人がつなげる、地域がつながる −広島県・上多田集楽との交流レポート−

人がつなげる、地域がつながる −広島県・上多田集楽との交流レポート−

前田 優
前田 優

2016.10.17

皆さん、こんにちは。プランナーの前田です。

私の今回のブログでは、先日行われた神山町と広島県・上多田集楽との交流の様子を、
神山塾KATALOGコース1期生・佐野さんとのコラボレポートでお届けしていきます。

この交流を通して、それぞれにどのような発見や気づきがあったのか。
その点にも少し触れていけたらと思います。

事のきっかけは、現在北海道・浦幌町で活動をしている三村とのSkypeでした。
「広島県の限界集落で活動をしている知人から、神山を訪れたいとの連絡があり、優さんにアテンドをお願いしたいのですが…」
彼からの依頼とあれば! と、早速神山を訪れる目的のヒアリングを行い、スケジュールを調整。
10月3日より2泊3日の神山ツアー・開始です!

神山温泉の前で、記念の2ショット。本当に笑顔が素敵な方でした。
神山温泉の前で、記念の2ショット。本当に笑顔が素敵な方でした。

写真左側の彼が、今回神山を案内させてもらう吉田峻(しゅん)さん。

大学時、若者と地域の方々とを繋ぐ交流イベントから“気づき”を得て、
新卒で広島の限界集落(上多田集楽 ※楽しさを表現するために集落を「集楽」を表記)へ移住。

現在は上多田での田舎暮らしの素晴らしさを多くの人に伝えるため、「田舎タレント」として農業や地域体験企画、執筆や講演などマルチに活動をされています(詳しくは彼のブログをご覧ください。『新卒で限界集落に移住した若者の話』)。

地域活性の先進事例地として注目される神山町の取り組みから、
彼の活動拠点である上多田集落に何か持ち帰れるものはないか。
そのヒントを得るべく、神山の各拠点を案内してほしいというのが、彼が今回、神山を訪れた目的です。

「神山には、なぜ若者が集まってくるのですか?」「神山の風土・特徴を知りたいです!」

そんな彼の疑問に答えるべく、ツアーを通して神山の人たちとどんどん触れ合ってもらうことにしました。
その中でも特徴的だった3つの場面を、以下に振り返っていきます。

 

地域のキーパーソンから、神山のマインドを学ぶ

神山塾生とっては“神山のお父さん”でもある、岩丸さん。
神山塾生とっては“神山のお父さん”でもある、岩丸さん。

まず初めに訪れたのが、神山プロジェクトの発信源であるNPO法人グリーンバレー・理事の岩丸さん宅。

まず吉田さんが驚いていたのが、壁面を埋める神山塾生からの寄せ書き。
岩丸さん宅は、神山塾生が活動期間中に民泊でお世話になる場所であり、
夜になると岩丸さんを囲んで皆でお酒を飲むなど、地域の交流拠点にもなっています。
この場での出会いを介して、様々な人の繋がりが生まれ、以後具体的なビジネスの話に発展することもしばしば。

吉田さんの思いとして、まずは上多田集落に移住者を増やさなければという意識が強くあったようなのですが、岩丸さんからは以下のようなアドバイスが。
「移住者を増やすことにとらわれてはいかん。若い人のチャレンジを『やったらええんちゃうん!』と、いい距離感
で応援してやる。結果、神山に残りたければ残るだろうし、出て行くもんもおる」

地域で面白い活動しをしている人が集結すれば、自然と人は次々と集まってきて「その土地に住むこと」を選択してくれる人も出てくる。
では、どうやって面白い人を集めようか?楽しい地域にしようか?
岩丸さんとの会話を通じて、早くも吉田さんの中で、今までの考え方に変化が見られた様子でした。
最後は岩丸さんから「頑張れよ!」と。神山でチャレンジをする若者が、地域の方々から後押しされるその“空気感”を、吉田さんにも感じてもらえたようです。

 

地域を超えた交流の始まり

地域でお米作りをするという共通点からも、話が盛り上がる吉田さんと植田さん。
地域でお米作りをするという共通点からも、話が盛り上がる吉田さんと植田さん。

次に訪れたのが、神山町地域おこし協力隊の拠点である「里山みらい」。

私が吉田さんに会ってもらいたかった人は、
KATALOG WEBでも神山町上分地区・江田集落の棚田保全活動を通して度々登場する、神山町地域起こし協力隊の植田さん(以下、あっきーさん)です。
共通した環境で、地域の人たちと関わり合いながらお米作りを行うふたりの交流から、何か新しい発見が生まれるのではと思い、アポイントを取らせてもらいました。

私たちも携わらせてもらっている江田集落の棚田は、あっきーさんが取り組みを初めて今年で4年目。これまで幾度となく発見や失敗を重ねて、今年はようやく納得ができるお米に仕上がったとのこと。
今に至るまでの思いを、吉田さんに熱く話してくれました(あっきーさんの活動は、こちらの記事で詳しく取り上げています『KATALOG BLOG』 受け継いでいく者のひとりとして −江田集落での稲刈り作業−)。

