受け継いでいく者のひとりとして-江田集落での稲刈り作業- | KATALOG
受け継いでいく者のひとりとして-江田集落での稲刈り作業-

受け継いでいく者のひとりとして-江田集落での稲刈り作業-

ゲスト
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2016.10.03

皆さま、こんにちは! 渋谷です。

最近は、雨の日が続いて蒸し暑い毎日でしたが、10月に入りようやく涼しくなってきました。
金木犀の香りや、掃いてもはいても積もる落ち葉など、本格的な秋を感じる日々です。
そして、神山に来てからは、稲刈り後の田んぼで見れる「はぜかけ」の風景も、秋を感じるひとつの要素になりました。

今回のブログでは、今年の春から水路清掃、田植え、草抜きと携わらせてもらった江田集落の稲刈りの様子をお伝えしたいと思います。

 

4年目の米作り

稲刈りの場所は、神山町上分地区の江田集落。田植えすだち狩りなど、KATALOG WEBにも何度か登場している場所で、いつ訪れても地域の方々があたたかく迎えてくれます。

稲刈りは、この江田集落に居を構える、神山町地域おこし協力隊の植田彰弘さんが指導してくれました。
植田さんは、「里山の風景を、暮らしを受け継いでいく」という思いから、4年前に江田集落で活動を開始。
棚田の管理を行いながら、田植えの間隔や水の管理にも変化を加えていき、農作業への新たな試みを楽しんでいるように思います。
そんな熱心な植田さんのことを、集落の方たちは、厳しくも温かく見守っている様子が印象的です。
また、体験イベントの開催や作業のボランティアを募集して、私たちが江田集落に関わる機会をつくってくれています。

今回の稲刈りのボランティアは3日間で行われ、私が参加したのは小雨が降る最終日。8名で「稲刈り」、「稲を束ねる」、そして、「はぜかけ」という作業を行いました。

 

労を惜しまない稲刈り

神山や江田集落でも作業は機械が多いなか、植田さんが管理している11枚の田んぼでは全てが手作業です。そのため、田んぼに到着したらまずは手で稲を刈り取る作業。次に、濡らしておいた藁で束ねた稲を結っていきます。
一通り作業を行う中で、稲刈りは体力と根性、稲を結うのは手際の良さ、器用さが必要だと思いました。そんな私が向いていたのは、もちろん稲刈り(笑)。稲を結っていた女性陣の手際の良さと絶妙な力加減はなかなか掴めず・・・。
少し前まで、こんな風に女性たちが会話を楽しみながら、稲を結う姿が日常にあったのかな、と棚田を見渡しながら想像してしまいました。

はぜかけの台作り。雨風で倒れないように、木をしっかり打ち付け、竹をかける。
はぜかけの台作り。雨風で倒れないように、木をしっかり打ち付け、竹をかける。
稲は7:3の割合で半分にし、逆さにして交互に竹の竿にかけていく。©Akihiro Ueta
稲は7:3の割合で半分にし、逆さにして交互に竹の竿にかけていく。©Akihiro Ueta

稲を結う作業の次は、はぜかけの台を作り、稲を逆さまにかけていきます。
ここで、植田さんから「なぜ、稲を逆さまにして天日干しするか分かる?」と聞かれて、みんな思いつくことを言うものの当たらず。頭をフル回転していると、「稲の根元に残っている栄養がお米に行き渡るようにするためですよ」と植田さんが答えてくれて、一同「おおぉー!」と思わず声を揃えてしまいました(笑)。

 

「受け継いでいく」ということ

実は、はぜかけの魅せ方も意識して木を打つ場所を決めていると話してくれた植田さん(中央)。
実は、はぜかけの魅せ方も意識して木を打つ場所を決めていると話してくれた植田さん(中央)。

今回の作業や教えてもらったことは、きっと昔から田んぼをやってきた人たちにとっては当たり前のこと。それを、植田さんは集落の方たちから、受け継ぎ、私たちに伝えてくれます。
さらに、初めての作業でも丁寧に説明をしてくれて、作業を進めながらポイントで大切なことを伝えてくれるので、参加者の中に自然に入ってきやすい様に見えました。

私自身、少しずつ江田集落でのお米作りを体験させてもらったことにより、集落の方たち、生産者の方たち、お米のことを身近に感じるようになりました。
集落の方たちや植田さんからの教えを自分たちが受けるだけでなく、微力ながらも伝えていくことが、10年先、20年先も江田集落の風景や暮らしを残していく上で私が出来ることだと思います。そのために、まず自分自身が江田集落の空気感、知恵や教えを体感していくことから始めていきます。

稲刈りが終わった後も、脱穀と籾摺り、菜の花の種まきと準備があるそうなので、
まだまだ江田へ行くのが楽しみです!

 

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神山塾生や、地域のキーパーソン、中学校の生徒さんetc…それぞれの地域や故郷への思いを「KATALOG」に綴ってくれています。

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