神山研修を通じての学びと出会い | KATALOG
神山研修を通じての学びと出会い

神山研修を通じての学びと出会い

折原拓人
折原拓人

2022.08.19

こんにちは!

リレイションさぬき兼さぬき市地域おこし協力隊の折原です。

僕は現在地域おこし協力隊として、香川県の東エリアに位置するさぬき市で活動をしています。
地域おこし協力隊の活動も2年目に入り一層充実した日々を送っています。

メインの活動拠点はさぬき市ですが、月に一度研修という形で徳島で地域活性について学ぶ機会をいただいています。

今回のKATALOGでは、7月5日、6日に参加させていただいた徳島での研修で学び感じたことを書かせていただきます!

神山という場所

今回の研修の舞台は神山町。

僕にとって地域活性の取り組みに初めて触れた場所であり、研修でもよく訪れる馴染みの深い場所となっています。

そんな地域活性先進地で行われていたのは、企業人向けの研修会。

僕は仕事の都合もあり途中からの参加となりました。全国各地から会社の中核を担う方々が集まり、神山町の事例や、地域に寄り添いながら事業を展開している会社の事例や想いを学んでいる真っ最中に飛び込ませていただきました。

これまで、神山での研修では何度も企業の中核を担う方とお会いする機会はあったのですが、なぜか未だにファーストコンタクトの空気感には慣れず大緊張。

ちょうど到着したのが昼食の時間だったこともあり、お昼を食べながら軽く自己紹介をさせていただき、いよいよ研修が始まりました。

研修一日目

一人目の講師は株式会社ワイズ技研代表取締役 北田諭史社長。

北田社長は上勝町で地域活性化企業人としてもご活躍されており、人財育成や農業DXに関わっていらっしゃいます。

北田社長は「現場に愛と幸せを増やすと世界がワになる」というコンセプトにまつわるお話を、自社で行われているSkyFarm事業とあわせてお話をしてくださいました。

SkyFarm事業は、「ドローンで社会の環(わ)に貢献する」がコンセプトです。
ローカルベンチャー・ドローンサービスを展開しており、ドローンの社会実装シーンを現場から支えています。

「ITがあっても現場は現場。テクノロジーは人を幸せにするものでなければならない」

そう語る北田社長。

確かに、テクノロジーが発達しても、それを扱うのは人間。現場での感触や連携がきちんと図れないと、いくら優秀なテクノロジーを業務に組み込んだところで、業務効率が悪くなり、結果人は不幸になります。

「機械を使う、導入するということだけでなく、現場のカンや経験といった言語化しにくいものをデータを通じて継承していく仕組みを作る事が本当のDXなんです。」

事業を通じて、地盤改良や地盤調査を始め、様々な地域連携や産学官連携を行っている北田社長だからこそ、DXという先進技術が人を幸せにすることの意味を体現なされていました。

株式会社ワイズ技研・北田諭史社長。

2人目の講師はサイファーテック株式会社代表取締役、株式会社あわえ代表取締役を務められている吉田基晴社長。

新たなワークスタイルの確立や採用力強化のため、徳島県の南部に位置する美波町にサテライトオフィスを開設。その後本社を美波町に移し株式会社あわえを設立後、地域振興に携わられています。

吉田社長は、「にぎやかな過疎を作る」というコンセプトで講演をしてくださったのですが、その中に「半X半IT」という単語がありました。職・住・遊が近接した利点を活かした働き方・生き方を提唱したもので、仕事と個人の大切なXを両立する生き方ということです。

個人のXは人によって違います。それは趣味かもしれないし家族かもしれないし友人かもしれない。なにがXに当てはまるにせよ、人生をより豊かにいきるためにはその人にとっての余白が必要になるということだと感じました。

また、田舎で仕事、地域振興に深く関わる中で、地域の中での役目の重要性や生きる上での役割が見えてきたと話される吉田社長。

人口減少下でもチャレンジできる環境を作り、一人が複数の役割を持てる環境を目指し循環のある社会を生み出すことが持続可能な社会ということだとおっしゃられていました。

この部分は地域おこし協力隊として、複数の役割をいただいている僕にとって、とても参考になる話でした。

今は役割を与えていただく立場でしかありませんが、これでは一方通行で循環が出来ていません。与えられた役割を全うするなかで、新たな役割づくりを行うことで、持続可能な田舎を作る必要があると感じました。

サイファーテック株式会社・株式会社あわえ吉田基晴社長。

研修二日目

二日目の研修は、株式会社フードハブ・プロジェクト共同代表取締役 支配人の真鍋太一さんの講演から始まりました。

フードハブプロジェクトは、神山町役場、神山つなぐ公社、株式会社モノサスが共同で設立した会社です。循環の仕組みづくりを役割として農業を次世代に繋ぐことを目指しています。。

近年、後継者不足や耕作放棄地が増え一次産業の衰退は大きな問題となっています。

そんな中、「地産地消」ではなく「地産地食」。
地域で育て、地域で一緒に食べることで関係性を構築し、神山の農業と食文化を次世代に繋いでいく役割を担っておられます。

特徴のひとつは、民間の会社×地域の民民連携ではなく、行政ともうまく連携しプロジェクトにスピードを持たせているところ。

一つ一つの小さな仕組みを繋ぎ、「みんなで農業を支える」という大きな仕組みを作るというコンセプトは過疎化が進む田舎ならではの新しい形だと感じました。

株式会社フードハブ・プロジェクト共同代表取締役 支配人の真鍋太一さん。

続いてNPO法人まちの食農教育代表理事の樋口明日香さん。

フードハブプロジェクトに関わっていらっしゃったメンバーの一人で、フードハブプロジェクトを通じて食農教育分野へコミットをされています。

町役場や地域公社との教育連携を行う中で、リアルな体験から多様な価値観の共有の場を生み出し続けています。

若者と社会を繋ぐことによって「受け継ぐ」というスキームを作ることは、衰退する一次産業の希望の光であると感じました。

研修の最後はフードハブプロジェクトの「食べる」の部分を担うかま屋さんで、実際に食に触れ、今回の研修は終了となりました。

研修に参加して

内容の濃い二日間の研修で、たくさんの地域に携わる方々のお話を伺うことができました。

業種や地域振興の役割は違いますが、共通していたのは、「循環する仕組み」をつくるということでした。

同じく地域振興に携わる人間としてはっとしたのは、コンテンツを生み出すことに必死になっていたということです。

生み出すことが悪いことではありませんが、生み出しては消え、生み出しては消えでは地域が疲弊し、地域振興とは正反対の道を進んでしまうということです。

今の地域に必要だとしても、それが継続するコンテンツでないと意味がありません。

地域課題にしっかりと目を向け、地域と共に課題解決を図ることで、地域、行政、自身が自分事として課題に向き合い、循環する仕組みづくりができるのだとあらためて感じました。

また、地域にはそれぞれ特色があります。神山で、上勝で、美波町で行っている事例をそのままさぬき市で使えるかというと、それはまた別問題です。

しかし、事例を活用し、さぬき市の地域振興を進めていくことは可能だと考えています。

地域振興に関わる一員として、まずは自分の足元を見直し、循環する仕組みづくりをさぬき市でも作っていこうと思います。

この記事を書いた人

折原拓人

折原拓人

徳島出身の弓道家。 2021年に約6年間勤めた会社を退職し、リレイションインターンを経て現在はさぬき市地域おこし協力隊として活動。 生きるとはなにか?を学ぶため日々奔走中!

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