暮らしの中で気づいたコト-塚田牧場の実習を終えて- | KATALOG
暮らしの中で気づいたコト-塚田牧場の実習を終えて-

暮らしの中で気づいたコト-塚田牧場の実習を終えて-

三村 直輝
三村 直輝

2017.07.26

みなさんこんにちは!
本日は、北海道十勝・浦幌町から三村がお伝えします。
今回は先日ぼくが体験した酪農実習について書き留めてみました。

一週間の酪農実習

約130頭の乳牛が暮らす牛舎。
約130頭の乳牛が暮らす牛舎。

浦幌町の中心部から車を使って約15分の静内地区に、実習先である塚田牧場があります。

牧場主の塚田さんは牧場を会社として運営されており、
今は奥さんとご両親と共に家族経営を行なっています。

今回ぼくが体験させていただいたのは、約130頭の乳牛の搾乳。
月曜日から金曜日の5日間。
毎朝5時から9時くらいまでと毎夕17時から21時の1日2回、乳搾りをします。

さらに、お昼休みを挟んで、
牛の餌である牧草の刈り取り時期だったので、そのお手伝いもしました。

ぼくは、1日目からクタクタで筋肉痛。
普段の運動不足が顕著に出てしまいました。

一方、塚田さんたちは毎日元気。
搾乳以外の時間は、営業マンの対応や餌作り、
その他、牛が出産したり、牛が怪我をしたりしたとなると
昼夜にかかわらず臨機応変に対応をとられています。

 

暮らしに溶け込む

温かく迎え入れてくださった塚田家の皆様。
温かく迎え入れてくださった塚田家の皆様。

「何か飲みなー」
「何か食べなー」

毎朝毎夕牧場に着いた瞬間、
冷蔵庫に敷き詰められた缶ジュースや
机いっぱいに広がるパンやお菓子を勧められる搾乳前。

テレビを見ながら、たわいもない世間話をしながら、
お言葉に甘えてゴクゴク、ムシャムシャ。
気づけば到着してから20〜30分経っていることも。
楽しい会話はあっという間に時間が過ぎます。
「いつ搾乳始めるんだろう?」という日もありましたが(笑)。
でも、そんな時間がぼくは好きでした。
変に気を使わず、塚田家の暮らしに溶け込む日々。
日々の暮らしが、ぼくには何もかも新鮮で、
新しい気づきや新しい学びを得ることができることに喜びを感じていました。

例えば、家族経営だからこその発見がいくつかありました。
ご家族一緒に暮らしていて、仕事場も家も同じ敷地内。
なので、暮らしが仕事であり、仕事が暮らしのよう。
「仕事」と「暮らし」という区別はなく、それが日常で当たり前のこと。
また、日々仕事をしながらのかかわりが多いので、自然と家族の会話も増えます。
忙しい毎日に追われ、生き物を相手にする仕事はきつく、大変だというイメージは覆されました。
毎日家族みんなが笑顔に溢れて、毎日楽しそうでした。
将来の自分が家族を持ったときに、
参考にさせてもらいたい部分がいくつもありました。

 

 

最近ぼくが思う、「〜WS」や「〜体験」に対する違和感

ミルキングパーラーという搾乳機械で、一度に16頭の搾乳ができる。
ミルキングパーラーという搾乳機械で、一度に16頭の搾乳ができる。

最近思うことがあります。

おそらく浦幌町に住んだり、
酪農実習に行ったりしないとわからなかったことです。

近年、田舎暮らしやスローライフが人気で、
「薪割りワークショップ」や「田舎暮らし体験」などを
インターネットやパンフレットで目にすることが多くあります。

でも、実際に田舎に住んでいる人にとっては、
ごく当たり前の日常なわけです。

それを1日間、数時間だけ切り取って見せることに違和感を感じています。

それが良いとか悪いとかではないです。
もちろんそのWSや体験に参加することで、
参加者はさまざまな学びや経験を得ることができると思います。
田舎の暮らしを知る上での第一歩になることは間違いないのですが、
都会の人にとってはワークショップや体験でも、
田舎の人にとっては日常の暮らしという“ギャップ”に違和感を抱いています。

だからといって、どうすれば納得できるのか、
自分に何ができるのかは、まだ考え中です。

 

 

塚田牧場のこれから

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塚田牧場は、これからまた新たな牛舎を建てる予定です。
新しい牛舎の広さは、今の牛舎の2倍ほどで、約300頭の牛が入ります。
搾乳ロボットも導入し、塚田さんにとっては最後の挑戦だとおっしゃいます。
今の規模を家族経営で賄っていることは厳しいようで、
だから会社を起こされたという経緯もあります。
これから人を雇い、新たな挑戦に向かっていきます。

人を雇うことについて、奥さんやお母さんが話されていたのは、
働きやすい環境作りだと言われていました。

正直きれいな仕事ではなく、体力仕事でもあります。
ただ、自分たちがしたくない仕事を押し付けるのではなく、
少しでも働きやすい環境を整えることが大事だよねー、と。

塚田牧場では新たな働き手を募集しています。

気になった方、興味を持った方はぜひ一度ご連絡してみてはいかがでしょうか。

温かい塚田家の皆さんが笑顔で迎え入れてくれますよ。

ミルクフォレスト株式会社
代表取締役 塚田健一
〒089-5635
北海道十勝郡浦幌町字下浦幌東6線南48
TEL/FAX 015-576-4451
MAIL milkforest1209@gmail.com

この記事を書いた人

三村 直輝

三村 直輝

広島県広島市出身。農業で若者を元気にするNPOに出会い、地域と若者をつなげることを生業にすると決意。神山塾7期を経て、北海道十勝・浦幌町の廃校カフェ(TOKOMURO CAFE)を運営。カフェをコミュニケーションツールとして、地域の魅力を発信していきます。

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