KATALOG WEBをご覧のみなさま、こんにちは。
寒い日が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか。
徳島県の神山町では、2月は近年類を見ない寒波に襲われ、降雪が続きました。
さて、昨年9月4日にはじまりました神山塾第9期も、
1月31日をもって無事に修了することができました。
今回は、5か月間の活動内容のご報告と、
塾の運営を通して感じたこと、
そして、第10期の開催についてお伝えしたいと考えています。
第9期の活動内容まとめ
まずは、簡単に各月ごとの活動内容をご報告します。
神山塾では、自分たちが主体となってイベントの企画運営を行い、
地域の方と交流する機会を創り出すことと、
ゆず・すだちなどの収穫のお手伝いや多彩なゲストの方のお話を聞き、
地域の暮らしや多様な価値観を知ることが両輪となり、
塾生それぞれがこれからの暮らしを考えていきます。
9・10月
9月は、活動を共にするお互いのことを知る時間です。
9月と10月は、神山町を知り、神山町に入っていく月です。
見ず知らずの土地に住み始め、
見ず知らずのメンバーと活動を共にしていくことは、
それだけでも胆力が必要とされることだと思います。
神山町と神山塾生たちとの接点をつくることを心掛けながらも、
ストレスを抱えて無理をしている塾生がいないか気を配っていました。
9月22日(金)に開催した「秋のはじまりパーティ」では、
神山町内にお住いの方にご挨拶をする場をつくることをコンセプトとしました。
招待状を作成し、ひとりひとり丁寧にお声掛けをしたことや、
来場いただいた方に楽しんで気持ちよく帰っていただけるように、
塾生たちが頭をひねって工夫していたことが印象に残っています。
11月
11月は徳島4K国際映画祭にて、寄井商店街を盛り上げるための出店を行いました。
揚げパンを販売するグループ、
手づくりのポーチやブローチの販売や、
好みの柄を付けるワークショップを開催したグループ、
子ども向けに科学を学ぶことができる体験型の教室を開いたグループと、
個性豊かな出店になりました。
価値観や経験が異なるメンバーで企画を進めていく難しさを実感している様子でしたが、
それぞれの塾生が「やりたいこと」と「できること」のバランスを取りながら、
時間をかけて準備していきました。
12月
12月は、塾生個人がやりたいことを企画にするスモールプロジェクトに時間を使いました。
これまでは、グループでアイデアを出し合うことで企画をカタチにしていきましたが、
スモールプロジェクトは個人の力で企画を立てます。
神山町で知り合った方たちにじっくりと話を聞きに行って、
今後の自分の暮らしかたを考える企画や、
神山塾に参加する前の経験や、つながりを活かした企画があり、まさに十人十色でした。
立てた企画を実行するかしないかは、塾生個人に任せたのですが、
今期は実行する塾生が多かったです。
その中のひとつをご紹介します。
世界各国の名物料理をレトルト食品として販売している「世界のごちそう博物館」のオーナーを招いてのイベントです。
世界のごちそう博物館を運営するオーナーを神山町に招き、
多国籍なワンプレートをいただきながら、
その活動を紹介する企画でした。
世界の料理を通して、紛争や貧困などの問題に関心をもってもらいたいというオーナーの想いが、
参加者のみなさまに確かに伝わったと思います。
私も参加したのですが、会場の里山みらいの事務所を埋め尽くすほどの大盛況でした。
20年目を迎える神山アーティストインレジデンスなど、
国際交流事業が盛んな神山町ならではの光景だったと思います。
1月
最終月の1月は神山塾期間にお世話になった神山町の方たちへ、
感謝の気持ちをお伝えする謝恩会の企画・準備に充てました。
1月27日に開催した「冬のスダチパーティ」では、
お越しいただいた方たちとゆっくりとお話をする時間をつくるため、
お昼ごろから夜まで開催し、当日の運営は最小限に抑えました。
「秋のはじまりパーティー」と同様に、丁寧にお声掛けしたため、