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この日はちょうど、江田集落の棚田で採れたお米の籾摺りを行うとのことで、
お話を伺った後に江田集落に移動し、見学をさせてもらうことに。
江田集落の様子やあっきーさんの取り組みを、実際に見て感じてもらう良い機会となりました。

彼が驚いていたのは、江田地区の籾摺りに多くの若者が手伝いにきていたということ。
あっきーさんの思いが、次第に若者の共感を生み、地域の方々を巻き込んだ取り組みにっている様子からも、
何か持ち帰れるヒントがあるように思います。

あっきーさんとの交流はいつしか「お互いが育てたお米を交換しない?」という、地域を超えた“お米交流”の話に。
このように地域で活動する人と人の思いが繋がり、地域間の交流に発展していけば…。
今後の神山・江田集落と広島・上多田集楽との繋がりにも期待です!

 

神山塾生との交流を通して−KATALOGコース1期生・佐野さんの上多田レポート−

ゲストスピーカーとして、塾生に自身の活動を話す吉田さん。
ゲストスピーカーとして、塾生に自身の活動を話す吉田さん。

神山ツアーの終盤では、地域に若者を呼び込む活動の1つとして「神山塾」を紹介。
せっかくの機会なので、吉田さんの活動を神山塾生にも知ってほしいと思い、ゲストスピーカーとして授業に参加してもらいました。
現在の活動に至った経緯や、上多田集落での取り組み、今後の活動ビジョンなどを話す吉田さんから、何か学ぼうと皆、真剣に聞き入っていました。

後半はグループに別れ、吉田さんを交えたフリーディスカッションを行ったのですが、塾生からは質問責めに…(笑)。
午前中という短い時間でしたが、地域を思って活動する吉田さんの姿は、塾生にとってとても刺激になったように思います。

その日は、徳島近辺に台風が接近していたこともあり、神山ツアーはこの日の午後で終了。
吉田さんとの別れを惜しみつつ…となるはずだったのですが、すぐに次の展開へと発展していきます。

上多田の自然と触れ合う、佐野さんと吉田さん。
上多田の自然と触れ合う、佐野さんと吉田さん。

この交流の機会に刺激を受け、早速行動に移したのが、神山塾KATALOGコース1期生の佐野さんです。
彼はすぐさま吉田さんにアポイント取り、神山塾8期生のメンバーと共に、吉田さんの活動拠点である広島県・上多田集楽へ!
以下は佐野さんのレポートを基に、彼の活動拠点である上多田集落の様子やその後の吉田さんの変化などを少しお伝えしていきます。

「吉田米」ももうすぐ収穫時期。気合いみなぎる様子。
「吉田米」ももうすぐ収穫時期。気合いみなぎる様子。

写真はあっきーさんとの交流でも話に挙がった、吉田さんが手がける田んぼの様子。
自身の名前を冠したブランド米「吉田米」も、もうすぐ収穫時期のようです。
この田んぼをフィールドに、地域のスポーツクラブの少年を招き、稲刈り体験のワークショップを企画しているとのことで、彼の背中からは気合いが!
自身のみならず、積極的に地域の雇用を作ろうとする彼の姿には、私も大いに影響を受けました。

デスクワークは、上多田の自然と一体となったテラスで。
デスクワークは、上多田の自然と一体となったテラスで。

佐野さんのレポートによると、吉田さんは神山町から帰ったあと、すぐに地域の人に神山町のことや神山塾のことを話したそうです。

上多田と神山は地域資源的にも似ているところがたくさんある。
ただ大きく違う点は、地域の人や若者などの“人の流れ”であるというのが彼の感想。
その流れを作り出すために、農業を学びのベースとした神山塾のような短期間の地域滞在型人材育成事業を作り上げたいとの想いを持って今計画を進めています。

上多田集落には「点」としての魅力はたくさんある。
吉田さんの取り組みは、若者や移住者、地域の方々を巻き込み、上多田の魅力を「面」としていく原動力となっていくのでしょう。

吉田さんは、神山の人との出会いから。
私や神山塾生は、彼との出会いから。
今回の神山ツアー・地域交流は、それそれに発見や多くの気づきを得られた、とても有意義なものになりました。
吉田さんとの出会いを介さなければ、私も塾生も、広島県・上多田集楽の取り組みを知り、理解し、共感することはなかったと思います。

私たちと吉田さん、神山と上多田集楽の交流は、まだ始まったばかり。
今後もこの繋がりを大切にして、お互いの活動に活かし、交流を大きなものにしていけていきたいという思いを胸に、このレポートを締めたいと思います。

最後に、このような交流の機会の“きっかけ”を作ってくれた吉田さんに、感謝の気持ちとエールを!!

人がつなげる、地域がつながる −広島県・上多田集楽との交流レポート−

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この記事を書いた人

前田 優

前田 優

地域マネジメント事業のプランニング・ディレクションを担当。2019年から熊本県南小国町で「地域人材マネジメント×温泉旅館」のプロジェクトにチャレンジ。民藝品や伝統工芸品が好きで、最近のマイブームは酒器。お刺身をアテにお気に入りの酒器で日本酒を呑むのが何よりも幸せ。

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