今までは栄養士として食のサポートをしてきたが、これからは「食べること=生きること」と捉え、自分が神山で変化できた「ワクワク生きるため」のサポートをしたいという想いでリレイションへ。
関連記事
-
2019.04.24
-
2020.12.18
-
2017.05.03
-
2021.07.21
-
2021.10.04
-
2020.11.05