ご近所かたろぐvol.1「お好み焼きにする?ビールにする?それとも・・・」 | KATALOG
ご近所かたろぐvol.1「お好み焼きにする?ビールにする?それとも・・・」

ご近所かたろぐvol.1「お好み焼きにする?ビールにする?それとも・・・」

青木 詔子
青木 詔子

2016.06.30

皆さん、こんにちは。青木です。
最近は夜に徳島市内を車で走っていると、聞き覚えのあるお囃子が夜風に乗って聞こえてきて「あぁ、もうそんな季節か」と、すぐそこまで来ている夏を感じる日々です。
徳島中の熱量がぐんと上がる日本三大盆踊りの一つ“阿波おどり”の練習は、この時期に公園や広場で盛んに行われています。
私が徳島市に住み始めてから2年半、この風物詩を体感するのも今年で3度目です。

今回のBLOGでは『ご近所かたろぐ』と題して、
そんな徳島市にある、
リレイション事務所周辺に存在する、魅力的な“場所・人”をご紹介したいと思います。

 

私が魅了されてしまったワケ

向かったのは、車で5分ほどの場所にあるお好み焼き屋さん、『花んらん』。
店名はキャベツの別名、甘藍(かんらん)から付けられたそう。
1995年のオープン以来20年以上、お店を切り盛りしているのが女将さんである丸岡まゆみさんです。
がしかし、このお店で彼女をその名で呼ぶ人は誰もいません。
初めてお店を訪れた時から、「まいちゃんって呼んで」と親しみやすさ全開(まゆみちゃん→まゆちゃん→まゆいちゃん→まいちゃん)。
この記事でも敬愛の気持ちを込め、まいちゃんと呼ばせていただくことにします。

お好み焼きを焼くまいちゃん。
お好み焼きを焼くまいちゃん。

訪れたのは開店直後。他にお客さんもいなかったのでカウンター席に座り、お好み焼きを焼いてもらいながら、しばし歓談。
話題はお店の話、娘さんの話、神山町の話、海外の話、妹さんの話などなど。
すると、そこに一人の男性がやってきました。
お客さんかな? と思いきや、開口一番「ちょっと遊びに来たけん」と一言。
どうやら、お店の修繕を担当している業者の方らしく、そこからその方も交えた歓談タイム、というより掛け合いをするふたりとそれを楽しむ私という構図に。

男性「今度うちの若い子連れてくるけん。叱ったって」

まいちゃん「どんな店よ」

男性「いや、ホンマに」

まいちゃん「メンタルクリニック花んらんやけんな(笑)」

まいちゃんの元には、悩める若者とそんな彼らを心配する方々がよく訪れるのだそう。
迷っている人について「迷う人って、一生迷うとるわ」とバッサリ切り捨てたかと思いきや、「私あんま怒らんのよ。だからみんな言いたい放題言えるんちゃうかな」「でも怒ったら恐いんよ」とニヤリ。
華やかな雰囲気を持ちつつ、ユーモアがありお茶目で、でも思わず背筋が伸びてしまうようなビシっと言う時は言う。
そのメリハリのある姿勢こそが、このお店の華、まいちゃんの魅力ではないかと思います。

まいちゃんの魅力もさることながら、私がこの場所に惹かれたのにはもう一つ理由があります。
ヒントはこのお店に置かれた謎の調味料、『MIRIS(ミリス)』。
そこに書かれた文字とイラストにハッとする私。
「・・・スリランカ?!」
そう、このミリスのパッケージには“From Sri Lanka”という文字とスリランカの地形のイラストが描かれていたのです。

ミリスはスリランカの言葉でとうがらしという意味。辛味と旨味のバランスが絶妙。
ミリスはスリランカの言葉でとうがらしという意味。辛味と旨味のバランスが絶妙。

なぜ私がそんなにもスリランカに反応したのか?
スリランカは3年前に私が初めて一人旅をした国であり、人々・自然・動物・遺跡・紅茶・アーユルヴェーダ・・・と心惹かれるコンテンツが沢山で、私にとってすごく“ちょうど良い”と思える国でした。
またいつか必ず行きたいと密かに野望を抱いていたのですが、観光地としてはマイナーな国。徳島のたまたま訪れたお好み焼き屋さんにスリランカとの繋がりを見出すなんて! とテンションが上がってしまったのでした。

ミリス押しの店内ポスター。
ミリス押しの店内ポスター。

聞くところによると、スリランカでミリスの製造者と知り合ったまいちゃんが、日本でもミリスを広めたい! とオリジナルパッケージで取り扱うようになったそう。
“隠れない、隠し味”というキャッチコピーも彼女自身が考え、ポスターも自作。
「妄想族やけんな。好きなんよ、色んなこと考えるのが」と笑うまいちゃん。
彼女の妄想を聞いていると一見関連のないものが繋がっていく感覚があり、聞いているだけで何だかワクワクしてしまう自分がいます。

 

お好み焼き、ときどき、裏メニュー

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そんなユニークなお店ですが、20年以上続いているだけあって味にも説得力があります。
私の大好きな徳島のB級グルメ、豆天玉(※金時豆と天ぷら入りの徳島風お好み焼き)もあり、「色んなことを考えるのが好き」という思いが反映された豊富なメニューに目移りしてしまいます。
「メニューにないメニューが結構あるけんなぁ。今後は一品料理も出したいと思うんよ」
私の訪問時には煮物をぐつぐつ煮込んでいました。
また以前も「これちょっと食べてみて」と試作中の美味しい裏メニューが次々と出され、危うくお好み焼きを食べる前にお腹が満たされてしまうところでした(笑)。
花んらんのメニュー表は木製のサイコロに書かれている特徴的なものですが、まさしくサイコロの目のように多面的なアイデアを形にする彼女が考えだす一品料理は今からとても楽しみです。

木製のサイコロに書かれたメニュー。
木製のサイコロに書かれたメニュー。
これもメニューにはないスダチジュース。
これもメニューにはないスダチジュース。

この日、残業している社員にもお土産用にお好み焼きを持ち帰りました。
翌日、「昨日のお好み焼きすごく美味しかったです!」「僕も一口もらったのですが、めっちゃ美味しかったです」という言葉を立て続けにもらい、そうでしょう、そうでしょう! と何故か私が自慢げになってしまいました。

 

もう一つの隠れない、隠し味

同じく持ち帰り用を買い求めに訪れた常連の女性客とまいちゃんのやりとり。

女性客「ソース多めにな」

まいちゃん「はい。これでよろしい?」

女性客「あと、ひとつまみの愛と」

まいちゃん「ひとつまみの愛やな、はい」

両者「あはははは!」

その軽快なやりとりに思わずつられ笑い。
お近くにいらっしゃった際には、皆さんも是非花んらんに足を運んでみてください。
ミリスともう一つの隠れない隠し味、ひとつまみの愛、あります。

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花んらん
徳島県徳島市南島田町3-26-5
火~木曜日 17:00~20:30(L .O)
金土日祝日 11:00~14:00 17:00~20:30(L.O)
定休日:毎週月曜日と第三日曜日

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この記事を書いた人

青木 詔子

青木 詔子

神奈川県横浜市出身。神山塾5期、リレイション本社を経て、2019年春からは北海道浦幌町と故郷・横浜の二拠点生活に。社員の中では一番古株、一番口下手。でも人と話すのは好きで、お酒を与えるとご機嫌におしゃべりします。旅先のスリランカでセイロンティーに魅せられ、現在紅茶の修行中。

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