今回のKATALOG BLOGは、プランナー・前田が書いていきます。
取り上げるのは、当社の原点である神山町、そして『神山塾』ですが、
少し違った角度から紹介していこうと思います。
地域での暮らし方・働き方に興味のある方はもちろん、神山塾への参加を検討されている方、また我が子を塾生として送り出す親御様など、多くの人に神山町や神山塾の魅力が伝わればいいな…と妄想しながら、私の経験を交えて振り返っていきます。
IT企業関連のサテライトオフィス誘致、招聘アーティストによる芸術活動、消費者庁の移転、など。
今、世界から神山町が注目されていますが、私が神山町に感じた魅力はこれらとは少し異なります。
5月下旬に行った『日本仕事百貨』の取材アテンドを振り返りながら、私が思う神山町の魅力と神山塾への想いをこのBLOGで綴っていきます。
そして記事を見ていただいた方に少しでも伝われば嬉しいです。
取材を通して再認識した、神山の人の魅力
先月中旬に神山塾の募集記事を掲載いただくため、日本仕事百貨のライター・中川さんに取材にきていただきました。我々アテンド班は、神山塾に参加する塾生が辿るルートを説明しながら、各拠点を案内していきます。
その神山塾の取材アテンドを通して、改めて感じたことがありました。
それは、神山塾は多くの地域の方々との関係性に支えられていたのだということ。
そして、その人ごとに、それぞれの塾生に対する想いがあったことです。
ここでは取材中にお話を聞かせていただいた3名を取り上げ、紹介していきます。
まずはじめに訪れたのが、神山町農村環境改善センター(通称・改善センター)。
ここは神山塾生が座学やイベントの企画などを行う拠点となる場所です。
挨拶に伺うと、早速ニコライさんが出迎えてくれました。
ニコライさん(本名・河野さん)は私が神山塾生の頃、この改善センターを管轄するNPO法人グリーンバレーの事務局長をされており、現在は森づくりなどの神山プロジェクトを担当されています。
「おおー、前田君。最近忙しそうやな 。とうとうリレイションの手先になったか!(笑)」
このときも相変わらずのジョークで我々を和ませてくれます。
私が塾生だった神山塾7期では、神山町の情報発信 WEBサイト「イン神山」を使い、地域の方々へ神山塾の活動を発信していました。
「あー、君か、その行政書士と星野リゾートで働いとったとかいう子は」
私の自己紹介にも目を通していただき声をかけてもらったことは、神山塾も序盤で心細かった当時の私にとって、すごく救われた出来事でした。
また「これ、やりたいんです!」といった些細な取り組みも、快くサポートしていただきました。人とのコミュニケーションがそれほど上手くない私ですが、思い切って打ち明けてみることで、ニコライさんとの距離はグッと近くなったような気がします。
きっと次の神山塾生にとっても、チャレンジを後押ししてくれる心強い存在となってくれるはずです。
次に訪れたのが、神山スキーランドホテル。
神山塾生は最初の1ヶ月間、この神山スキーランドホテルにて合宿生活を行います。
全く知らないメンバーと、1ヶ月間共同生活となると、不安に思う塾生も少なくないはず…。
そんな我々を支えてくれたのが、地中さんご夫妻と、その長男の誠さんです。
地中さんご夫妻は、塾生からはお父さん・お母さんと呼ばれており、滞在中の塾生を暖かく見守ってくれます。
この日は「お母さん、神山塾の“取材”で行くからね!」と伝えてあったのですが、
「あかりちゃん、ペルーに行くんだってね。心配だけどあの子なら大丈夫だろ!」
「おー、この前石井君がきたぞ。結局東京に戻るって言ってたわー」
など、塾生の身内話ばかり(笑)。
「塾生の子はみんな覚えていますよ!卒業しても毎年きてくれる子もいる」(お母さん)
「しかし回が多くなってくると、もうそろそろわからなくなるかもなー(笑)」(お父さん)
「塾生が期間中に悩んでるとすぐにわかる。ちゃんと見てるからな」(誠さん)
こういった言葉からも、塾生に対する家族のような気持ちが伝わってきます。
最後にお会いしたのは、NPO法人グリーンバレー理事の岩丸潔さん。
取材時に自宅に伺ったときには留守にされていたのですが、棚田風景の撮影途中で偶然岩丸さんとばったり。少しお時間をいただいて、神山塾について話していただきました。
