こんまい「もの」「こと」を大切に | KATALOG
こんまい「もの」「こと」を大切に

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ゲスト
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2017.11.08

こんにちは。
神山塾KATALOGコース2期の遠藤真森です。

その存在を知ったときから、ずっと行きたいと思っていたお店がありました。
「こんまい屋」です。

こんまい屋は、苔庭・お箸・藍染小物の販売や、
苔庭作りワークショップ、藍の生葉たたき染ワークショップなどを行っているお店です。
神山町と美馬市の元地域おこし協力隊員である小田さんと渡辺さんによって、
2017年5月4日にオープンされました。

“こんまい”とは阿波弁で“小さい”という意味。

作っている苔庭も小さいし、お店も小さい。
経営者の二人ともが小さいもの好きということで、この名前になったそうです。

お店の場所は徳島県神山町の上分地区。
徳島市内から向かうと神山町の中でも奥の方に位置するところで、
他の地区と比べてお店の数が少ない地域です。

そんな場所に一体どんなお店があるのか気になったのと、
また個人的に苔が好きというのもあり、
KATALOGコースの佐治木・宮前・村川とともに、
9月下旬にこんまい屋を訪れました。

 

 

苔と藍のワークショップ

こんまい屋店内の「苔モアイ」。
こんまい屋店内の「苔モアイ」。

体験させていただいたのは、
苔庭作りと藍の生葉たたき染の2つのワークショップ。
まず4人が2人ずつに分かれて、
それぞれ別々のワークショップが始まりました。

僕が先にやったのは藍の生葉たたき染のワークショップ。

実はこの時こんまい屋を訪れたのは2回目で、
初めて行った時は時間がなくワークショップをすることができなかったのですが、
たたき染のTシャツが飾られているのを見て一目惚れし、
次に来た時は絶対にやろうと思っていました。

使うものは店の隣に生えている藍の葉、新聞紙、かなづち、ラップ、
下に敷くマット、葉の固定用テープくらいでしょうか。

持参したTシャツ等の布製品の染めたい部分に藍の葉を乗せて固定し、
上にラップを敷いてかなづちで叩くだけで綺麗に葉の模様がつきます。

たたき染で使用する道具。
たたき染で使用する道具。
藍の生葉たたき染ワークショップ中の佐治木(手前)と村川(奥)の様子。
藍の生葉たたき染ワークショップ中の佐治木(手前)と村川(奥)の様子。

体験する前はもう少し複雑な工程で染色するものと思っていたのですが、
作業自体は子供でもできるような簡単なものでした。

ただし、どこに葉の模様をつけるか決めるのは難しく、悩みます。

僕の持ち込んだTシャツにはカレーか何かのシミが数ヶ所に付いており、
上から葉の模様をつけることで隠しながら染める場所を選んだので余計に……(笑)。

染め上げたTシャツは店の前に干して乾かし、
次は苔作りワークショップです。

まず、苔庭の器となる陶器を選びます。
形も色も大きさも様々。
好みの器を選んだら、その器に土台となる数種類の土を入れていきます。
土台のお後は苔につけるもみじです。
根っこにケト土という水持ちが良く豊富な栄養分を含む土を付け、
土台を掘ってもみじを植えます。

色とりどり、様々な苔庭の器。
色とりどり、様々な苔庭の器。

そしていよいよ苔の登場です!

序盤に苔好きと書きました。
どんなところが好きかというと、色や触り心地も好きですが、
時の流れを感じさせるところも良いなあと思います。
苔は体内で抗菌作用をもつ物質を生成しており、
カビが生えにくいという特徴もあります。

器に合う良い大きさの苔を選び、
もみじが苔から生えているように見えるように、苔に手で切れ込みを入れ、
もみじを囲むように土台に乗せていきます。

最後は3種類の砂の中から1つを選んで敷きつめ、
自由に庭石を置いて完成です。

4人こだわりの藍染と苔庭が出来上がりました。

選べる「苔」、「庭石」、「砂」。
選べる「苔」、「庭石」、「砂」。

 

