自分の当たり前は誰かの特別-浦幌町滞在レポート- | KATALOG
自分の当たり前は誰かの特別-浦幌町滞在レポート-

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馬渕直子
馬渕直子

2023.08.17

みなさん、こんにちは!リレイション徳島スタッフ馬渕です!

今回は7月6日〜8月3日まで滞在させていただいた北海道浦幌町の滞在レポートです。

約1ヶ月間の滞在中の出来事は盛りだくさんだったので、テーマごとに何回かに分けて書いていきたいと思います。
今回はショート記事で全体の感想レポートをお届けします。

2回目の北海道

私にとって、北海道は母と旅行して以来、2回目でした。

旅行でも同じシーズンに訪れましたが、今回の浦幌は、とにかく暑い!

滞在二日目に産直市場でお会いした地元の方に「これが普通じゃないかんね~、昔は『蝦夷梅雨』ってあってね、もっと涼しかったんだよ。今はホント暑くてね」と言われるほど。
徳島とまったく同じような気候の浦幌生活のスタートでした。

※蝦夷梅雨とは?……6月中頃から7月にかけて北海道の太平洋側やオホーツク海岸で、低い気温と小雨や霧雨を降らせる。北海道には梅雨はないとされるが本州の梅雨時期とかぶるため、蝦夷梅雨と呼ばれる。

北海道十勝郡浦幌町は人口約4200人の町。
リレイションのフィールドである神山町は約4300人、どちらも小さな町です。
十勝地方と言われる市町村は全部で19市町村あるのですが、住所に「十勝」と入っているのは実は浦幌町だけなんです。

地元食材を地元の皆さんとリレイションの北海道拠点TOKOMURO Cafeで調理!

徳島に帰ってきてから、いろんな方に「浦幌はどうだった?」と聞かれて「美味しかったです!」と答えたいくらいホントに食べ物が美味しい町でした。
浦幌町の食料自給率は2900%(日本全体の食料自給率は37%)。
一次産業に従事している人の割合が高く、農業、林業、漁業、酪農、畜産など海や山の恵みを受けながらの暮らしが続いている町です。

地元の方に案内していただいて、ばんえい競馬の仔馬に触らせていただくことができました。

神山も浦幌も魅力は、やっぱり「ひと」でした

いつも私は神山の魅力は「ひと」だと感じていますが、今回浦幌に滞在してみて感じたのは、浦幌も神山と同じく魅力の一つは『ひと』。

日々の生活の中で、厳しい自然と向き合い身につけられた、おおらかさ、しなやかさ。

そして入植時代からの流れか、外から入ってきたひとに対しての包容力など、人としての温かさや豪快さ、茶目っけもある浦幌の方々は本当に魅力的な方々ばかりでした。

昆布干しを体験させていただいた漁師さんのお家でご飯をご馳走になりました。豪快で優しい皆さん。

関係性という言葉を社名にしているリレイションにおいて、地域の方々との関わりを持たせていただくことが大切であると感じているのと同時に、私自身が大好きなことでもあるので、今回の滞在期間中も色々な体験をさせていただきました。

体験の中で、浦幌ではこの時期、小麦が稲穂のように揺れているのが当たり前で、小麦収穫の時期は夜通し刈る作業をしていることを教えていただきました。

実際夜に電気をつけて大きな刈り機が夜の小麦畑の中を走っている様子は、まるで真っ暗の空の中、宇宙船が飛んでるように見えて幻想的でした。

刈り取った小麦はロールにして酪農家さんのもとへ。牛のベットになります。
1個のロールはこんなに大きい!!

まずは違いを知り、『知っている』幅をふやす

浦幌の方々の当たり前のことや風景は外から来た者にとってはどれも特別だということをお伝えすると、皆さん「そうかね?生まれた時からこの風景だし疑問に思ったり綺麗とも思わんからね」というお返事。

それは置き換えてみれば私の地元の京都京丹後の風景や習慣、徳島、神山の習慣や景色も、当たり前のようで、何一つ当たり前ではないということなのかもしれません。

風景や暮らし、習慣や文化など、違う文化を知ることで違いを知り、そこに価値があることを知るのかもしれません。

そのためにはいろんなものに触れて「違いを知っておく」という一つ一つの経験が必要なんだと感じました。

昆布刈石展望台からみた雄大な北海道でしかみられない景色。

自分ごとに置き換えてみても、自分が当たり前にしていることでも、人からすればすごいことだったりすることがあります。自分では価値を見いだせなくても、関わる人たちに認められたり、応援してもらえることで才能になったりするのだと思います。

相手に自分のことを伝えたうえで、関わりをもっていく中で違いが見えてきて、それが個性と捉えられたり、強みになっていくのだと思います。

農業体験で浦幌のキーパーソンでもある農家の元木さんの畑を見せていただきました。

私自身浦幌に行く前、正直、仕事のことやいろいろな新しい経験など、少し詰め込み過ぎの状態になっていました。

少し頑張り過ぎていたこと、できていないところもあるけど、ちゃんとできてるところもあるから、それでいいんじゃない?と、浦幌のいろんな体験の中で土に触れている時や、浦幌の方々とお話している時、地元食材を調理している時などに考えが整理されて、思えるようになっていきました。

神山塾に参加していたとき、塾の講義で聞いたことが、神山の変わらない暮らしを体験している時、頭ではなく行動体験しているなかで考えが整理されたりまとまっていったのと同じことがおこっていました。

変わらない暮らしの中で変わらないものが変わっていく感覚をLearning Journeyや神山塾、リレイションの活動を通じて今後も伝えていけたらと再確認できた浦幌滞在となりました。

関わってくださった浦幌町の方々ありがとうございました。

この記事を書いた人

馬渕直子

馬渕直子

京都府のはしっこ、海の京都と言われる京丹後市出身。神山に来るまでは京都市内で栄養士・調理師・管理栄養士として「食」に関わる仕事に携わってきた。神山塾14期に参加するため、2022年8月に徳島に。料理を作ることも、もちろん好きだけど、何より食べることが大好き!旅が好きで行った先の、知らなかった食材を買ってきて調理したり、地元の方に教えてもらいながら郷土食を作ったり、その土地に根ざした「食」「ローカル」「田舎」「暮らし」が自分の中のキーワード。今までは栄養士として食のサポートをしてきたが、これからは「食べること=生きること」と捉え、自分が神山で変化できた「ワクワク生きるため」のサポートをしたいという想いでリレイションへ。

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