働き方と暮らし方を考える旅。-タイで感じた居心地の良さ- | KATALOG
働き方と暮らし方を考える旅。-タイで感じた居心地の良さ-

働き方と暮らし方を考える旅。-タイで感じた居心地の良さ-

西川 萌子
西川 萌子

2016.06.13

はじめまして!
KATALOG WEBリレー更新1週目のアンカーの西川萌子です。

わたしは去年の11月から今年の3月まで、神山塾7期生としてリレイションの一員となり、
4月以降はアシスタントマネージャーとして仕事をしています。

生まれてからほとんどの時間を東京で過ごしていたわたし。
でもそんな環境で行き詰まりを感じて、「それ以外の土地で暮らしてみよう、合わなかったらその時はその時だ」と、あまり後先考えずに徳島へやってきました。

普段は出不精なのに、ときどき、そんなふうに「思い立ったが吉日」と行動することがあります。
今回の記事でお届けしたいのは、そんなふうに「ノリ」で訪れることになったタイの旅行記です。

はじまりは東京で

事の起こりは、4月の中旬ごろに、東京に帰省したとき。
わたしは、代々木にあるウェブ制作会社「モノサス」さんのオフィスを訪問していました。

モノサスさんは神山塾7期と同時期に、同じ神山で、通称「ものさす塾」というウェブコーダー養成の職業訓練を開催されていました。
その訓練生の方々と一緒に神山で合宿やフィールドワークをしたり、KATALOG WEBの制作をモノサスさんが手がけてくださったりとリレイションとモノサスさんは、何かとご縁のある間柄。

神山塾とモノサス塾合同で、神山に古くからある劇場「寄井座」を見学。
神山塾とモノサス塾合同で、神山に古くからある劇場「寄井座」を見学。

代々木のオフィスを見学させていただいたあと、モノサス塾の訓練生であり、塾期間中は弊社の宿泊施設「山姥」で生活していた齊藤あかねさんが、ゴールデンウィークにタイに行くという話を耳にしました。
モノサスさんはタイにもオフィスがあり、旅行がてらオフィス見学をするというのです。

わたしのタイのイメージといえば、トムヤンクンなどのタイ料理と、タイのチェンマイのゲストハウスを舞台にした「プール」という日本映画で見た、のんびりした光景。
好きな食べ物は? と聞かれたら「パクチー」と答えるくらいエスニックな味わいの食べ物が好きだし、映画で見た光景にも憧れていました。
それに、神山で縁のあったモノサスさんのタイのオフィスにも興味あり。
そこで、「わたしも行ってみたいなー」と口にしたとき、この旅が始まったのです。

そして降り立ったタイの地

タイはわたしにとって初めて訪れる東南アジアの国でしたが、予想していたのとは違う空気感でした。
わたしが今回訪れたのは、首都バンコクの中心部とバンコクから車で2時間ほどのところにあるビーチリゾートのパタヤ(日本でいうと熱海にたとえられたりするらしい)だけでしたが、なんというか、思っていたより都会。
折しも、徳島で半年過ごしたあと東京に帰省したタイミングで、「田舎と都会」の違いについて考えていたところだったので、バンコクを「都会」と感じたのは興味深い感覚でした。

バンコクの高層ホテルの屋上にあるルーフトップバーから見た夜景。ランドマークになるような大きな建物はあまりないが、街は夜遅くまで賑わっている。
バンコクの高層ホテルの屋上にあるルーフトップバーから見た夜景。ランドマークになるような大きな建物はあまりないが、街は夜遅くまで賑わっている。

バンコクの街中は、人通りも多く、大きなショッピングセンターがいくつもあり、いたるところにセブンイレブンやファミリーマートなどの日系コンビニエンスストアも並んでいます。
BTSという高架鉄道やMRTという地下鉄といった交通インフラで街中を便利に移動することができ、それらはホームドアや冷房完備で、安全・快適な印象。
日本との時差も2時間。
バンコクの中心部の範囲で暮らすならば、東京で生活するのとあまり暮らし心地に差がなさそう。

それでいて、屋台の飲食店の活気や香辛料の匂い、タクシーの運転手の「あ、目的地道路の反対側だったけど、歩道橋で向こう側行けるから!」という適当さ、など、大らかというか、柔らかいというか、人間味のあるところもあって、居心地がいい。

わたしはこれまで旅行でニューヨーク、ロサンゼルス、パリ、ロンドン、シドニー、香港などなど、世界の「都会」を訪れたことがありますが、そのいずれの場所でも、「いいところだな」「面白い場所だな」と思うことはあっても、「住みたい」と思うことはありませんでした。
でも、タイで考えたのは「ここに住んだらどんな感じなんだろう」。
「毎月いくらぐらいで生活できるのかな?」「住むとしたら、今の仕事をタイでできるかな?」と妄想が広がっていきました。

