地域に拠点を作るおもしろさ −『蔵本BASE』プロジェクト − 前編

地域に拠点を作るおもしろさ −『蔵本BASE』プロジェクト − 前編

前田 優
前田 優

2016.08.25

こんにちは、プランナーの前田です。
私のBLOGでは、主に「神山塾」を中心に記事にしてきましたが、今回は少し趣旨を変えて、現在、私が取り組んでいるプロジェクトを紹介します。

その名も、『蔵本BASE』プロジェクト!!

RELATIONの地域拠点というと、KATALOG WEBでも度々取り上げている神山町阿川地区の古民家ゲストハウス「山姥」がありますが、現在徳島市・蔵本町でも異なるターゲットを想定した新たな交流拠点作りを行っています。
この蔵本 BASEは、コワーキング・多目的イベントスペースとして、9月中旬にオープンをする予定です。

ちなみに蔵本BASEの“BASE”は「基地」の意味もありますが、私はこの言葉の「基礎(土台)」という意味を大切にしています。

「想いを形にする、おもちゃ箱」
これが、蔵本BASEのコンセプトです。

この拠点で、自身のプランや事業アイデアを持つ若者がチャレンジをし、自分らしい働き方・暮らし方を作るきっかけ(基礎)を築いてほしい。
ここに集ったメンバーが共に刺激し合い、新しいものを創っていければ、きっと徳島の未来はおもしろいものになるはず!そして、そのような“コ・クリエーションスペース”ができれば、それは私にとってもおもしろいものであるはず!!という妄想をしながら手がけています(笑)。

この辺りは、BLOGの後半で改めて。

今回は先日った蔵本BASEの床貼りワークショップの様子や、地域“で”拠点を作る際に私が感じたことなどを、KATALOG WEBのテーマに沿ってお伝えしていけたらと思います。

 

地域の拠点を、自分たちで作っちゃおう!

壁紙を黙々と剥がす、神山塾KATALOGコース塾生。
壁紙を黙々と剥がす、神山塾KATALOGコース塾生。

皆さんは、DIYでスペースを作ったことがありますか?
今回、蔵本BASEを整備するにあたって、やれることは全部、自分たちでやっていくことにしました。
そう思ったのは、神山塾期間中に山姥の野外のウッドデッキを補修したり、徳島県海陽町で地域おこし協力隊の拠点作りに参加した経験が、何となく記憶として残っていたから。
神山塾を卒業した後も、補修したウッドデッキが綺麗に残っている様子を見ると、愛着を感じるというか、嬉しい気持ちになるものです。
現在活動中の神山塾 KATALOGコース塾生にも、地域に何か形になるものを残して行ってほしいということで、先日蔵本BASEで床貼りワークショップを行いました。

講師の指導のもと、塾生が床材を加工し貼っていく。
講師の指導のもと、塾生が床材を加工し貼っていく。

このワークショップには、普段からRELATIONがお世話になっている株式会社リノスタジオの郷田さんの協力のもと、丸元建築の丸元さん・沖さんに講師として参加いただきました。
2日で仕上げる予定だったのですが、初回は床材のトラブルなどがあり大苦戦…。
最終日は丸元さん・沖さんの講師陣、そしてKATALOGコース塾生の奮闘もあり、何とか目標を達成することができました。

 

よく見ると、床材にボンドで名前が書いてありますね。
よく見ると、床材にボンドで名前が書いてありますね。

最後の仕上げは、完成のイメージもできてきたのか、ボンドを使ってお茶目なことをする余裕も(笑)。
KATALOGコースのカリキュラムとして蔵本BASEの改修に携わるのはこれが最後になりますが、今後はぜひ自分の“想い”を実現させていく場としてこのスペースを活用してもらえると嬉しく思います。
メインスペースが少しづつ形になって来ました…完成までもうひと踏ん張り!
私の次回のBLOGでは、完成した蔵本BASEを紹介できればと思います。

 

地域”で”拠点を作るおもしろさ

今回の地域拠点作りで私がおもしろいと感じたこと。それは地域“で”拠点を作るということです。

それは一体どういう意味なのか??

