KATALOG WEBをご覧のみなさま、こんにちは。
先日、2人の起業家の青年とお馴染みの徳島県神山町でLearning Journeyを行いました。
弊社リレイションのもとに問い合わせしてくださったのは、6年前に愛媛県西予市の地域おこし協力隊として移住したのち起業し、合同会社メニークエストの代表として会社を運営している藤田恭裕さん。
普段は、愛媛県西予市城川町の特産品である栗やゆずを使った加工品の製造や販売を行いながら、地域の方の雇用を生み出す仕組みづくりに励んでいます。
この度、藤田さんが友人から起業準備の相談を受けたということで、弊社代表、祁答院を紹介したいと連絡をいただきました。
なぜ神山町を視察したいと思ったかというと、田舎にもかかわらずネット環境などハード面が整っていることと、ソフト面でも町にいる人同士の関係性がよいことなど、以前から神山町の魅力を感じていたからだそうです。
起業準備をしているのが、福岡在住の亀谷圭介さん。
大学で建築デザインの勉強をし、得意な英語やプログラミングを活かして将来的には外国人が日本へ移住する際に役立つネット上でのプラットフォームを作りたいと考えているそうです。
当初この春、起業する予定だったものの、コロナの影響もあり、改めて起業のタイミングやこれからの働き方を模索しています。
彼らと共に、今回は神山町で起業している方々を訪ね、どのように働き、暮らしているのかについて学ぶ機会を提供しました。
神山の起業家&サテライトオフィスを訪ねる旅
最初に訪れたのは、元縫製工場だった建物を改修して作られた神山バレーサテライトオフィスコンプレックス。新しいビジネスコミュニティーの場であるコワーキングスペースです。
このコワーキングスペースを拠点に自分のビジネスを営んでいる本橋大輔さん。
今の時代、ネットで暮らしが完結するから神山町での暮らしに特に不便はないそうです。
また、ここにいるといろいろなコミュニティーが広がって面白いといいます。
「自分が知っている福岡のコワーキングスペースは、みんなそれぞれ仕事をしているけれど、その中にコミュニティーはないような気がする」と自分の地域を振り返る亀谷さん。
本橋さんは神山町に来た時、最初は毎日のように地域の人と飲み会をしていて、そこでの “飲みニュケーション”から開放的な雰囲気が生まれたとおっしゃっていました。
次に訪れたのは、Sansan株式会社が神山町に作ったサテライトオフィス、「Sansan 神山ラボ」。
見学する二人が驚いたのは、一見通り過ぎてもオフィスだと気づかないようなこの建物。地域の景観を崩さないように既存古民家の外観をそのまま活かして改修されました。
中でも、リノベーションされた牛小屋にワーキングスペースとしてパソコンが並んでいる光景は、とても印象的です。
このサテライトオフィスは、ワーキングスペースにとどまらず、宿泊・研修棟の役割も果たしており、ここで働く社員が快適に過ごせるように工夫されています。
地域に溶け込むサテライトオフィスは他にもあります。
株式会社プラットイーズのサテライトオフィスであるえんがわオフィスです。
田舎の商店街の一画に立ち、しばらく空き家となっていた古民家が大変身!!
企業理念である「オープン&シームレス」に基づき、オフィスも地域に対してオープンな場所にしたいという社長の希望から、側面をガラス張りにして中の様子が見えるようにし、訪れた地域の方もくつろげるようにと、周りには広い縁側が作られています。
既存の屋根と柱はそのまま活かし、そこに新しい価値を加えてリノベーションされた建物が地元の人と企業との距離を近づけています。
築約90年の古民家や蔵が新しい役割を担い、継承された「えんがわオフィス」は画期的な事例となり、多くの人が全国各地から視察に訪れています。
次に向かった先は、このえんがわオフィスのすぐ近くにあるWeb制作などを手掛ける会社、株式会社モノサスの「神山サテライトオフィス」。
迎えてくれたのは、ここで働く浅田亮平さん。大阪出身の彼は、ものさす塾の卒塾生。当時、いきなり移住しようと考えていたわけではなく、塾期間中に地域での人間関係をつくる時間があったことが結果として神山町で暮らすことに繋がったといいます。ルーツは違っても目的が一緒で全国から集まった塾仲間の存在が大きかったそうです。
このように神山町に今あるサテライトオフィスは、外観だけでなくそこに関わる人々の暮らしに溶け込む工夫があるからこそ、地元の方が寛容的に受け入れやすい空気があるのかもしれません。
最後に訪れたのは、飲食業と宿業の二本立てで事業をしているオニヴァの齊藤 郁子さん。
現在は新型コロナウイルスの影響で飲食業のほうはお休みしているそうですが、そこで生まれた空白の時間を使って新たな取り組みを計画中とのこと。
彼女のとてもパワフルな生き方を知り、起業を志す者としてとても刺激的だったようです。
オニヴァに宿泊に来る方は、「ここでしかできない体験」を求めて訪れる方が多く、齊藤さんが自分の所有している山にサウナを作ったのも、その魅力の一つとなっています。山間部だからこそできる斬新なアイディアですね。
「仕事へのモチベーションが高まった」
最後に、研修を終えたお二人に感想を聞きました。
亀谷さんは、スローライフと呼ばれる田舎暮らしを今回初めて目の当たりにし、「同じ所に固定して生きるのではなく、何箇所か拠点を持ちたい」と、今後の自分の生き方をあらためて考える機会となったようです。
以前は陸上自衛隊として働いていた経験もある亀谷さん。当時の現場の価値観にあったような「指示に従い、自分についてこい!」という考え方だけではなく、さまざまなオリジナリティーを持った社員がどう自己実現しながら働ける環境を作ることができるかが重要だという経営者的視点も学べたと感想をいただきました。
藤田さんは、これまで何度か神山町を訪れたことがあったそうですが、今回あらためて町で働く起業家たちの話を聞き、「今の自分の事業に満足している部分があったが、まだまだ上を目指さないといけないな」と仕事へのモチベーションが高まったそうです。また、自身が住む地域も若い人たちが興味をもつ場所としてもっと整備していきたいと感想をいただきました。
Learning Journey は、このように若者たちが現地に訪れ、さまざまな人たちに出会い、いろいろなものを目で見て肌で感じて、これからの自分の生き方や働き方に繋がるヒントや何かに挑戦するきっかけとなるような体験を提供しています。
ふと立ち止まり、自分の生き方を考え直してみたい方、新たな価値観や視野を広げたい方など、興味がある方は、お気軽にお問い合わせください!
この記事を書いた人
澤田千尋
横浜スタッフ。神山塾9期を経てRELATIONの歌う広報担当。地域のよさや出会った人たちの魅力を発信しながら、これからの時代を生きるためのヒントをお届けします。シンガーソングライターとしても活動中。RELATIONと共に全国ツアーするのが夢!
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