徳島スタッフ齋藤です。皆さんの地域ではもう田植えは始まっていますか?
自宅近くにある田んぼに水が張られているのですが、水面がキラキラとしているのを見るととても豊かな気持ちになります。
そしてどろんこに飛び込みたい気持ちにも(笑)。
さて、今回は神山町にある江田集落の田植えに向けた、雨乞いのための登山に参加した様子をお届けします。私が今年力を入れたい活動でもあるのでぜひご覧ください。
神山町江田集落で活動する「エタノホ」
神山塾の卒塾生マサさんとアッキーさんの2人が中心となり、活動している団体「エタノホ」。
美しい棚田の風景を誇る集落で、お米づくりを中心とした“農ある暮らし”を実践しています。
エタノホの皆さんには、塾生が田植えを体験させていただいたり、私の企画するLearning Journeyやプライベートでも友人を連れて除草作業を一緒にさせていただくなど、とてもお世話になっています。
そんなエタノホがフィールドとする江田集落では、毎年5月3日、お米づくりを行う方々で、雨乞いを行うために、雲早山(くもそうやま)へ登山をしています。
集落の方たちが高齢で登山が難しくなったことから、若手4名が指揮をとっていて、その中のメンバーは先ほど紹介した2人。
雲早山の山頂には、江田集落の皆さんが建てた祠があり、そこを目指します。
雲早山へお祈りする理由
雲早山は降雨守護の神様。「神通の滝」の源流でもあります。
実は江田集落の源流は雲早山ではありません。源流じゃないのになぜ雨乞いをしに雲早山に行くのかというと、雲早山にぶつかる雲が江田集落に雨を降らせるからなんだとか。
アッキーさんによると、ずいぶん昔、雲早山や岳人の森がある大中尾(おおなかお)という地区は江田地区だったそう。そういったこともあり、昔は雲早山に雨乞いをするため、江田、隣町の木沢・勝浦の地域の方々が訪れていたのだとか。
その当時は、山頂に雲早山の大きなやしろがあったのですが、何らかの理由でそれぞれの地区に分社されることになり、木沢と勝浦はそれぞれの地区へ神様が移ったそうです。
ですが、江田だけはそのまま雲早山の山頂の祠に神様を祀っており、現在は江田集落だけが信仰を続けています。
分社されることになった際、雲早山の山頂に祠をつくろうということで、アッキーさんが師匠と呼ぶ江田集落に住む西森傳多(にしもりただかず 現在75歳)さんらが祠を作り、男性10人ほどで歩いて神輿を担ぐように山頂へ運んでいったんだとか。
5/3は毎年そんな祠の管理をすることも目的として登山を行います。
ということで出発!
岳人の森で情報収集。通行止め?
車に乗り合わせて、登山口を目指します。
実は今回、通行止めがあり、登山口まで車で進めないという情報が入っていたので、どこまで行けるのかわからないまま出発していました。岳人の森で、「道路状況どう?」と話を聞いたりしながら、とりあえず進んでみよう!ということで車を走らせることに。
登山口の2km前くらいでとても頑丈で大きなバリケードが。車やバイクが通れないようになっていました。
登山口まで40分くらいかかるな……と話しながら、
アッキーさんが「行ける? 大丈夫? 無理しないでね」とみんなに山頂を目指すか再確認して、全員で進むことに。
だいたい30分くらい歩き、登山口へ到着。いつもは車で進む道ですが、歩くのは新鮮だね〜と新緑を見ながらお話しながら歩いたのであっという間でした。
登山口でひと休憩して、アッキーさんから今回の目的などを聞きます。
今回集まったメンバーは、江田集落に関わる皆さん12名。
神山出身の神山塾15期生も一人参加してくれました。
登山する前に、登山口にある雲早山の鳥居の下にシキビや江田集落でとれたお米、お酒などをお奉りして、全員でお祈り。
登山スタートです。
小さな石がゴロゴロした斜面
雲早山は階段などが整備されている箇所がないのと、結構急斜面で、石が多いため、私にとっては険しい道のりです。
おやつをシェアしたり、おしゃべりするなど、たくさん休憩をとり、呼吸を整えます。去年の登山ではペースをあげすぎて帰りがとても大変だったので、私は最後尾で自分のペースを掴みながら歩きました。
と言いながらも、あとどれくらいですか?としつこく質問する私。
(すみません……来年こそはもう少し体力つけます……。)
山頂付近ではこんな景色も!