単にリノべーション業者の方と打ち合わせをして完成品ができてしまうのではなく、「自分たちで愛着の持てる場を作りたい、でも予算がない。 DIYしたくても、作り方も材料の発注の仕方もわからない。どうしよう…」と試行錯誤し、時に悩みながらも、地域の方々を含めた“人との関係性”の中で徐々に歯車が回っていく。
といった感覚です。うまく伝えられませんが(笑)。

ここでは少し時間を遡り、床貼りワークショップ以前の木材の発注・加工の様子を振り返ってみます。

神山町のとある製材所。どことなく懐かしさを感じます。
神山町のとある製材所。どことなく懐かしさを感じます。

 

製材所のご主人。笑顔がとっても素敵な方です。
製材所のご主人。笑顔がとっても素敵な方です。

床材を予算内で発注したいものの、何を基準にしていいか分からず、いつもお世話になっている山姥の管理人である中山さん夫妻にアドバイスを貰い、ある製材所を紹介してもらいました。

「床材がほしいんです。厚さが○センチ、幅が○センチ、長さが○メートルのものを、○平米分。それと“見切り板”というものを…。見積もりはどれぐらいですか?」と電話で話したところ、電話口の私の声がよほど不安そうに聞こえたのか、
「なに、心配せんでいい! 幅がちょうどいいのがあるから、○センチでもいけるか? また見積もりは電話する!」「費用は○○じゃな! 心配せんでいいって言ったじゃろ?!」
この時の私は、どちらかというと費用もさることながら、自分にスペース改修の知識なく、自身の中で完成のイメージが曖昧であることに、とても不安を感じていました。
でも、ご主人の何気ない一言や、電話口から伝わる言葉の“温度”にとても救われた気がしたのを覚えています。

中山さんにお借りした軽トラックに木材を積み込む。
中山さんにお借りした軽トラックに木材を積み込む。

用意していただいた木材を軽トラックに積み込み、続いて木材を床材にするための加工の工程にうつります。
こちらも中山さん夫妻に紹介していただいた木工職人の伊勢さんを訪ねて、神山町の下分地区へ。

下分地区の細い通りを入ったところに伊勢さんのお宅があり、早速ご挨拶を。
まさに“地域に根付いた職人”といった感じで、言葉少ない伊勢さん。
そんな伊勢さんの雰囲気に恐縮しつつも、早速研磨作業開始です!

 

自動カンナ盤で木材の表面を削り取る。
自動カンナ盤で木材の表面を削り取る。

木材を受け取ったときは、正直「これ、本当に床に敷いて様になるのか?!」と思ったのですが、自動カンナ盤に木材を通すと、あらまあ綺麗に(笑)!
伊勢さんもお忙しいと聞いていたので、スタッフの小松君とせっせと機械に木材を通していきます。
単に木材を通すだけのように見えますが、木材の厚みも均一でないため、材が機械の中で引っかかったりすると、結構力が必要です。

木材(右)から、床材(左)に。
木材(右)から、床材(左)に。

スペースに敷く木材すべてを、片面研磨するだけで約3時間。
加工場の中とはいえ真夏の作業だったので、2人はもう汗だく…。
なかなか時間のかかる作業でしたが、初めての体験ということで楽しく行えました。

 

笑顔の伊勢さん。スイカをご馳走になり、お庭でおしゃべり。
笑顔の伊勢さん。スイカをご馳走になり、お庭でおしゃべり。

「代金は機械の電気代だけでいい」とおっしゃってくれた伊勢さん。スイカと飲み物までご馳走になってしまいました。その後、伊勢さん宅のお庭で談笑を。
「スキーランド(※)の均とは同級生じゃわ。昔はよくあいつと飲んだ。あいつは今でも相当飲んどるな(笑)」
と、笑顔で話してくれる伊勢さん。伺った当初とは異なる雰囲気で私たちと接してくれました。
※ 神山スキーランドホテル
神山塾生が初めの1ヶ月間を過ごす場所。均さんは我々にとってお父さん的な存在。

KATALOG編集長の杉は「地域の方々に迷惑をかけることが、地域に溶け込むコツ」とよく言っていますが、受け身の姿勢ではなく、積極的に行動し、助けてほしい時は素直に助けを請う。
そうすることで地域の方々との関係性は、少しずつ拓けてくるような気がします。
自分達で拠点を作っていく方法を選ばなければ、このような地域の方々との出会いや新たな発見はなかっただろうと。
これも地域で拠点を作るおもしろさだと私は感じています。

最後に、後日木材を受け取りに伺った際、前回のお礼にと持って行ったビールを「ありがとな!」と受け取り、そのビールを持って笑顔で仲間との集まりに出かけていった伊勢さん。

「あ。伊勢さん、前回のお代!」

渡し忘れてしまった…またお宅に伺います(笑)。

(後編に続く)

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