皆さん、こんにちは。
プランナーの前田です。
おかげさまで、私が担当した2018年度 徳島県地域創生人材育成事業・地域ブランド発信アドバイザー養成科(通称 神山塾 KATALOGコース2期)が、
今年の1月末に無事卒塾を迎えました。
神山町の皆様、関係各所の皆様、今期も大変お世話になりました!
昨年度はあまり定着していなかった「KATALOGコース」の名称も、
神山町の方々から塾の活動が進むにつれ、
「カタログ塾ね!」と声をかけていただくことが多くなり、
担当者としてはとても嬉しく思います。
今回は「神山塾 KATALOGコースとは何だったのか」と題し、
お決まりの活動報告ではなく、
KATALOGコースとして大切にしてきたことを、
活動を振り返りながら記しています。
「もらうのではなく、主体的に価値を提供する」という、
塾生と地域との関わり方
写真はKATALOGコースのカリキュラムの1つである「地域拠点企画実習」の様子です。
神山町阿川地区に、新しい拠点を作ろうと、
KATALOG WEBでも度々登場する「山姥」のオーナー・中山さん夫妻に教わりながら、
古民家改修のお手伝いをしました。
今まで触れたことのない道具の使い方に苦戦しながらも、
黙々と作業を進めるKATALOGコース塾生。
この作業、やはり若者の力なしでは、なかなか大変です。
KATALOGコースで大切にしてきたことの1つとして、
「体験よりもOJT」というのがあります。
私も神山塾生だった頃、
神山の方々からたくさんのことを教わりましたが、
塾生がこのような体験をする裏側では、
運営会社(RELATION)のスタッフや地域の方々の、
それは多くの時間と労力を必要とします。
「地域の取り組みを学ばせてもらっているのに、
逆に地域の方に負担ばかりかけているのではないか……」
塾生から塾の運営へと立場が移り、
私はそのことを軽んじていた自分にとてもショックを受けました。
それもあり、神山塾 KATALOGコースでは、
地域で学ばせてもらいながらも、
地域の方々の役に立つ活動を意識してきました。
「地域に出たら、お世話になるだけではなく、
そこに何かしらの価値をしっかり残していこう!」
これはKALATOGコースが活動する上での、大切なお約束。
「KATALOGコース」の名を地域の方々が覚えてくださったのは、
単に2期目だからではなく、
このような姿勢で取り組んできたということも少なからず影響しているのだと思います。
「KATALOGコースのみんな、本当に助かったわ。ありがとう!!」
そんな地域の方々の、言葉の温度や表情……。
塾生のみんなには、忘れないでいてほしいです。
雨だから“こそ”、やるのです!
それに関連したエピソードとして思い出されるのが、
昨年11月26日(日)に行った「4Kちんどん」です。
神山町寄居で行われた4K徳島国際映画祭を盛り上げるために、
塾の活動として行いました。
午前と午後に1回ずつ、
会場の中心部である寄居商店街付近を練り歩いたのですが、
あいにく2回目のラウンドは雨……。
会場から徐々にお客様がいなくなっていきます。
衣装や楽器が借り物というのもあり、
2回目のラウンドは練り歩く道を短くしようという声が出たのですが、
「雨だから“こそ”、練り歩く道を短くせず、
ブースの出店者やお客さんと会話をしながらゆっくり元気よく回ろう!」
はじめはこの提案に対し渋い表情をする塾生でしたが、
かっばを着て傘をさしながら、
元気を振り絞って商店街を練り歩きました。
この提案をした理由として、
私は地域マネジメントという仕事に携わる「姿勢」を塾生にぜひ知ってほしかった。
地域マネジメントは、その地域の情報を分析し、
地域の実情に沿った「提案書」を出すようなコンサルティング業務とは違います。
地域に足を踏み入れ、地域の人たちと共に歩む。
困難な状況であるからこそ、我々はその姿勢を示さなければなりません。
かく言う私も、決してコミュニケーション力が高いほうではありません。
どちらかというと、RELATIONスタッフの中でも、
地域に馴染むのに時間がかかるほうでしょう(苦笑)。
だ・か・ら、「姿勢」で表すしかないんです。
「雨が降ったからやらないんじゃなくて、
雨が降ったから120%でやる」
4Kちんどんが通り抜けた後、
イベント運営スタッフの方が深く一礼していたのを私は見逃しませんでした。
困難な状況だからこそ、我々が率先して盛り上げていく。
その姿勢は、地域マネジメントに限らず、
プロジェクトや組織をリードしていくために必要なことだと思います。
塾生のみんなは、このことに気づいていたかな?
