BAMBOOコミュニティサロン VOL.7
先日、埼玉、神奈川、徳島、新潟、長野、山梨など師走のお忙しい中、全国からBAMBOO仲間とたくさんのオブザーバーがBAMBOOコミュニティサロンに集まってくださいました。
今回は、千葉県を拠点に「本能に感動を」を呼び起こす独創的な街づくりを展開する、拓匠開発の工藤社長にプレゼンテーションをしていただきました。
2代目社長として、倒産の危機から売上83億円規模へと成長させた工藤社長。
「平屋の分譲住宅」で首都圏ナンバーワンに上り詰め、千葉市に「ネバーランド」を創ろうとする、その圧倒的な実践の軌跡をお話いただきました。
「チームの力」で勝つために
工藤社長の話で一番意外だったのは、「自分は一人では何もできない」と何度も口にされたことです。工藤社長のお父様は、図面も書けて、営業もできて、現場も管理できる、まさに「何でもこなすスーパーマン」のような経営者でした。若い頃の工藤社長は、そんなお父様を見て「自分はあんな風にはなれない」と痛感したそうです。

そこで工藤社長が磨いたのは、「自分より優れた人を集め、チームを作り、夢を語る」ということでした。拓匠開発の組織図は一風変わっています。ピラミッド型ではなく、中心にリーダーがいて、周囲をメンバーが取り囲む「波紋」のような形をしています。
「組織は常に水のように柔軟であるべき。プロジェクトごとに最適な人間を割り当て、誰と誰を組み合わせれば化学反応が起きるかを磁石のように動かしながら考える。それが私の仕事」
29歳の若手女性社員をホテルの立ち上げ役員に抜擢し、年上のベテランたちをマネジメントさせる。こうした人事が当たり前に行われる背景には、「個人の能力を超えたチームの力」への絶対的な信頼があります。
ブルーオーシャンと「エリア戦略」の極意
不動産業界というレッドオーシャンの中で、16期連続増収を続けているのは、徹底した差別化戦略があるからです。
日本の住宅街に美しい景観がないことに疑問を持った工藤社長は、10年以上前から「平屋の分譲地」に特化しました。2階建てを建てれば利益が出る土地をあえて半分にし、庭や外構を造り込む。「競合がいないから、価格競争に巻き込まれない。自分たちで値付けができる。これが高い利益率を生む」
さらに、家単体ではなく「街」として販売することで、購入者には「素敵な街とコミュニティ」という付加価値を提供しています。
また、売上の8割を千葉市内に集中させています。これにより広告効率は最大化され、街中に「拓匠開発」のブランドが浸透します。千葉市に住んでいれば、誰もが『本能に感動を』というフレーズを目にする。このドミナント戦略が、安心感とステータスを生むのです。
売って終わらないデベロッパーの姿
工藤社長が描く未来図は、単なる住宅分譲に留まりません。それは、千葉市という街をワクワクする場所へと変貌させる「ネバーランド構想」です。
「売った時がスタート。10年経っても木が美しく、街がどんどん素敵になっていく。そんな価値が落ちない街をつくりたい」
そのために、家を買ってくれた人だけが使える特別なラウンジをつくったり、街の掃除を会社がずっと続けたり、地域の人たちが集まるカフェ「椿森KOMUNA」を運営したりしています。 さらに、地域で使える独自のポイント(仮想通貨)をつくって、ホテルやパン屋さんで回遊できる仕組みまで考えています。
「千葉市って、なんか面白いことが起きているよね」。そう言われるために、工藤社長はまるで子供のような好奇心で、街に仕掛けをつくり続けています。
先に義あり、後に利あり
工藤社長の経営には、一つの強いルールがあります。それは「先に義(正しいこと・人のためになること)をやりなさい。利益はあとからついてくる」という教えです。
「本能に感動を」という企業理念も、理屈ではなく、人の心が動くものをつくりたいという思いから生まれました。 それを証明するエピソードがあります。千葉モノレールに「本能に感動を」という広告のほか企業理念をブランド戦略として千葉市の公園や体育館など様々な場所で目にします。工藤社長が大学で講演をされた時、会社の名前は知らなくても、「本能に感動を」を知っている大学生が4割近くもいたそうです。
「儲けることばかり考えていたら、人は感動しない。まずは街のため、人のために面白いことをやる。それが結果として、会社を支えてくれることになるんだ」 この考え方は、工藤社長が17年間、毎朝10分間の朝礼で社員に伝え続けてきたメッセージでもあります。
とことん力
最後に、工藤社長が一番大切にしている「とことん力」の教えをご紹介します。
「井戸を掘るなら、水が出るまで掘れ」と工藤社長は言います。 「1日掘って出ない、3日掘って出ない。そこで諦める人がほとんどです。でも、あと10センチ掘れば、水が噴き出したかもしれない。その10センチを掘り続けるのが、成功する唯一の方法なんだ」
たとえ失敗しても、それを「負け」と決めるのは自分です。やり続ければ、それは「失敗」ではなく「経験」に変わります。
工藤社長のプレゼンは、次のようなメッセージで締めくくられました。 「自分一人の力なんて、たかが知れている。だから、自分よりすごい奴とチームを組もう。みんなで同じ方向を向いて泳げば、スイミーたちのような小さな魚の群れだってクジラに勝てる。何があってもめげずに、とことん行こうぜ!」

この記事を書いた人
澤田千尋
横浜スタッフ。神山塾9期を経てRELATIONの歌う広報担当。地域のよさや出会った人たちの魅力を発信しながら、これからの時代を生きるためのヒントをお届けします。シンガーソングライターとしても活動中。RELATIONと共に全国ツアーするのが夢!
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