北海道十勝にあるまち「浦幌」ではたらくこと | KATALOG
北海道十勝にあるまち「浦幌」ではたらくこと

北海道十勝にあるまち「浦幌」ではたらくこと

齋藤 千夏
齋藤 千夏

2022.04.07

リレイション徳島スタッフ齋藤です。

突然ですが、十勝と聞くと何をイメージしますか?
私は漠然と広いイメージ……。

十勝とは北海道の南東部に位置する広域行政区の総称。
そしてそのなかでも、地名(住所表記)に「十勝」とつく唯一の町が「浦幌町」(十勝郡浦幌町)です。

そんな十勝郡浦幌町にリレイションが運営委託を受けている
廃校をリノベーションした施設「TOKOMURO Lab」があります。

リレイションのメンバーである青木詔子さんは、
2019年の春からこのラボ担当として浦幌町へ移り住み、
浦幌町の地域おこし協力隊として活動しています。

地域おこし協力隊の任務は3年間。
2022年3月いっぱいで任務完了というタイミングで、
詔子さんが「浦幌ではたらく」ことについてお届けしたいと思います。

TOKOMURO Lab担当として浦幌へ

右:青木詔子さん

詔子さんは横浜出身。
沖縄や山梨、都内で様々な仕事を経験したのち、
リレイションが運営する神山塾(5期:2013年6月-12月)へ参加。
その後リレイション本社(徳島)のスタッフとして、主に総務などを担当していました。

総務だけしてたんですか?と詔子さんへ質問。

詔子さん
「うーん、いろんなことしてたなあ。神山町の江田集落で田植えをしたり、畑作業をしたり(笑)。海陽町のお店に取材に行ったこともあったね。当時どんな仕事してるの?って聞かれると、総務以外にもいろんなことをやる総務ですって答えてた(笑)」

一方、リレイションは浦幌町にて、
2016年から滞在型研修「Learning Journey (ラーニングジャーニー)」や
廃校をリノベーションした複合施設「TOKOMURO Lab」の企画運営を行い、
濃く関わらせていただいていました。
そんな浦幌町とリレイションとの繋がりのなかで、
詔子さんは2019年春から浦幌町の地域おこし協力隊「TOMOMURO Lab担当」として着任しました。

北海道ではたらくってハードルが高かったのでは?

冬のTOMOMURO Lab。

『北海道ではたらく』というだけでハードルが高いように思うのですが……。
どうしてその決断をしたのかと聞くと、

詔子さん
「同じ場所でずっといるのが無理で(笑)。
徳島には6年いたので、違う場所にも行ってみたいっていう思いはあったかな。」

2016年のLearning Journeyに詔子さんも参加していたこともあり、
浦幌へは訪れたことがあったそう。
その前後で神山に浦幌の方が来てくださるなど関わりもあったので、
まったく知らない場所ではなく、
顔見知りの人もいるという環境だったのだとか。

TOKOMURO Labでの日々のこと

「ラボ弁!うらほろを食べよう 地産地消プロジェクト」打ち合わせの様子。

詔子さんは主にTOKOMURO Labの管理運営担当として、イベントの企画や施設の利用記録、書類のやりとりなどを行っています。

イベント企画? 具体的にどんなことをしているの?と思われた方。

私が初めて浦幌へ行った際には、
「ラボ弁!うらほろを食べよう 地産地消プロジェクト」
という企画の打ち合わせを行っており、
浦幌町出身の若き料理人の卵、
近江実結ちゃんとのコラボ企画が進められていました。

まだつながっていない誰かと何かがつながってほしい

ラボ弁7回目の写真。イラストは地域おこし協力隊の鹿戸さんが担当。

“まだつながっていない誰かと誰か、
何かと何か、誰かと何かがつながってほしい”
そんな思いが詰まったこの「ラボ弁!うらほろを食べよう 地産地消プロジェクト」。

移り住んできた人が、
地域の食材を使ったお弁当作りやカフェメニューの開発をするということは、
他の地域でもよく行われているなという印象。
ですが、このプロジェクトの紹介文は、
メンバーの勢いや驚きがとても表れていて、素敵な文章だなと……。
ぜひ皆さんにも目を通していただき、温度感を感じとっていただきたいです。
(以下プロジェクトの紹介文)