50名を超すお客さまにお越しいただけました。
特に地元の方のご参加が多く、
5か月間丁寧に関係性を育んできた塾生のみんなの活動の成果かなと思っています。
接点と接点
私が今期を運営するにあたって設けたテーマは、
「自分らしさを大切にして、のびのびと個性を発揮できる場づくり」です。
神山塾に参加した目的や目標は塾生によってそれぞれ異なりますが、
「良い時間が過ごせたな」と思ってもらえたらいいな、
と考えながら日々の活動を組み立てていきました。
塾生たちが神山町のヒト・コト・モノを知る。
自分たちのやりたいことに挑戦する。
日々の活動で得られた経験から学ぶ。
自分が大切にしたいことに気づく。
そんなきっかけづくりや、思い切り行動できる居心地の良い場づくりが、
自分の役割だったかなと思っています。
神山塾の運営を進めていくなかで、あるひとつのことに気づきました。
11月に出店した4K映画祭にて、寄井商店街を歩いていたときのこと。
自分が塾生だった2年前と比べて、
神山町で活動するたくさんの方に自分から気軽に声をかけることができるようになっていました。
私のなかで新しいつながりが増えたことや、
これまでにあった関係性がより深まったのですが、
神山塾生たちが接点となっていたのです。
自分でも気づかないうちに、たくさんの学びや気づきの機会を塾生たちから与えられ、
この5か月間で大きく成長できたと感じています。
それぞれの時間、その選択はきっと正しい
神山塾に参加をするかどうか、
神山塾を修了した後の進路をどうしようか。
神山塾の時間に限らず、どんなことにも言えることだと思いますが、
何か選択するときに迷うことがあります。
どの選択肢が正しいかどうかは、選択する前には分かりません。
大事なことは、その選択が自分にとってどんな意味があったか、
この先の自分が決めることだと思います。
神山塾の時間をどう使うかの軸は、
それぞれの塾生が決めることができます。自然の中での暮らしを知ること、
新しい挑戦をして選択肢を増やすこと、
自分のゆずれないものを確かめることなど、無数にあります。
約半年間、前向きに立ち止まって自分自身のことを見つめなおし、
新しい一歩を踏み出す、
そのお手伝いをする場をこれからも作っていきたいと思います。
第10期生募集中です!
4月より、神山塾第10期を開講することが決まりました。
今期の活動は、4月中旬から、9月中旬までの5か月間です。
私自身が参加した第7期から、運営を担当した第9期までの活動時季は、
秋から冬にかけて。
春から秋に向かう神山塾ははじめてのことなので、
新しい塾生たちとどんな経験ができるか、今から楽しみです。
これまで、当たり前だと思っていた価値観や暮らしかたを変化させたい方、
神山で「これからの自分がどうありたいか」を考えながら、一緒に過ごしませんか。
特別なスキルは必要ありません。
必要なのは、未知のものをつかみ取ろうと、一歩踏み出す心持ちです。
募集の詳細は以下の記事をご覧ください。
神山塾第10期生募集要項−KATALOG WEB
最後になりましたが、今期も神山塾を運営するに当たって、
たくさんの方にお世話になりました。
塾生たちの暮らしを支えてくださる方、
ゲスト講義で新しい視点をくださる方、
日々の活動の舞台や場所をご支援くださる方、
みなさまのご協力なしでは運営できませんでした。
この場をお借りしまして、御礼申し上げたいと思います。
ありがとうございました。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。
この記事を書いた人
穴井 祐介
大分県出身の九州男児。古い価値観や既存の枠組みから脱却し、時代の先端で生きることを目指しています。神山塾を通して得た経験を他の地域で活かすべく、2019年から愛媛県西予市にてエリアマネジメントに挑戦。大分のカボスと徳島のすだちの板ばさみにあっていましたが、これからはみかん推しでいきます。
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