KATALOG WEBをご覧の皆さま、残暑お見舞い申し上げます。
若干夏バテ気味の青木です。
お盆も過ぎ去り、その余韻を引きずる一方で、まだまだ厳しい暑さが続いていますが、いかがお過ごしでしょうか?
今回は、このアツイ季節には避暑地として最高のオアシスになる、私の大好きな場所のひとつをご紹介したいと思います。
それは、徳島県神山町にある神山スキーランドホテル(通称:スキーランド)です。
以前、前田が投稿した『神山の人の魅力を探る−未来の神山塾生に向けたメッセージ−』でも少し登場しましたが、神山塾生が訓練生活の最初の一ヶ月間、合宿を行う場所でもあるスキーランド。
私自身も経験した合宿生活を回想しながら、この場所の魅力をお届けいたします。
夏はオアシス、冬はサバイバル
夏のスキーランドは避暑地として、とても快適に過ごすことが出来ます。
高地にあるためか、神山町の中心地より体感温度はマイナス4〜5度(※青木調べ)。
眼前にはエメラルドグリーンの川、奥には知る人ぞ知る滝もあり、川遊び・BBQ・釣りなどが楽しめます。
一方で、冬は極寒の地。雪がちらつく中、山を下ると「あれ? 降ってない…」というスキーランド付近だけ天候が異なるというような現象も(笑)。
薪ストーブを囲んで身を寄せ合う神山塾生の姿は冬のスキーランドの風物詩となりつつあります。
神山塾生の通過儀礼
私が初めて神山町を訪れたのは2013年6月の初夏の季節でした。
当時、神山塾5期生として入塾を控えていた私が、神山町入りして最初に足を運んだ場所がスキーランドです。
神山町で初めて訪れるのがスキーランドというのは、神山塾生にとって珍しいことではありません。
入塾式の1・2日前に大きな荷物を抱えて、徳島駅からこの場所へ案内される塾生がほとんどですが、道中の険しい山道を入った辺りで「本当にこの道の先にホテルがあるのだろうか…?」と一抹の不安を覚える人も。
かくいう私も到着が夜になってしまったこともあり、街灯のない山道をひたすら進むにつれ「一体私は何処へ連れて行かれるのだろう…?」と不安を覚えた一人です(笑)。
年齢も出身も経歴もバラバラな男女が、“はじめまして”からいきなり共同生活を始めるので、それぞれ戸惑いや不安等は当然あります。私の場合はというと、元々共同生活・団体行動が大の苦手。
では、なぜ神山塾に参加したのだと総ツッコミを受けそうですが、その時はあえて苦手なことに挑戦してみようと思っていた時期でした。
そんな謎のチャレンジ精神を持って臨んだ共同生活でしたが、人間は慣れる生き物であり、生活のリズムが定まれば、ある程度受け入れられるものだと身を以て証明できました。
寝食を共にすること、笑顔を共有すること、ちょっとした揉めごと(笑)、そのどれもが、その後の数ヶ月の塾生との関係性において無くてはならないものであり、後になって振り返ってみると、最初の1ヶ月間をスキーランドで過ごせたのは本当に大きかったと思えます。
それぞれ感じることは千差万別でも、それは多分経験した塾生みんなの共通認識のような気がします。
心に寄り添ってくれる存在
そう思えるのは、スキーランドを営む、地中ご夫婦の存在があってこそです。
それに尽きると思います。
陽気でお酒が大好きなお父さんとは、一緒に晩酌をした夜は数知れず(笑)。
酒の肴は主に“THE山の男”であるお父さんの数々の伝説的なエピソードです。
例えば、両手の指の間に挟めるだけマムシを捕獲した話、軽トラと並走していたイノシシをげんこつで仕留めようとした話など、想像を絶する話に度肝を抜かれながらも、その場を爆笑の渦にしてしまいます。
また、小さな相談事から大きな相談事まで「だんない!!」(大丈夫・問題ないの意)と大らかな心で受け止めてくれる姿勢には深い安心感を与えてもらい、その逞しさにメロメロになってしまうのです。
そして、いつも穏やかに優しく迎えてくれるお母さん。「あの子神経質やもんな」、「体調悪いみたいやけど、大丈夫やろうか?」と一人一人の性質や状態を見抜き、そっと寄り添ってくれる細やかな心遣いに救われている塾生は、沢山いるのではないでしょうか。
以前、お母さんから聞いた言葉で印象的な言葉があります。
「最初、都会から来る若者たちを受け入れるとなった時は、自分たちとは全く違う人たちが来ると思っとって。でも接してみたら一緒やな、何も自分たちと変わらんな、同じ人間やな、って」
この言葉を聞いた時、私も神山に来た当初は似たようなことを考えていたかもしれない、とふと思い出しました。
地元住民の方は自分の親世代やそれより上の年齢層の方がほとんどで、果たして受け入れてもらえるのだろうか、いざ接してみるまでは大きな隔たりがあるのではないかと感じていました。
でも実際は、年齢も立場も関係なく、広い心で受け入れてくれる寛容さに触れ、同じだなと認識することが一つ一つ増えていき、シンプルに互いを認め合うという関係性を築いていくことが出来ているように思います。
おかえりなさいが待っている
スキーランドを訪れる度に感じることの一つが、塾生OBとの遭遇率が高いということ。
その場で居合わせることもあれば、「さっきまで○○くん or ○○ちゃんがおったんよ」とニアミスすることも。
近況報告であったり、家族が増えれば連れてきたり、県外在住者でも1年に一度は必ず顔を出すという人もいるそうです。
塾生にとっては実家に顔を見せるような、「ただいま」と言える場所になっているのだと思います。
自分の成長・変化を見せたいと思える人が居てくれることはすごく幸せで有り難いことだと、お父さんとお母さんには教えてもらっている気がします。
9月からは、神山塾8期がスタート。
また新たな神山塾生が、ここスキーランドで1ヶ月間お世話になる予定です。
何を感じるかはそれぞれの胸の内に、でもきっと共感できる思いがあると思うので、私も精一杯サポートしたいと思います。
(ここからはお父さんへの業務連絡)
サポート役という大義名分のもと、またお酒持って行きますので乾杯しましょうね、お父さん(笑)。
この記事を書いた人
青木 詔子
神奈川県横浜市出身。神山塾5期、リレイション本社を経て、2019年春からは北海道浦幌町と故郷・横浜の二拠点生活に。社員の中では一番古株、一番口下手。でも人と話すのは好きで、お酒を与えるとご機嫌におしゃべりします。旅先のスリランカでセイロンティーに魅せられ、現在紅茶の修行中。
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