この日は雲も少ない青空で、とっても気持ちのいい日でした。
尾根を歩くのもとっても気持ちがいい。
写真ではなかなか伝わりませんが、心地よい風と絶景に辛かった道のりをすっかり忘れてしまうほど。
そしてついに山頂!
9:55分に登山口を出発したのですが、到着は11:14分頃。
たくさん休憩をとりながら進んだのですが、およそ1時間で到着。
少し休憩してから、祠の掃除とお賽銭の回収、空気の入れ替えなどをします。
こうしてお賽銭なども回収する人がいて保たれているんだなと、去年登山をした際に、私の中では新しい気づきでした。
去年は眺めていただけでしたが、今年は私も一緒にさせていただきました。
みなさん清々しい顔!
写真に写っているワンちゃんと男性はたまたま山頂でお会いした方。
お話していたら神山出身とのこと。みんなで話しているとすぐどこに住んでいたのかわかったりして、盛り上がりました(笑)
それぞれおやつを食べたり、おにぎりを食べて下山。
険しい上りと違い、スタスタと下山しました。
その後はみんなで仕出し屋さん「ふなと」でラーメンを食べて解散!
登山後のラーメンは沁みました……。
山から川へ、川から水路へ
登山後は数名が残り、続きの作業。
江田集落の田んぼは、川から水を引き、田んぼの用水を確保しています。
この雨乞いの祈願を終えて、水門を開けるようにしています。
石や木・土嚢などで蓋をしていた水門を開け、山頂でお祀りしたお酒を流し、お祈り。
川から来た水は、すべて水路に流すのではなく川へも流します。
川が干上がるのを防いだり、いろんな生き物が生きていられるようにということでした。
水門を開いた後は、水路のチェック。
ゴミが溜まって水路から水が溢れると、必要ない田んぼや道路に水が溢れてしまうので、入念にチェック。
2月に行った水路掃除の様子。台風などで流れてきた土砂を掻き出したり、草刈りをしました。
実は、今年の2月に水路清掃に参加させていただいていました。その時綺麗にしたところに勢いよく水が流れる様子を見てとても嬉しい気持ちに。
ただ水が流れるのを見るだけでなく、その時、一緒に活動した仲間の顔や場面が蘇って、とても暖かい気持ちになりました。
体験させてもらうのではなく、一緒に活動することを大切にしたい
私が一番初めにこのエタノホで活動させてもらったのは、リレイションに入社する前。まだ前職で働きながら、休日にリレイションでインターンさせてもらっていた時期でした。
あの時は何もわからず、ただ田植えを体験させてもらっていました。
準備してもらい体験するだけだった最初。
今では感じることも、もっと知りたいと思う気持ちも変化しています。
最近はどれだけ神山で活動できるかと下宿させてもらったり、リモートワークで神山に滞在したりと時間を増やせるように頑張ろうとしています。
家から通える田舎で仕事ができれば、くらいに思っていた私が、こんなふうになるとは自分でも思わなかったので、びっくり。
皆さんありがとうございました!
また2023年6月末、エタノホでの活動にお邪魔する時間を含めたラーニングジャーニーを企画しています。「体験」ではなく、一緒に活動することができればと思います。ぜひチェックしてくださいね。
詳細はこちら
Learning Journey in 徳島 「神山町」
日程:2023年6月23日(金)〜25日(日)(2泊3日)
http://katalog-shikoku.jp/learningjourney/6229.html
この記事を書いた人
齋藤 千夏
徳島生まれ徳島育ち。社会人2年目の2020年リレイション入社。 アウトドア・音楽・イベント好きなアクティブ派で、食べることをずっと考えています。エスニック料理、特にスパイスチャイが好き。サーフィンを始めたので趣味と言えるくらい上手くなりたい!大切なひとたちや応援したい人たちの力になれる、そんな仕事ができるよう頑張っています。
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