リレイション徳島スタッフの齋藤です。
突然ですが皆さん、「にし阿波」という言葉を聞いたことがありますか?
7月末の休日、徳島県美馬町出身の友人と、にし阿波の旅に1泊2日で行って来ました。川下りをしたり、美馬にあるコワーキングスペースや新しく廃校利活用としてオープンした施設などをめぐる、盛りだくさんなツアーでした。
にし阿波という言葉に馴染みがなかったほど無知だった私が、にし阿波の魅力に圧倒された2日間の様子を前後編に分けてお届けしたいと思います。
今年の春出会ったデザイナーの友人と
1泊2日のにし阿波ツアー
今年の春に出会った藤田景子さん。
私はおけいはんと呼んでいます。
おけいはんは、神山のえんがわオフィスで働いていた経験があったり、ベトナムなど海外でデザイナーとして働いていたりととっても面白い方。
アウトドアなところや、関心のあることが似ていたりして、すぐに仲良くなり、しょうもない話も真面目な話も深夜まで語り合えるような年上の素敵なお姉さんです。
おけいはんの出身は徳島県の美馬市。
美馬市には伝統的なうだつの町並みという有名なスポットがあります。
その周辺にあるカフェなどには足を運んだことがありましたが、その他にどんな面白いところがあるか、恥ずかしながらまったく知りませんでした。
そこでおけいはんが「にし阿波案内するよ!」と声をかけてくれ、2人で2日間にし阿波巡りをすることに。
「にし阿波」ってどこ?
「にし阿波」とは、徳島県西部の2市2町(美馬市、三好市、つるぎ町、東みよし町)からなる地域のことを指します。
美馬といえばうだつの町並み、三好といえばラフティングや日本最大秘境のひとつ「祖谷」という場所があるというそれぞれの地域のイメージはありましたが、この2市2町の地域のことを「にし阿波」と呼ぶことは、今回をきっかけに知りました。
(参考:https://nishi-awa.jp/fascinating/whats/ )
四国の川の案内人と行く、つるぎ町ツアー
1日目は、おけいはんが学生の頃、インターンでお世話になったつるぎ町にある「Trip 四国の川の案内人」さんへ。
Tripは牛尾 健さん、愛子さんご夫妻が営む、剣山の麓を拠点に山から海までその土地のストーリーを含めたツアー作りや各種コーディネート(川旅やアウトドアガイドなど)を行う会社です。
“ 四国の川の案内人 ”というワードに心惹かれながら……。
当日の川の状態を見て遊びを決めようということだったので、どんな遊びができるのかワクワク。
牛尾さん「周辺散策したあと、ゆっくり川下りでもする?」
私「お任せします!」
ということで、牛尾さんへ丸投げのツアーがスタート(笑)。
世界農業遺産「猿飼集落」の傾斜地農業
車を少しだけ走らせ、つるぎ町にある猿飼集落の傾斜地農業をしている畑を見に行きました。
この地域で古くから営まれている傾斜地農業は、平成30年に中四国で初めて、国連食糧農業機関の「世界農業遺産」に認定されています。
ちょっと急な棚田みたいな感じかな?と想像していましたが……。
本当に急斜面がそのまま畑で驚きました。
畑では、そばや野菜を栽培されるそうです。
訪れた7月末はまだその時期ではありませんでしたが、そばが植えられていて、花が咲く頃には、一般の見学を受け入れお茶などがいただけるそうです。
集落を通り畑へ向かう途中、腰の曲がったおばあちゃん3人が手押し車を押して雑談していました。その光景がとても素敵で鮮明に記憶に残っています。
落差85mの「鳴滝」へ
次は徳島県で一番高い「鳴滝」へ。
鳴滝は3段に分かれており、落差は85mあります。
平日でしたが、何組かドライブで訪れる人とすれ違いました。
こちらの滝はすぐそばにベンチがあり、また滝の近くまで道が整備されているため、アクセスしやすくおすすめです。
