― BAMBOOすだち交流会 in 神山 ―
秋晴れの空が広がる9月20日、神山の畑で「BAMBOOすだち交流会」が行われました。
枝いっぱいに実る青々としたすだちは、陽の光を浴びてきらめき、手にとるとずっしりとした重みと爽やかな香りが広がります。はさみを入れるたびに、自然の恵みと向き合っていることを実感させられました。
この日、畑に集まったのは、富士スレート株式会社の社員さん、株式会社リレイションのスタッフ、そして地元のお醤油屋さんや電気屋さん、主婦の方々、地域に暮らす人たち。
職業も世代も異なる人たちが同じ畑に立ち、同じ木からすだちを摘む―それだけで、肩書きや立場を越えた自然な交流が生まれていました。
すだちと徳島の暮らし

すだちは徳島県を代表する特産物。全国生産量の9割以上を占め、料理や飲み物に欠かせない存在として親しまれてきました。徳島では「すだちがあると食卓が引き締まる」と言われるほど、日常の食文化に深く根づいています。
神山町でも古くからすだちが栽培され、山あいの傾斜地に広がる畑は、この地域の風景そのものを形づくってきました。冷涼な気候と豊かな自然に育まれたすだちは、香りが強く、果汁が多いことで知られています。近年は生産者の高齢化や後継者不足といった課題も抱えていますが、それでも季節がめぐるごとに実をつけ、人々の暮らしを彩り続けています。
収穫の手と交流の輪

収穫を終えたあとは、炭火を囲んでのBBQ。
焼きあがったお肉に収穫したばかりのすだちを搾れば、香りと酸味が料理全体を引き締めてくれます。また ”半田そうめん” のつゆにもすだちを搾り、美味しくいただきました。普段の食材がまるで別物のように引き立ちます。
自分たちの手で摘み取った果実を分かち合う時間は、世代も職業も違う人たちを自然につなげていきました。
普段はそれぞれの現場で働き、暮らしている人たちが、同じ食卓を囲み、神山の恵みを味わうひととき。そこには、都市と地方、企業と地域といった枠を超えて「人が出会い、関わり合うことの豊かさ」がありました。
文化を受け継ぎ、未来へ

今回の交流を通じて感じたのは、すだちが単なる食材ではなく、地域の風土や人の営みをつなぎ合わせる“結節点”となっていること。すだちは料理を引き立てる名脇役であると同時に、地域の暮らしや文化を映し出す鏡でもあります。手にとり、味わい、分かち合うプロセスそのものが、地域の文化を受け継ぎ、未来へと手渡す大切な時間となりました。
地域資源を “知識” として理解するのではなく、“体感” として心に刻むことがとても大切だと感じました。
収穫を通じた一日は、地域の資源を五感で学び直す大切な時間でした。
ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。
BAMBOOすだち交流会は毎年開催予定です。次回もお待ちしております。
この記事を書いた人
中岡 直子
徳島生まれ徳島育ち。神山塾16期を経てRELATIONスタッフに。 銀行勤務が長く、前職は製薬会社でMR。 3人の母でそろそろ子育てから解放予定!!今までは誰かのために生きてきたけれど、これからは自分を大切に、大好きな人達と居心地のいい場所で、毎日ご機嫌に過ごしていきたいと思う今日この頃…。アシスタントとして代表を支えられるように日々頑張っています。
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