花ロードプロジェクトに参加して〜できるときに、できることを〜

花ロードプロジェクトに参加して〜できるときに、できることを〜

ゲスト
ゲスト

2017.10.11

こんにちは! 神山塾KATALOGコース2期生の大島薫子です。

私は生まれも育ちも徳島で、関西の大学に進学したのち、
6年前にUターン就職で徳島に帰ってきました。

大好きな徳島の魅力を伝えていける人になりたいと思い、
神山塾KATALOGコースに入塾し、約3ヶ月が経ちました。


神山塾での活動で、棚田や森に足を運んだり、
地域のお祭りなどに参加させてもらう中で、
神山には地域の人たちの手で守られている風景や、
受け継がれている取り組みがあることを知りました。


「守る」「受け継ぐ」活動を意識するようになってきたときに、
ふと目にとまったのが徳島の街なかに咲く「花」でした。

わたしは毎朝、通勤の途中で徳島の中心市街地を通っています。

そこにはキレイに整えられた花壇があります。

今回のブログでは、徳島の中心市街地で花による景観整備をされている
「とくしま まちなか花ロードプロジェクト」さんの活動に参加して、
感じたことをお伝えしたいと思います。


「花ロードプロジェクトとは」

 9月16日行われた「花植え会」の様子。雨の中でもたくさんの人が参加されていました。
9月16日行われた「花植え会」の様子。雨の中でもたくさんの人が参加されていました。

「とくしま・まちなか花ロードプロジェクト」とは、
徳島の中心市街地を花いっぱいにし、
観光客の方や市民の皆さんに気持ちよく過ごしてもらいたいという思いから、
2014年11月より始まりました。


その活動の中心となられているのは「NPO法人新町川を守る会」さんです。
新町川を守る会さんは、1990年3月に
「市民の汚した川は市民の手できれいに再生しよう!」と会を発足され、
徳島市のひょうたん島クルーズの運航や吉野川や新町川の清掃活動、
また徳島にて川と親しむ多彩なイベントをされている団体さんです。



毎朝7時から始まる花の水やり

171011_03

夏場は毎朝7時に、ひょうたんじまクルーズの船乗り場に集合し、
水やり活動がスタートします。

花壇の区間はAゾーン、Bゾーン、Cゾーンの3つの区画に分けられており、
毎日ローテーションで水やりの場所を変えていきます。

みんなが揃うと「今日はCゾーン!」と慣れた様子で、
水いっぱいの大きなバケツ2つと、
人数分のジョウロ用意して、花壇に向かっていきます。


毎日の水やり活動の主な担い手となっているのは、
ワークキャンプという制度を利用し、
海外からやってきた外国人のボランティアさん達です。

ワークキャンプとは、日常を離れて、
海外・国内で共同生活やホームステイをしながら、
その場所が必要としているボランティアで行うキャンプのことで、
花ロードプロジェクトもその受け入れ先となっています。


ワークキャンプのボランティアを取り仕切っているのは、長谷川晋理(はせがわ・しんり)さんです。

花壇を耕す長谷川さん。この日も絶好調。
花壇を耕す長谷川さん。この日も絶好調。

東新町にあるchu chu churros cafeの店長でもある長谷川さん。

chu chu churroscafeのトイレにミラー ボールを設置したり、
時に青鬼の服装で水やりをしたり、
常に面白いアイデアを考えられているユーモア溢れる方です。


そんな長谷川さんは、いつもSNSで花ロードプロジェクトでの水やりの様子を発信されています。
その投稿を見て私も「参加してみよう!」と思い、
水やりに参加させていただきました。

 


水やりから生まれるコミュニケーション

花ロードの区域にはたくさんの花が植えられているので、
水やりにはたくさんの水が必要となります。
水やりで使う水は、花ロード区域の周辺にあるお店や、会社、
ガソリンスタンドから給水をさせてもらっているそうです。


長谷川さんはガソリンスタンドのお店の方と談笑をされていたり、
花ロード区域にあるマンションの管理人さんと笑顔で挨拶をされていました。

マンションの管理人さんとお話をされたあと、
「あの管理人さんは『自分のマンションの前だけでも』って、
マンション前の花壇をキレイに整備されとるんよ」
と、教えてくれました。


ワークキャンプの皆さんと一緒に花の水やりをしていると、
特に関心を持たず通り過ぎていく方もいれば、
「何をしているんだろう?」と興味を持った様子で、
水やりをする私たちを見る方もいました。

こちらを見ている方に「おはようございます!」と挨拶をすれば、
笑顔で挨拶を返してくださり、なんだか嬉しくなりました。

長谷川さんは水をやりながら「花を植えたいわけじゃなくて、
花の水やりを通じて、自分たちの街に興味を持つ人を増やしたい」
と、話してくれました。

 


活動を継続していくために

毎日の水やりの様子。カンカン照りの日は、特に沢山の水が必要です。
毎日の水やりの様子。カンカン照りの日は、特に沢山の水が必要です。

花ロードプロジェクトの活動は、
その活動を通して一銭もお金をもらうこともなく、
暑い日も、寒い日も、キレイな花壇を守るために毎日続く、
とても地道な取り組みだなと思いました。


「月に何度かのイベントだと人は集まるが、
毎日の活動となると、なかなか人が集まらない」
と、長谷川さんはおっしゃっていました。


花ロードの活動を持続していくために、
ワークキャンプに求人を出したところ、
海外からの応募がたくさんあり、目からウロコだったそうです。

そしてシェアハウスを始めるなど、外国人の受け入れ態勢を整えたそうです。

 

できる人が、できる時に、できることを

9月16日に行われた花植え会の様子。2万4000株のマリーゴールドを、みんなで手分けして植えました。
9月16日に行われた花植え会の様子。2万4000株のマリーゴールドを、みんなで手分けして植えました。

花ロードの水やりに参加をさせていただいて、
何気なく通っていた道を守ってくれている人たちの存在に気づき、
自分もできることをしたいなと思いました。
でも、仕事や体力の関係で、毎日はお花の水やりに参加することはできない。
「そんな関わり方でいいのか?」と、葛藤を感じました。

そんなときに新町川を守る会さんは
「できる人が、できる時に、できることを」
を基本に活動をされているということを知りました。

その考え方を知ったときに、昔読んだ本を思い出しました。
南アンデス地方に伝わる「ハチドリのひとしずく」というお話です。

~

森が燃えていました。

森の生きものたちは われ先にと 逃げて いきました。

でもクリキンディという名の ハチドリだけは
行ったり来たり くちばしで水のしずくを一滴運んでは
火の上に落としていきます。


動物たちがそれを見て
「そんなことをして いったい何になるんだ」
と言って笑います。

クリキンディは こう答えました。
「私は,私にできることをしているだけ」

~

私もできることをしたいなと、あらためて思いました。

できるときに、朝いつもよりちょっと早起きをして、一緒に水やりをして
自分の暮らす街が、より気持ちよく過ごせる街になるように、
私も私にできることを、コツコツと、やっていこうと思いました。

まずは自分から。

この記事を書いた人

ゲスト

ゲスト

神山塾生や、地域のキーパーソン、中学校の生徒さんetc…それぞれの地域や故郷への思いを「KATALOG」に綴ってくれています。

この人の書いた記事を見る

関連記事

ラーニングジャーニー