「いま、私たちにできること。

それを模索する中で、『ラボ弁!うらほろを食べよう 地産地消プロジェクト』 は生まれました。

道外からやってきた私たちは、北海道の、十勝の、そして浦幌の食材のポテンシャルの高さに驚かされました。

なんなんだ、この美味しさは! 甘みは!! 雑味のない味わいは!!! もうビックリマークが止まりません。

さらなる驚きは、その食材を生み出す生産者の方々と実際に会ってお話をして、食材に対しての愛情・仕事への情熱・届ける人へのひたむきな想いを知ったことです。

そうか。この美味しさはこの人たちの 『愛情・情熱・想い』 からできているのか、と改めて気づくことになりました。

地元の方の中には 「そんなことは当たり前に知っていることだよ」という方がきっとたくさんいると思います。

同時に、身近すぎてピンときていない方がいるのもまた事実なのでは? という思いもありました。

もし、そうだとすればもったいない! と思ってしまいます。

こんなに素晴らしい食材に恵まれていて、
それを送り出すこんなに素晴らしい方々がいるのにと。

美味しいものを届けたいという思いは確かにありますが、
ただお弁当を届けたかったわけではありません。

私たちの役割は 『つなげること』 だと思っています。
このプロジェクトを通して、
まだつながっていない“誰かと誰か、何かと何か、誰かと何かがつながってほしい”それが私たちの願いです。」

スリランカ・横浜・徳島・浦幌すべてがつながる
これからの仕事

そして、ここ最近、詔子さんは本格的に新しいプロジェクトを動かしています。
それは紅茶屋「Melocot ó n(メロコトン)」。

地域おこし協力隊の3年目は、卒業後に行うことを業務内に行っていいそう。
そこで詔子さんは紅茶に取り組んでいます。

お店の場所は元校長室。棚は当時のままだそうです。

TOKOMURO Labは元小学校。
もともと校長室だった小さな部屋で、
曜日限定で紅茶のテイスティングも行える紅茶屋さん
「Melocot ó n(メロコトン)」を始めました。

紅茶に触れたきっかけは?

入り口の看板は神山塾出身で、浦幌町地域おこし協力隊の鴻野さんが作成。

詔子さん「もともとお茶全般に興味があったんだけど、
2013年、スリランカに行った時に、
茶園に行ったら全然味が違う……って感動したんだよね。
そこで紅茶にはまりかけてた。
その後、横浜で学生時代通っていた学校の最寄駅に紅茶専門店があるのを
たまたま遊びに行った時に見つけて。
そこのお店の人がスリランカの工場などに通っていて、
お店の一部で紅茶の講座をしていることを知った。
何か極めたいなって漠然とあったなかで、
当時は徳島に住んでたんだけど、
徳島はコーヒー文化であんまり紅茶がないし、
いいかも…と思って講座に応募した。
徳島から横浜のお店に月1で通うことになって、
その後は北海道に移住したから、
北海道から月1で通うことになったんだよね。
講座ではテイスティングやペアリングを学んだり、
産地ごとの特徴を勉強したり。」

「最後に今後自分が紅茶でできることを発表するんだけど、
私の研究テーマは”ハマナスティーをつくりました”という内容。
Melocot ó nでも今後ハマナスティーの販売に向けて準備しているところ。」

※「ハマナス」とは浦幌町の花に指定されている日本原種のバラ

ハマナスティーのパッケージデザイン案を見せていただいたのですが、
とても可愛く、商品化されるのがとても楽しみです。

リレイションのメンバーとして浦幌ではたらく

ラボ弁の準備中の一枚(左:詔子さん)

詔子さんは神山塾から数えると、
リレイションと関わりはじめて、あと少しで10年目だそう。

地域おこし協力隊の任務が終わったあとも、
リレイションの社員として、引き続き浦幌町で暮らし、
TOKOMURO Labの運営に携わりながら、
自分のプロジェクトも進めていきます。

「同じ場所でずっといるのが無理(笑)」
と最初に話されていましたが、
頻度は高くないものの、
リレイションのメンバーとして徳島・横浜など、
他拠点で活動することも増えそうです。

詔子さんに浦幌町を案内してもらったり、
さまざまな方を紹介していただく中で感じたのは、
「温かさを持ち、ゆっくりと丁寧に関係性をつくっていける方」だということ。
これは詔子さんが書いた紙版KATALOGの取材記事を読んでいた時にも感じたことです。

KATALOG WEB の前身である、紙版のKATALOG 第一号にて徳島県海陽町の喫茶店を詔子さんが取材。

詔子さんは春から再びリレイションのメンバーとして復帰。
浦幌町の情報発信も増えてくるかと思います。
リレイションが企画する「Learning Journey」なども浦幌町にて企画していく予定ですので、お楽しみに。

そして詔子さん、浦幌町での地域おこし協力隊3年間の任務お疲れ様でした。
あらためて、リレイションのメンバーとして、今後ともよろしくお願いします!

この記事を書いた人

齋藤 千夏

齋藤 千夏

徳島生まれ徳島育ち。社会人2年目の2020年リレイション入社。 アウトドア・音楽・イベント好きなアクティブ派で、食べることをずっと考えています。エスニック料理、特にスパイスチャイが好き。サーフィンを始めたので趣味と言えるくらい上手くなりたい!大切なひとたちや応援したい人たちの力になれる、そんな仕事ができるよう頑張っています。

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