「やりたいことより、できること。
できることを、増やすこと」
これは、私が前職で某リゾート企業の新入社員教育担当をしていた頃の標語(テーマ)です。
当時の人事は、ビジョン(志)だけ大きく、
現場で何もできない新入社員が多いことに悩んでおり、
このテーマは「まずはできることをしっかりやりましょう!」
という啓発の意味だったかと思います。
KATALOGコースでもこの言葉を標語としていますが、
言葉の解釈は少し異なります。
「やりたいことを考えてばかりいても、たぶん見つからない。
自分のできること(それを増やすこと)の中に、
自分の本当にやりたいこと(他者から必要とされること)のヒントがある」
なので、神山塾KATALOGコースは、
立ち止まって考える「ニュートラルゾーン」ではなく、
アウトプットを繰り返し学んでいく「ラーニングゾーン」の考え方を重視しています。
塾期間中は、チャレンジ・トライしたもの勝ちです(笑)。
そのことに関して思い出されるのが、写真の「KATALOG 日本酒 NIGHT!」です。
このイベント自体は、私の自主企画で、
KATALOGコースの授業ではありませんでしたが、
このイベントは、その後に「スモールプロジェクト(※)」を控える塾生に、
私から伝えたいメッセージが散りばめられています。
※ スモールプロジェクト:塾生がチームではなく、個人としてイベントなどを企画・実施する授業
・「これぐらいでいい」はダメ!(細部までしっかりストーリーを描くこと)
・ 段取りにおいて、人にお願いすることは大切!
・ 自分のアウトプット(表現)は、自分の色をしっかり出すこと!
・ 自分がこれと決めた得意分野では、負けないこと!
・ 企画・実施の過程において、できること(興味)を増やすこと!
などなど。
ちゃんと伝わったかな??
嬉しい副産物として、「イベント当日の音楽は、私に任せてください!」と、
音楽に詳しい塾生が手を挙げてくれ、
「イベントの演出として、私がタイトルを書きますね!」と、
書が得意な塾生も自発的に協力してくれるなど、
塾生のできることが合わさった結果、
とてもいい雰囲気のイベントになりました。
塾生が持ち込みで作ってくれた料理も、すごく美味しかった!
これにはちょっと感動しましたね(笑)。
KATALOGコースが終わり、1ヶ月
「活動の中で、そこに何かしらの価値をしっかり残していく」
KATALOGコースとして活動する上での、1つの指針。
写真は、地域広報誌作成実習の時間に作成した「ズームインくらもと」です。
KATALOGコース塾生が卒業した後、
じわじわとこのマップへの反響・問い合わせがあることが、
嬉しくもあり、寂しくもあり……(笑)。
今や寂れた街となりつつある、
KATALOGコースの拠点「蔵本BASE」のある徳島市蔵本町。
そこに今もある魅力にもう一度目を向けてほしいと、
7ヶ月間お世話になった恩返しも兼ねて、
塾生がいろいろな場所・お店に足を運んで作りました。
この「ズームインくらもと」の他にも、
KATALOGコースが地域に残していったものは少なくありません。
KATALOGコースとして7ヶ月間、
さまざまな活動を通して進んできたその歩みを、
ここで止めてしまってはいけない……。
神山塾KATALOGコース3期開催の目処はまだ立ってはいませんが、
彼らの活動を通して芽が出ようとしている価値を、
次へ繋げていかなければと強く思います。
「自分のモノサシを持ち、
自らが物事の本質を捉えるレンズとなって、
地域の情報を発信する」
これからも、それぞれがKATALOGコースの期間で得たことを活かし、
個々の分野で活躍することを願っています。
7ヶ月間、本当にお疲れ様でした!!
【神山塾第10期生募集中!】
2018年4月訓練開始の求職者支援訓練・神山塾第10期の参加者を募集中です!
詳細は以下のURLから。
▼神山塾第10期生募集要項−KATALOG WEB
http://katalog-shikoku.jp/2018/02/kyj10/
▼「自分を生きる」−日本仕事百貨
http://shigoto100.com/2018/02/kamiyamajyuku-5.html
この記事を書いた人
前田 優
地域マネジメント事業のプランニング・ディレクションを担当。2019年から熊本県南小国町で「地域人材マネジメント×温泉旅館」のプロジェクトにチャレンジ。民藝品や伝統工芸品が好きで、最近のマイブームは酒器。お刺身をアテにお気に入りの酒器で日本酒を呑むのが何よりも幸せ。
関連記事
-
2017.01.12
-
2017.06.28
-
2017.05.31
-
2017.08.02
-
2017.02.10
-
2017.10.25