自分が楽しむこと

そのように思ったのは、バンコクが都会であるというだけでなく、今回タイをアテンドしてくださった、モノサスタイの取締役である宮川さん、そしてスタッフの町山さんお二人のおかげでもあります。
ちょうどタイでも連休だったこともあり、パタヤで一緒に海水浴をしたり、バンコクの夜の街を案内していただいたり、そしてタイのオフィスを見せてくださったり、と旅行中ずっとお世話になりました。

みんなでバンコクのカラオケバーへ。日本の最新曲も入っている。
みんなでバンコクのカラオケバーへ。日本の最新曲も入っている。

実際に日本から来て、バンコクで暮らしを営んでいるひとと遊びながらいろいろ話したことで、この国に住んで働くということが、身近でリアルなことに感じられました。

後日、「たくさんお世話になりました」とお礼を言ったところ、お二人とも「自分たちが一番楽しんでたかも」と言ってくださったのですが、そんなふうに案内してくださったからこそ、わたしもタイを好きになれたんだと思います。
わたしも神山では、来てくださった人をアテンドする機会がありますが、自分が楽しんで案内することが、その土地を好きになってもらう一番のポイントなのかもしれません。

嬉しい再会

カオニャオ・マムアン(マンゴースティッキーライス)という、甘く炊いたもち米をマンゴーと一緒に食べるタイのデザートと伊藤先生。
カオニャオ・マムアン(マンゴースティッキーライス)という、甘く炊いたもち米をマンゴーと一緒に食べるタイのデザートと伊藤先生。

また、この旅ではそんなお二人との新しい出会いだけではなく、嬉しい再会も。
ものさす塾の講師として一時期神山に滞在していた伊藤さんが、今はタイのオフィスで仕事をされており、一緒に食事をすることができたのです。
神山で出会った、東京の会社の人と、タイで一緒にその土地のお料理をいただく、という場所を超えたつながりを体験し、なんとも不思議な気持ちになりました。

初めて来たのに懐かしい

モノサスの齊藤さんとわたし。
モノサスの齊藤さんとわたし。

そんなモノサス タイの皆さんが働くオフィスは、ガラス張りのモダンな建物でありながら、あちこちに木があり、緑の多い環境のなかにありました。

モノサスタイが入居しているNaiipa Art Complex。
モノサスタイが入居しているNaiipa Art Complex。

Naiipa Art Complexというその建物は、オーナーさんが子どものときから生えているという木を残してあるところが神山の宿泊施設・WEEK神山に似ていたり(WEEKは大家さんが生まれた年に植えられたメタセコイアの木がシンボルツリーになっています)、ロゴマークが漢字の「木」をモチーフにしたものだったり、と親しみを覚える要素がありどこか懐かしいような、初めて来た気がしないような気分に。

モノサスタイ取締役の宮川さんと。
モノサスタイ取締役の宮川さんと。

居抜き物件ではなく、内装が施されていない状態で借り、現地のデザイナーさんや施工業者とやりとりをしながら作っていったというこのオフィス。
言葉も文化も全然違うなかで、思い通りの空間を作っていく苦労話を伺いました。
テラスはまだこれから作るところ(柵すらない状態!)とのことで、今後の展開も楽しみです。
弊社も徳島市内に新しいオフィスを借り、現在準備中。
「最初にしっかりイメージを共有することが大事だと思う」とアドバイスをいただきました。
いつかモノサスタイの方々に徳島に訪れていただくことができたら、そのときはわたし達のオフィスを見ていただけるように、新しいオフィスづくりに取り組んでいきたいと思います。

働き方と暮らし方を考える旅

初めて行く土地なのに、懐かしく感じられるような出会いがたくさんあったり、東京でも、徳島でも、タイでも、場所を越えて、繋がっていく縁があるんだ、と感じられたり。
軽い気持ちで訪れたタイでしたが、暮らし方や働き方、自分は何があれば居心地がいいと感じて生きていけるんだろう? と考える旅になりました。

神山塾生として徳島に来て暮らしたときもそうでしたが、自分のホームを離れて、訪れた土地の人と「語り、くつろぐ」という行為には、暮らしや仕事について前向きに考えさせてくれる効果があるように思います。
これからも、折にふれてそんな機会を作っていきたいです。
そのときには、またこのサイトで「記録」しますので、今後もぜひお楽しみに。

この記事を書いた人

西川 萌子

西川 萌子

東京常駐スタッフ。2018年にキャリアコンサルタント資格を取得し、神山塾生のキャリアコンサルティングも担当。最近、サーカスの曲芸を練習する機会があり、皿回しができるようになりました。次はジャグリングボールにチャレンジしようと目論んでいます。

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