周辺には県指定の天然記念物に指定されている、狭い谷の河床に岩が侵食されてできた神秘的な滝壺「土釜(どがま)」があったり、湧き水が湧いているところで給水したりと、知らないことばかりで刺激いっぱいな周辺散策でした。
吉野川をカヤックで4km川下り
周辺散策後は車にカヌーを乗せ、吉野川へ向かいました。
「ちょっと最初こけやすいところがあるけど……まっ大丈夫そうやね(笑)!」
と牛尾さんに脅されながら川下りスタート。
日光と風が強すぎず、川下りに最高の天候。風の力を使ってゆっくりゆっくり吉野川の本流を下って行きました。
カヌーの経験は小さい頃からありますが、落とし合いをしたりスピード競争をしたり……といったカヌーの乗り方しかしてこなかったので、ゆったりとした川下りはとても新鮮でした。
牛尾さん「激しいのあんま好きじゃなくて。ゆっくり行きたくない?」
川下りの途中、支流の半田川が流れ込んでくるポイントで休憩タイム。火を起こしてコーヒー豆をその場で焙煎、深煎りのコーヒーを淹れてくれました。
かつては人が住んでいた “中鳥島”
カヤックを漕ぎながら牛尾さんが、吉野川やこの地域の歴史の話をしてくれました。
印象に残っているのは無人島の話。
カヤックで下っていると、途中にこんもりとしている森が見えてきました。そこは中鳥島(なかとりじま)という中洲。かつては人が住んでおり、神社や学校があったそう。
おけいはん「当時の写真とか図書館に残ってないんかな? もっと地元の歴史勉強したいなあ……」
遠くから見ると草や木が生い茂っていてそのような面影はないのですが、当時川が物流の経路として使われていたこと、日常の生活の中に川の存在があったことを想像しました。
4kmの川下りはあっという間。
ゆっくりくつろぎながらお話できてとてもいい時間でした。
夜ご飯は牛尾さんがジビエとパエリア、おけいはんがベトナム料理のつけ麺「ブンチャー」を作ってくれました。
牛尾さんがつくるパエリアが絶品!!
このためだけにまた足を運びたいほど……(1dayツアーやキャンプツアー、野外料理イベントなどでも体験できるので気になる方はぜひ)。
つるぎ町の魅力発信を行うイベントなどの企画もされている牛尾ご夫妻。
夜ご飯をいただきながら、つるぎ町のこれからについて語り合いました。
田舎で住んでいたり、活動する方は「若者に関わってほしい」という言葉を耳にする機会が多いのではないでしょうか。
人が集まらなかったり、関わってほしいけれど任せきれないなど、さまざまな問題があると思います。
牛尾ご夫妻はこれからの未来をつくる若者の活躍の場やこれからつるぎ町に関わる若者について、とても具体的に企画を考えていました(これについては、いつかまた別の記事にしたいと思っていますのでお楽しみに)。
押し付けではなく、若者が楽しく、参加の価値を見いだせるようなとても魅力的な企画を聞き、その思いや話し方、お二人の掛け合いにすっかり牛尾夫妻のファンになってしまいました……。
ここで1日目は終了。
おけいはんと布団を並べて牛尾夫妻の魅力についてお喋りしながら(笑)、就寝しました。
後編では、幸せな朝ごはんから始まった2日目の様子をお届けします。
泊まれる印刷工場や新しくできた廃校をリノベーションした施設など、にし阿波へ訪れる際の参考になると思いますので、ぜひご覧ください。
この記事を書いた人
齋藤 千夏
徳島生まれ徳島育ち。社会人2年目の2020年リレイション入社。 アウトドア・音楽・イベント好きなアクティブ派で、食べることをずっと考えています。エスニック料理、特にスパイスチャイが好き。サーフィンを始めたので趣味と言えるくらい上手くなりたい!大切なひとたちや応援したい人たちの力になれる、そんな仕事ができるよう頑張っています。
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