完成した4人の苔庭。
完成した4人の苔庭。

たたき染したTシャツを乾かし、作った苔庭の包装をしてもらっている間に、
隣のCafe Brompton Depoというお店でお昼ご飯をいただきました。

ピザがとてもおいしく、こちらのお店もとても素敵です。

Cafe Brompton Depoの外観。
Cafe Brompton Depoの外観。
おいしいピザ。食べかけですみません。
おいしいピザ。食べかけですみません。

隣同士のこんまい屋とCafe Brompton Depoでワークショップも飲食も楽しめますし、
周りには豊かな自然があるので、訪れれば充実した一日を送ることができます。

楽しいワークショップで自分好みの苔庭とTシャツを作り、
おいしいご飯を食べ、大満足の一日でした。

苔庭も手に持っております。トップ写真にもありますが。左から村川、佐治木、遠藤、宮前。
苔庭も手に持っております。トップ写真にもありますが。左から村川、佐治木、遠藤、宮前。

 

 

こんまいものを観察すること

こんまい屋で販売されているフウセンカズラの種子。
こんまい屋で販売されているフウセンカズラの種子。

さて、持ち帰った藍染Tシャツをさっそく着てみたのですが、
洗濯には気をつけなければいけません。
やはり洗剤は使わない方がよいようで、
洗うときは手洗いが基本ということです。

恥ずかしながら、あまり衣服のケアに気を使ってこなかったもので、
これまで洗濯機に突っ込んで洗剤を入れてする洗濯しかしたことがありませんでしたが、
初めて手洗いをしてみて、
衣服を大事にしようという意識が強くなりました。
長く使うためには洗濯の仕方にも気を使わなければいけません。

持ち帰った苔庭はというと、もちろんお世話が必要です。
一日1~2回水やりをし、たまに日光に当てるのが苔の生育に良いそうです。
水やりを忘れて苔が乾燥してしまっても、
また水をやればだいたい復活するそうなので、
それほど厳密に管理する必要はありません。

苔庭のお世話をしていて思ったのは、
普段からこんまいもの(小さいもの・細かいもの)を観察することは大事だということ。

神山塾KATALOGコースでは、地域ブランドの発信だけでなく、
地域イベントの企画・運営もしています。

イベントの企画・運営には多くの仕事・役割があります。
そんな中で自分の仕事をするとき、
全体のことが分かっていないと不安や恐怖を覚え、
そのあまり全体を見ようとしすぎることがあります。

全体のことを把握すること。

それ自体は良いことだと思いますが、
俯瞰して物事を捉えようとしてばかりいると、
細部が見えなくなってしまいます。
細かいことの積み重ねで全体ができているということを忘れてしまいます。

そんなとき、苔庭をお世話・観察することは、
“こんまい”物事を意識することの重要さを思い出すきっかけになります。
苔庭に限らず、普段歩いているときの足元の植物や生き物、風景に溶け込んでいる面白いものなど、
こんまいものの観察を忘れなければ、
きっと多くのものが見えるようになるのではないでしょうか。

持ち帰った苔庭。新しい植物が生えてきた。
持ち帰った苔庭。新しい植物が生えてきた。

最近、苔庭の苔から何か新しい植物が生えてきました。
苔に種子が埋まっていたのでしょう。

こんまいものを大切にする気持ちを思い出すために。

こんまいものをもっと好きになるために。

こんまい屋、おすすめです。

 

こんまい屋 Facebookページ
https://www.facebook.com/conmaiya/
定休日:火・水曜日(イベント出店時は臨時休業の可能性有)
※藍の生葉たたき染ワークショップの期間はだいたい6月下旬から9月下旬です。

イベント出店予定:
11月12日(日)あいずみスマイリーマルシェ出店(店舗休)
https://www.facebook.com/SmileyMarcheAizumi/

11月25日(土)4K映画祭出店(店舗オープン)

11月26日(日)ブルグリブルグリ出店(店舗休)
https://www.facebook.com/BlugreBlugre/

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神山塾生や、地域のキーパーソン、中学校の生徒さんetc…それぞれの地域や故郷への思いを「KATALOG」に綴ってくれています。

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