こんにちは。青木です。
12月に入り、すっかり年の瀬ですね。
私の周りではじわじわと風邪が流行中です。
皆さまもどうぞご自愛ください。
今回のブログは、11月最後の週末に神山町で行われた一大イベント「4K徳島映画祭」を
さらに盛り上げるためにと開催された、一夜限りのジャズコンサート
「The Sunnyside Jazz Orchestra イン神山」を取り上げたいと思います。
「ジャズってどうも敷居が高い。生演奏を聴くことは尚更」
そう思っていた私ですが、この日の演奏を聴いてその印象がだいぶ変わりました。
寒さが身にしみる季節ですが、この日私が感じた温かい会場の様子が少しでも伝われば幸いです。
徳島のビッグバンド
今年で結成38年となるThe Sunnyside Jazz Orchestra(ザ・サニーサイド・ジャズオーケストラ)は徳島を代表するジャズバンド。
「歴史を重んじるお硬い雰囲気の方々なのかなぁ」と勝手に想像を膨らませてしまっていましたが、メンバーは20代の大学生から60代の方々と年齢層も幅広く、
普段はまったく異なる職種に就きながらも週1回のバンド練習を欠かさず、
楽しませるためだけではなく、自分たち自身が楽しんでいるというのが
生き生きとした演奏から伝わってきました。
当日、私は会場内のドリンクブースのお手伝いをさせていただいており、
ドリンクの受け渡しの際バンドの方々と接する機会がありました。
休憩の合間に喜々としてビールを受け取りに来る方々の満面の笑みを見るたびに、
「あれ?」「あれ?」と徐々に印象が変わっていきました。
地域とつながる関係性
そもそも私がこのコンサートの開催を知ったきっかけは、
「佐藤さんが主催のジャズコンサートのチケットを頑張って売っているらしい」
という話を耳にしたからでした。
佐藤さんというのは神山町の佐藤英雄さん。
私たちリレイションのスタッフも日頃から大変お世話になっており、
最近では神山塾のアドプト・プログラム活動でご指導いただきました。
NPO法人グリーンバレーの理事という肩書きで名前が通っていますが、
地域の方々にとっては、もう一つの肩書きのほうが馴染み深いかもしれません。
「佐藤金物店のひでおさん」
「4K徳島映画祭」のイベントのメイン会場にもなっていた寄井商店街で、金物屋さんを営んでいます。
そして、バンドマスターの林郁夫さんの本業が、これまた140年余り続く金物店の店主なのだそうです。
今回のコンサートはそんなお二人の関係性があり実現に至ったのでした。
また林さんの奥さん、林恵子さんもバンドメンバーであり、
以前、神山町内の中学校の教員をしていたことが紹介されると会場が大きく沸きました。
「当時、恵子さんに男の影があると言われていましたが……それ私のことです(笑)」
そんな林さんの言葉で笑い声と共に、会場はますます和やかな雰囲気に。
そして林さん以外にも神山町に縁のあるバンドメンバーがいたり、
演奏曲のなかには神山町の山々と鮎喰川(あくいがわ)の情景を思わせる「青い山脈」
という曲があったりと、地元の方々にとってはバンドメンバーを通してジャズを身近に感じられ、その地域ならではの演目に、心をほぐされるようなひと時だったのではないでしょうか。
温かみのある音と場所
会場が徐々に和やかな雰囲気になるなか、ひとり緊張した面持ちの方がドリンクブースにおられました。
ニコライさんです。
以前の記事、「神山の人の魅力を探る-未来の神山塾生に向けたメッセージ-」
にも登場していますが、NPO法人グリーンバレーの元事務局長であり、
とってもお茶目な方です。
「ニコライさん」というニックネームに加え、金髪のカツラを被ったことでより誤解を生みそうですが、純日本人です(笑)。
この後、生演奏をバックにThe Beatlesの「Yesterday」を歌唱する大役が控えており、
熱燗で緊張をほぐしていました。
私も熱燗を一緒にお付き合いしたかったところですが、車の運転があるため断念。
そんな熱燗の代わりに私の体を温めてくれたものが、
ドリンクブースの横からなんとも魅力的な香りを放っていた「おでん」。
神山町でカカシ作りをしている団体「阿川28歩の会」の皆さんがおでんを出店していました。
ジャズとおでんのコラボレーション。一見ミスマッチのように思えますが、
これが非常に良く合うので不思議です。
きっとサニーサイドの生み出す音が心地良い優しい音色で、
会場全体がそれを受け入れるアットホームな温かみのある雰囲気に満ちていたからだろうと思います。
ジャズは敷居が高いとそう思いつつも、何気なく入ったお店でジャズが流れていると居心地の良さを感じていたなぁ、ちゃんとその居心地の良さを私は知っていたのだなぁ、と後になって気づきました。
今回、そんな心地の良さを思い出し、先入観を取り払ってもらえた”私のジャズ入門”としてまさにぴったりのコンサートでした。
余談ですが、歌唱を終えたニコライさん。
緊張から解き放たれ、会場のスペースを上手く使い踊りに興じていました。
ジャズドラマーの太田純一郎さんが「ジャズと阿波おどりはノリが一緒」
とおっしゃっていましたが、その片鱗が少し垣間見えた気がします。
そんな太田さんの言葉が記載されているのが、弊社発行のフリーマガジン「AWA JAZZ」。
「The Sunnyside Jazz Orchestra」の記事も最終ページに載っています。
昨年、徳島県とくしま文化振興課より依頼を受け、徳島のジャズを伝えるフリーマガジンとして制作いたしました。
今回このブログを書くにあたり、予習を兼ねて再読しましたが、
上記の太田さんの言葉しかり、ジャズに携わる方々の味わい深い言葉が散りばめられています。
こちらも興味がありましたら、是非ご一読ください!
(ご希望の方は、コンタクトページのメールフォームよりご一報ください)
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この記事を書いた人
青木 詔子
神奈川県横浜市出身。神山塾5期、リレイション本社を経て、2019年春からは北海道浦幌町と故郷・横浜の二拠点生活に。社員の中では一番古株、一番口下手。でも人と話すのは好きで、お酒を与えるとご機嫌におしゃべりします。旅先のスリランカでセイロンティーに魅せられ、現在紅茶の修行中。
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