神山塾生は神山スキーランドホテルでの1ヶ月間の合宿後、男性はシェアハウス、女性は民泊をさせてもらうことが通例なのですが、その受け入れ先の1つが岩丸さん宅です。
「7期生のふたりの子は、卒業後もうちに布団敷いたままや。どこ行ったかわからん。(笑)」
神山塾生が卒業をし、次のステップに移る期間も「焦らんでいい」とあたたかくサポートしてくれています。
この記事を書いている日の夜は、岩丸家を巣立ち、新たなチャレンジをする7期生の大場あかりさんを皆で送り出そうと、地域の方々や神山塾生OB達が岩丸さん宅に集まりました。
「卒業後も何かあると、お父さんのように報告する。岩丸さんはそんな存在」
相談事や、悩み、新たな決意など、塾生が何かあるごとに、岩丸家はこのように宴会の場になります(笑)。
そんな塾生をいつも優しく見守ってくれる岩丸さんの存在は、塾生にとっての心の拠り所となっているのでしょう
未来の神山塾生へ伝えたいこと
私の『神山塾』期間を通しての“気づき”。これを最後にお伝えします。
この内容、実は誰にも話していないかもしれません。
神山塾に参加する塾生は、地域に対する思いや実現したい暮らし方や働き方のイメージ、地域で表現したいことなど、皆それぞれに持っています。
私の場合はどうだったかというと、漠然とは考えてはいました。
ただ、卒業というゴールテープを切った後に振り返ってみると、当初想像していたいたイメージとは少し異なります。
日本仕事百貨の記事でも取り上げていただきましたが、私は「再生」という言葉を何度も口にしています。
思い返してみると、過去の仕事では常に戦うことが求められてきました。
それはいつしか、仲間のため・組織のためではなく、自分だけのためになっていきました。次第に私の心の中で周囲との関係性の糸が切れていき、自分を見失ってしまいます。
それを「再生」させてくれたのが、ここで紹介できなかった方々も含めた、地域の人々との関係性です。
時にあたたかく見守ってくれたり、こちらの熱意を受け止めてくれたり、そして、たまに怒られたりすることも(笑)。
「何でこの人は、私とこんなに真剣に向き合ってくれるんだろう?」
「何でこの人は、私のことをここまで知ろうとしてくれるんだろう?」
そんな地域の方々との関係性の中で、次第に私は揺さぶられ、今までの私が本気で相手と向き合っていなかったことを自覚します。
この点が神山塾卒業前後の、私の大きな違いです。
私の場合、地域マネジメントに関するスキルも神山塾で学びましたが、一番印象に残っているのは、地域の方々との関係性の中から塾の期間を通じて得た気づきです。
それを表した言葉が「やり方ではなく、あり方」なのだと思います。
そして、これは説明会でもお伝えしましたが、神山塾は「答えを教えてくれない塾」です。
塾期間中に印象に残った言葉・経験は、塾生それぞれに異なります。
自分と目一杯向き合い、その意味合いを自分で見出していく。
その気持ちがあれば、きっと地域の方々も未来の神山塾生の後押しをしてくれるはずです。
神山塾を卒業して、改めて見える神山の人の魅力。
ぜひ神山塾8期生をはじめ、地方での暮らし方・働き方に興味を持っている方にも感じてもらえたらと思います。
今回のBLOGでも紹介させてもらった「神山塾」ですが、引き続き8期生を募集しています。
「日本仕事百貨」での掲載は一度6月末に終了し、再度8月初旬に掲載予定です。
「神山塾8期」は9月1日スタートです!
詳細のお問い合わせは、
088-677-5505
aoki@relation-style.com
(担当 青木)
までお願いします。
皆様のご参加、お待ちしております!!
神山の人の魅力を探る−未来の神山塾生に向けたメッセージ−
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参加申し込み・お問い合わせ
質問・不明な点など気軽にお問合せください。
この記事を書いた人
前田 優
地域マネジメント事業のプランニング・ディレクションを担当。2019年から熊本県南小国町で「地域人材マネジメント×温泉旅館」のプロジェクトにチャレンジ。民藝品や伝統工芸品が好きで、最近のマイブームは酒器。お刺身をアテにお気に入りの酒器で日本酒を呑むのが何よりも幸せ。
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